スタートアップにおすすめの採用支援サービスとは?採用手法や選び方を紹介
スタートアップの採用は「人が足りない」「時間がない」「何から手を付けるべきかわからない」といった悩みを抱えがちです。
採用に向き合いたいのに、スカウトや日程調整が後回しになり、思うように人材が確保できない状況は珍しくありません。
本記事では、そんな環境でも成果を出すために役立つ、スタートアップ向けの採用支援サービスの種類・特徴・選び方を体系的に整理して解説します。
なぜ支援サービスを活用すると採用が前に進むのか、その根拠となる「採用課題の構造」や「採用プロセスを効率化する仕組み」にも触れながら、実務で再現しやすい形でまとめました。
この記事を読み終えるころには、自社に必要な手法や支援が明確になり、限られたリソースでも採用を加速させるための具体的なイメージがつかめるはずです。
まずは、自社の採用課題を整理しながら、最適な方法を一緒に探していきましょう。
目次
スタートアップが抱える採用課題

スタートアップの採用では、多くの企業が似たような壁に直面します。
なぜ、そのような課題が発生するのか、そしてどのように解決できるのかを、特に発生しやすい代表的な採用課題を4つに整理して紹介。
それでは、それぞれ詳しく見ていきましょう。
スタートアップの採用が難しい理由について、こちらで詳しく解説
スタートアップの採用はなぜ難しい?事業成長に導く採用戦略を紹介
人手不足によるリソース不足
スタートアップでは、採用専任の担当者がいない、もしくは1名のみという体制が多いです。
そのため、採用は重要だと分かっているのに、手をかける時間と余裕がないという構造的な課題が生まれてしまいます。
また、事務職が経理・総務と採用を兼任しているため、手が回らずスカウト送信や日程調整が後回しになってしまうこともよくあるケースです。
限られた時間で他業務を優先させてしまい、面談フォローや媒体運用まで手が回らなかったり、採用スピードが落ちてしまったりするのは当然でしょう。
次のような典型的な悩みを多くのスタートアップが抱えています。
- 本来なら毎日数十件送りたいスカウトも、週に数件しか送れない……
- 候補者返信への対応が遅れ、せっかくの興味が薄れてしまう……
「採用しないと事業が進まない。でも、採用活動を進める人手もない」という矛盾が、スタートアップの採用リソース不足の本質的な問題だと言えます。
採用ノウハウ・戦略の欠如
スタートアップでは、採用戦略を体系立てて設計する人材がいない・そもそも知見を持っている人材がいないことが多く、場当たり的な採用活動になりがちです。
多くのスタートアップでよくあるのが、明確なペルソナや要件定義がないまま求人媒体を出し、スカウトを送り、マッチ度の低い人材との面接を重ねてしまうケースも。
結果として、応募は来てもミスマッチが続き、ボトルネックを判断できず、改善が進まないまま、時間だけが過ぎていってしまうでしょう。
本来は、「誰を採るべきか」「どの媒体を使うべきか」「スカウトの訴求をどう設計するか」「面接フローは最適か」といった一連の戦略設計が不可欠です。
しかし、スタートアップは初期のフェーズであるほど、基盤となる事業作りに追われ、採用戦略に時間を割けません。だからこそ、外部の採用支援が効果を発揮します。
経験値の少ない段階で正しい戦略を作ることで、無駄な工数やコストを抑え、短期間で成果につなげることが可能です。
採用スピード・対応力の遅れ
候補者対応のスピードは、そのまま採用成功率に直結するほど重要です。
例えば、質の高い人材(求めている人材)からの応募があっても、日程調整の返信が翌日・翌々日になれば、その間にその候補者は他社選考を進めています。
その結果として、時間の差で選ばれない企業になることもあります。
実際、1日返信が遅れただけで他社に先に面談を押さえられ、辞退されるケースは多いです。
とくに成長企業同士で候補者を取り合う中では「初動の遅さ=採用負け」に直結します。
また、面接調整に時間がかかると、候補者の温度感は落ち、決定率は大きく減少。専任の担当者のいないスタートアップでは、こうした問題はとくに起きやすいです。
一方で、スピードが改善されると決定率は目に見えて上がります。返信を即日化しただけで採用成功が増えた例も多いため、できていないスタートアップは改善施策が必要。
