コラム
採用課題改善

内定承諾率を上げる8つの方法を紹介!承諾率の平均値や主な辞退理由を解説

内定承諾率を上げる8つの方法を紹介!承諾率の平均値や主な辞退理由を解説

「内定を出しても、他社に流れて辞退されてしまう……。」

「選考に時間をかけたのに、最後の最後で採用計画が白紙になってしまう……。」

――そんな「内定辞退」の連鎖を断ち、確実な人材確保の実現に不可欠な指標が「内定承諾率」です。

本記事では、内定承諾率の基本的な考え方や業界平均の目安から、辞退が相次ぐ真の理由、さらには選考フローや内定後フォローで実践できる「8つの具体的な改善策」までを体系的に解説。

承諾率を正しく把握し、自社の採用プロセスの弱点を解消することで、採用コストの無駄を抑え、現場の期待に応える「計画通りの採用」を実現できるようになります。採用計画の未達に危機感を感じている人事担当者はもちろん、選考の質を底上げしたい面接官方も、ぜひ最後までご覧ください。

内定承諾率とは?

内定承諾率とは、企業が内定を提示した人のうち、入社意思を示して「承諾」した人の割合を示す指標です。採用活動の最終成果に直結するため、多くの企業でKPIとして活用されています。

内定承諾率の算出方法はシンプルで、一般的には
内定承諾率 = 内定承諾者数 ÷ 内定出し人数(オファー数)× 100」です。

内定承諾率が低い状態が続くと、内定を出しても採用充足に結びつかず、採用広告費・紹介手数料・面接工数などの採用コストが無駄になりやすくなり、さらに採用計画が崩れ、欠員期間が長期化すれば、現場の業務負荷が増え、既存メンバーの疲弊や不満につながるリスクも高まります。

一方で、数値だけを見て一喜一憂するのは注意が必要です。

集計時は、「どの期間のオファーを対象にするか」「分母・分子の定義を何にするか」を必ず統一しましょう。例えば、以下が揃っていないと比較ができず、実態を見誤ります。

  • 対象期間(例:月次/四半期、内定出し日基準か承諾日基準か)
  • 集計範囲(新卒・中途を分ける/職種・拠点・求人単位で分ける)
  • 分母の扱い(内定辞退が想定される母数を含めるのは当然だが、恣意的な除外はしない)
  • 特例の扱い(承諾期限切れ、保留、再オファー、内定取消などをどうカウントするか)

内定承諾率は、採用の良し悪しを断定するための数字ではなく、条件提示・選考スピード・面接品質など、採用プロセス全体を見直すための出発点として捉えることが重要です。

内定承諾率の平均値

内定承諾率の平均値を把握することは、自社の採用状況を客観的に捉えるうえで役立ちます。ただし、平均値はあくまで目安であり、その数字だけで高い・低いを判断するのは危険です。

採用区分が新卒か中途かによって前提条件は大きく異なり、さらに業界、職種、地域、採用難易度によっても数値は変動します。ここでは、代表的な区分ごとに内定承諾率の傾向を整理して、自社に近い条件と比較するための視点を提供します。それでは、見ていきましょう。

新卒採用の場合

新卒採用における内定承諾率は、調査や定義によってブレが出やすい指標です。企業調査の一例として、リクルート就職みらい研究所の『就職白書』では、2024年卒は「内々定・内定出し人数」平均45.2人に対して「内定人数」平均24.4人、2025年卒は44.4人に対して23.8人となっており、内々定・内定出しに対する内定(入社予定)までの比率は、いずれも約54%(5割台)が目安になります。

ただし、この数値だけで自社の良し悪しを判断するのは適切ではありません。

企業規模・知名度・勤務地・職種の人気度・選考条件などによって承諾率は大きく変動し、「大手だから高い/中小だから低い」と一概には言えないためです(※同じ『就職白書』内でも、従業員規模別・地域別で内定出し人数や内定人数に差が出ています)。

また、新卒市場は年度ごとの環境変化の影響も受けます。

例えば、学生側データでは、2025年卒は「内々定・内定