ブランド発信・母集団形成の弱さ
スタートアップは、大企業に比べて認知度が低いため、応募が集まらず、スカウトの返信率も上がりにくいという根本的な課題を抱えています。
候補者が企業名を知らない場合、「どんな会社かわからない」「情報が少なく不安」と感じられ、興味を持たれる前に離脱されやすいのが実情です。
とくに採用広報が弱い企業では、「Wantedly」や「X」「採用サイト」からの情報発信が不足し、候補者から“見つけてもらえない”状態が続いてしまいます。
実際、会社名を検索しても情報が出てこない場合、応募の二の足を踏む求職者は多いです。
母集団形成がうまくいかない原因は、魅力がないのではなく、魅力が“届いていない”ことが多いと言えるでしょう。採用活動における最大の不利は、候補者にそもそも存在を知られないこと。
ブランド発信の弱さは、スタートアップ採用における根源的なハードルといえます。
スタートアップ向け採用支援サービスの選び方

これまでにスタートアップが抱える採用課題について解説しましたが、この課題は社内に採用経験者がいなくても、支援サービスの導入で解決が可能です。
では、スタートアップ向けの採用支援サービスを選ぶ際に、どのような点をチェックすれば良いでしょうか。今回は、4つの観点を詳しく解説。
サービスを選定していく上で、重要な比較軸が見えてくる内容です。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
自社の採用課題を整理する
まず必要なのは、「自社がどこにつまずいているのか」を正しく可視化することです。
スタートアップの場合、課題は1つだけに限らず、複数同時に起きていることが一般的です。
課題を整理する手順としては、まず現状を棚卸しし、採用のどの工程で滞りが生じているかを把握しましょう。その際に定量・定性的なデータの活用でより正確な分析が可能になります。
次に「戦略」「運用」「工数」「スピード」などの観点で課題を分類し、優先順位を付与。優先順位を明確にしておくことで、サービス選定時に必要な機能を判断する際の基準にします。
重要なのは、“課題のない企業は存在しない”という前提で、不足を正直に洗い出すことです。
課題が曖昧なまま採用支援サービスを選んでしまうと、必要な領域と異なるサービスを契約してしまうミスマッチが起こりやすく、成果につながりません。
採用フェーズに応じて選定する
企業の成長フェーズによって、必要な支援内容は大きく変わります。
シード期は知名度不足が大きく、採用広報やスカウト代行のような“母集団づくり”の支援が有効です。
アーリー期では、採用活動の仕組み化が課題となり、要件定義・選考フローの設計・KPI管理などの採用戦略立案が重要になります。
さらにグロース期に入ると、エンジニア・Biz・バックオフィスなど複数職種を並行して採用する必要があり、専門領域に強い支援会社が必要です。
フェーズに合わない支援内容を選ぶと、提供される支援と自社の課題が噛み合わず成果が出にくくなるかもしれません。事業フェーズの変化はそのまま採用戦略の変化であり、フェーズを誤ると採用全体が空転してしまいます。
今のフェーズに必要な支援を選ぶことが、採用効率を最大化するポイント。
内製と外部委託のバランスを取る
スタートアップの採用では、「何を内製し、何を外注するか」を切り分けることが成果を左右。基本的に、採用戦略の策定や最終的な判断は自社で行いましょう。
スカウト送信・候補者フォロー・面接日程調整・媒体運用など工数の大きい実務は外部に委託すると最も効率が良くなります。
しかし、すべての業務を外注にしてしまうと、自社にノウハウが蓄積されず、支援が終わった瞬間に採用力がゼロに戻ってしまうかもしれません。
一方で、すべての業務を内製化しようとすると担当者の工数は逼迫し、スピードも質も低下してしまい、結果的に採用力がダウンしてしまいます。
そのため、リソースが限られるからこそ「外注で時間を買う」発想が必要です。
採用戦略策定と意思決定は内側に残しつつ、手を動かす部分を外部に任せることで、スピードと質の両方を高いレベルで維持できます。
対応領域・職種・料金・支援範囲を比較する
採用支援を選ぶ際は、複数社を“同じ物差し”で比較することが重要です。
まずは、候補にあげたサービスの得意とする職種領域を確認しましょう。
IT領域に強い会社、エンジニア採用に強い会社、バックオフィス採用を得意とする会社、外国人人材に強い会社など、支援会社ごとに強みは大きく異なります。
また、「採用戦略設計まで含むのか」、「スカウト・日程調整など運用まで対応するのか」、「ヘルプデスクはあるか」など、支援範囲も必ずチェックすべきポイントです。
料金体系も月額制、従量課金、成果報酬などさまざまあり、料金だけで選ぶと「安いものの成果が出ない」状態に陥るリスクがあります。
さらに、業界特化型の支援会社かどうかも採用成功率に影響するため注意が必要。
比較すべき軸を整理し、自社の課題に最適なパートナーを見極めることが、採用の成果につながる最短ルートとなります。
スタートアップにおすすめの採用手法

それでは、スタートアップにとくに効果の高い採用手法を紹介します。
それぞれの手法がどのような目的を持ち、どんな成果につながるのかを解説。
それでは、詳しく見ていきましょう。
採用広報・SNS採用
スタートアップがまず直面する課題は、「知られていない」という事実です。
どれだけ魅力的な事業や環境があっても、候補者に届かなければ応募につながりません。
そこで重要になるのが、採用広報やSNSによる情報発信です。
採用広報の目的は、認知拡大・魅力訴求・候補者との接点づくりの3つ。
スタートアップは採用広報の有無で母集団形成が大きく変わり、発信が弱い企業ほど応募数が伸びにくい構造にあります。
とくにSNS採用は、潜在層にもリーチできる、スピード感がある、低コストで始められるなど、スタートアップにとってメリットが大きい手法です。
採用サイトやWantedly、LinkedIn、noteで自社の物語や働く環境を発信することで、候補者に「仕事のリアリティ」を伝えることができます。
SNS採用について、こちらの記事で詳しく解説
SNS採用とは?明日から実践できる採用戦略や成功のコツを徹底解説
リファラル採用
リファラル採用は、既存社員からの紹介経由で入社を引き込む採用手法です。
社員の人脈を活用してカルチャーフィットする人材を効率的に採用できるため、スタートアップとの相性が非常に良いとされています。
スタートアップでは、スキルだけでなく「価値観の一致」が大きな成功要因となるため、社員が信頼して紹介する人材は高い確率でフィットしやすい特徴が存在。
また、人材紹介や媒体よりも採用コストを抑えられ、かつ即戦力人材にアプローチできる点も魅力。ただし、制度を整えただけでは機能しません。
紹介インセンティブの設計、紹介しやすくするための浸透活動、候補者への迅速な対応フローなど、仕組みづくりが成功のポイントです。
さらに、リファラル管理ツールを活用することで運用効率を高めることが可能になります。
リファラル採用ツールをこちらの記事でさらに詳しく紹介
リファラル採用ツールのおすすめ比較5選!種類・機能・導入ステップを徹底解説
ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングは、企業が主体的に候補者へアプローチできるため、スタートアップ採用の主流となっている手法です。
ダイレクトリクルーティングの活用で、とくに次のようなメリットがあります。
- 転職潜在層へ接触できる点
- スカウト経由のスピード感
- 候補者を精密にターゲティングできる点
採用競争が激しい環境では「待ちの採用」ではなく、「攻めの採用」が必須です。
採用成果を左右する要素としては、ターゲットの精査、スカウト文面の改善、送信量の確保、返信後の即時対応などがあります。
スカウトはただ送るだけでは効果が出ず、ペルソナごとに訴求内容を変える工夫が必要です。
また、スカウト媒体ごとに得意層が異なるため、自社に適したサービスを選定して使うほかに、複数サービスを併用しながら運用・改善を繰り返していきましょう。
ダイレクトリクルーティングをこちらの記事で詳しく紹介
ダイレクトリクルーティングのおすすめサービス一覧26選!費用やメリットを解説
人材紹介サービス
人材紹介サービスは、短期間で即戦力人材を採用したいスタートアップに向いており、多くの場合では成果報酬型で継続利用しやすい点が特徴です。
とくに、採用の緊急度が高いときや、スカウト送信・母集団形成に割く時間がないときに大きな効果を発揮します。
紹介会社は候補者のスクリーニングや推薦文作成、日程調整まで代行してくれるため、採用工数を大幅に削減できるのもメリットです。
一方、紹介会社にも得意領域があり、エンジニア特化、ハイクラス特化など特徴はさまざま。相性が悪い紹介会社を選ぶと、推薦の質が低くなり、面接数ばかり増えて採用に至らないこともあります。
また、成果報酬とはいえ決定時の費用は、決して小さくなく(多くの場合:理論年収の20~40%)、「コストに見合う人材か」の見極めが重要です。
人材紹介サービスをこちらの記事で詳しく紹介
人材紹介サービスおすすめ15選を比較!費用・手数料など一覧で紹介
スタートアップにおすすめの採用支援サービス

次にスタートアップにおすすめの採用支援サービスを紹介します。
人的リソースが不足しやすいスタートアップだからこそ、システムやツールを導入し、効率よく採用活動を進めていきましょう。詳しく見ていきましょう。
採用代行(RPO)
採用代行(RPO)は、採用戦略の設計からスカウト送信、母集団形成、面談調整、媒体管理、KPIモニタリングまで、採用業務を包括的に支援するサービスです。
スタートアップでは、以下の課題をよく抱えています。
- 専任の採用担当がいない
- 担当者一人に業務が集中して属人化している
- 業務量が多くスカウト送信や媒体運用が後回しになる
そこで、RPOを導入すると、日々の実務をプロが代行しつつ、ペルソナ設定・選考プロセス設計といった戦略部分にも伴走してもらえます。
短期的な採用力強化に加え、再現性のある仕組み化を進められるでしょう。
とくに「採用スピードを上げたい」「一人採用に限界を感じている」「急成長フェーズで採用を止めたくない」という企業と相性が良く、最小工数で最大成果を出すための強力なパートナーになります。
RPO(採用代行)について、こちらの記事で詳しく解説
RPO(採用代行)のメリットとは?サービス導入に適した企業の特徴を解説
採用管理ツール(ATS)
採用管理ツール(ATS)は、候補者情報、選考ステータス、面談記録、メール履歴などを一元化し、採用プロセスの属人化を防ぎながら、全体の効率を大幅に向上させるプラットフォームです。
スタートアップでは、候補者情報をスプレッドシートで管理している会社も多いでしょう。
しかし、それでは情報が分散してしまい、更新漏れ、担当者間の認識齟齬、進捗不明などの問題が起きやすく、結果として選考スピードや候補者体験が低下する恐れがあります。
そこで、ATSを導入することで、誰が見ても進捗が分かる状態になり、選考管理の標準化・ミス削減・データ活用が進み、採用全体の透明性が高まります。
また、レポート機能により「どの媒体が効率的か」、「どの工程にボトルネックがあるか」なども把握でき、改善サイクルをまわしやすくなる点もメリット。
情報管理を整えたい成長期の企業ほど導入価値が高いツールです。
スカウト自動化ツール
スカウト自動化ツールは、スカウト文面作成、ターゲット候補者の自動抽出、送信自動化、配信結果の分析などを一括で行え、スカウト業務の工数を大幅に削減しながら質と量を両立させるサービスです。
スカウトは、最も時間がかかるうえ、担当者の力量によって大きく成果が分かれます。
人力では「送信数が足りない」、「文面のクオリティが安定しない」、「分析ができず改善しにくい」といった課題が発生してしまうでしょう。
しかし自動化ツールを活用すると、適切なターゲットリスト生成、候補者ごとの文面最適化、返信率の分析などが可能になり、運用の再現性が向上します。
また、ATSや主要媒体と連携している場合が多く、スカウト→選考→進捗管理の一連の流れを効率化できる点も大きな強みです。
限られた工数で母集団形成を最大化したい企業に向いています。
スカウトの自動化について、こちらの記事で詳しく解説
スカウトの自動化とは?RPA・AIスカウト・RPOの仕組みと選び方を解説
AIマッチングツール
AIマッチングツールは、候補者データをAIが解析し、自社に合う人材を自動で推薦することで、母集団形成の効率と精度を高めるサービスです。
スタートアップでは、「応募が集まらない」、「スカウトしても返信が来ない」という状態に陥りやすく、人力での候補者探索だけでは限界があります。
AIマッチングを活用すると、スキル・経験・行動特性などの多様なデータをもとに、自社ポジションとのスキルマッチ・カルチャーマッチの自動判定が可能です。
潜在的に相性の良い候補者に効率よくアプローチできるでしょう。
短期的な採用成果を上げるだけでなく、候補者データの蓄積により、中長期でタレントプールを形成しやすくなる点も魅力です。
また、定量的な根拠をもとに推薦されるため、採用精度の向上にもつながります。
母集団形成に課題がある企業に最適です。
日程調整ツール
日程調整ツールは、候補者と面談官双方の空き日程を自動で抽出し、候補者が好きな時間を選ぶだけで面談が確定する仕組みを提供するサービスです。
スタートアップでは、日程調整の遅れが候補者離脱に直結しやすく、メール往復を続けている間に競合に先に面談されてしまうケースも珍しくありません。
ツールを導入すると、カレンダー連携によって最新の空き枠が常に候補者へ共有され、面談確定までの時間が大幅に短縮されます。
また、複数面接官の調整やリスケ対応など、煩雑な業務も自動化されるため、採用担当の負担が減り、迅速な候補者対応が可能です。
結果として選考スピードが向上し、決定率の改善にも寄与します。
採用人数が少なくても即効性があるため、導入メリットの大きいツールです。
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面接日程調整ツールおすすめ10選!無料・有料ツールを徹底比較
オンライン面接ツール
オンライン面接ツールは、移動不要で即日面談が可能となり、地方・遠隔地の候補者とも素早く接点をつくれる面接基盤を提供します。
スタートアップではスピード採用が求められるため、オンライン面接は特に相性が良いです。
ツールを活用すれば、面談設定の自由度が高まり、候補者が参加しやすい時間帯に柔軟に対応できるほか、面談官側の調整もしやすくなります。
録画面接機能を活用すれば、忙しいメンバーが後から評価に参加でき、評価の見落とし防止やチーム全体の意思決定スピードの向上も可能です。
また、面談メモ共有や評価テンプレートなどの機能により、選考のばらつきを抑え、候補者体験の向上にも寄与します。
選考フローの効率化、スピード改善、CX向上を同時に実現できる点が大きな強みです。
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スタートアップが採用を成功させるポイント

スタートアップが採用を成功させるためには、次の4つのポイントが重要です。
人事だけではなく、経営層もしっかり巻き込みながら会社として採用をどう捉えるのか、目線を合わせていくことが求められます。詳しく見ていきましょう。
採用を経営投資として捉える
スタートアップが採用を「費用」として扱い後回しにすると、採用が遅れ、事業推進のボトルネックが発生し、成長スピードが急激に落ちるという構造に陥ります。
優秀人材の確保は売上拡大・事業成長のレバレッジそのものであり、採用は本来“コスト”ではなく“投資”として捉えるべき領域です。
理想の人材を採用できれば、プロジェクトは前倒しで進み、経営課題の解消や新規事業の推進が実現するでしょう。
また、予算や担当者の工数を十分に確保すると、無駄な選考や不採用の増加が減り、結果的に採用単価の削減にもつながります。
採用戦略を投資視点で考えることで、判断の基準が明確になり、手法選定・予算配分・スピード感がブレない状態が作られるのです。
内製と外注で採用体制を最適化
少人数のスタートアップが採用を成功させるには「全部自社でやる」、「全部外注する」という極端な体制ではなく、戦略と実務を分けた“ハイブリッド体制”が最適です。
自社が担うべきは、経営方針と紐づく採用戦略、ペルソナ設計、最終判断といった核心部分。
一方、スカウト送信、媒体管理、候補者連絡、日程調整など時間のかかる実務は、外部パートナーに任せることで質とスピードが大きく向上します。
「全部内製」は担当者の疲弊と遅延を招き、「全部外注」は企業理解不足でミスマッチが起きやすいという失敗例も多いです。
外注の目的は単なる工数削減ではなく、採用の成果を底上げするための生産性投資であると捉えることが求められます。
KPIで採用プロセスを改善
スタートアップでは、日々の業務に追われ「なんとなく」の感覚値で採用を進めてしまいがちです。
しかし、これでは課題の特定ができず、改善も再現性も生まれません。
採用成功の鍵は、応募→面談→内定→承諾の各プロセスをKPIで管理し、どこにボトルネックがあるかを定量的に把握すること。
具体的には、応募数、スカウト返信率、一次面談率、各選考の通過率、内定承諾率、辞退率などを定点で追うことが重要です。
数値が可視化されると、「母集団が足りないのか」、「面談の質が問題なのか」、「内定後フォローが弱いのか」など改善すべき点が明確になります。
継続的にKPIを改善することで、採用の再現性が高まり、最小の工数で最大の成果を出せる体制に近づくでしょう。
CX向上で選ばれる企業に
スタートアップは知名度で大企業に勝てないため、候補者体験(CX)が“決定率を左右する最大の差別化要因”です。
候補者側は複数社を並行して検討しているため、返信の速さ、連絡の丁寧さ、案内のわかりやすさ、魅力の一貫した伝達といった基本的な配慮だけでも印象が大きく変わります。
特にスピード対応は、スタートアップが最も強みを出せるポイントです。
選考開始からの初動が早いほど候補者の温度感が下がらず、決定率が上がりやすくなります。
また、候補者が「働くイメージ」を掴めるよう、ミッション・カルチャー・具体的な役割を丁寧に伝えることも重要。
CXの改善は、選考の離脱率を減らし、採用スピードにも好影響を与える、最も費用対効果の高い取り組みです。
スタートアップの採用でよくある質問
スタートアップの採用活動でよくある質問に回答します。
スタートアップがまず使うべき採用支援は?
スタートアップが最初に導入すべきなのは、限られた人数でも採用の抜け漏れを防ぎ、全体を回せる仕組みを作る支援です。
とくに、効果が高いのはATS(採用管理ツール)・スカウト支援・日程調整ツールの3つ。
例えば、ATSを導入した企業では候補者の進捗把握が容易になり、採用工数が3割削減された事例もあります。さらにスカウト支援と組み合わせると、知名度の低い企業でも母集団形成が強化され、スピード採用が可能になります。
まずはこの3つの導入が「最小の工数で最大の成果」を出す近道です。
スタートアップが採用で失敗するよくある理由は?
失敗する最大の理由は「採用基準が曖昧」「プロセスが属人化しやすい」点にあります。
実際、採用要件が固まらないまま面談を進めた企業は、評価軸がぶれてミスマッチが続き、また、急成長フェーズでは採用に割ける時間が不足し、返信の遅れによる辞退も発生しがちです。
さらに企業知名度の低さから、求人掲載だけではなかなか応募が集まらず、スカウトや広報が後回しになると母集団形成が停滞します。
成功には「基準の明確化」、「プロセスの仕組み化」、「対応スピードの担保」が不可欠です。
外注と内製はどう判断すべき?
「戦略領域」と「実務領域」を分けるところから始まります。
採用基準の設定や最終面接など、企業の価値観に直結する領域は内製すべき一方で、スカウト作成・日程調整など時間を奪う実務は外注が効果的です。
実際に、スタートアップの中にはスカウト文面の作成を外注したことで返信率が2倍に向上し、採用スピードが劇的に改善した例もあります。
限られたリソースを最大化するには「戦略は内製、運用は外注」のハイブリッド型が最も再現性の高い方法です。
事業成長につながる採用を実現しましょう
優秀な人材の確保は事業成長を大きく加速させる最も重要な要素のひとつです。
他社の成功事例や手法を参考にすることは有益ですが、最終的に成果を左右するのは「自社に合った採用手法」を適切に選び、実践できるかどうかにあります。
後回しになりがちな採用業務も、ツールやシステムを活用すれば効率化でき、限られたリソースでも質の高い採用が可能になります。
会社全体で候補者との向き合い方を見直し、魅力が正しく伝わる採用体制を整えていくことで、より良い人材との出会いを生み出せるでしょう。
自社らしい採用の形をつくり、事業成長につながる“強い採用”を実現していきましょう。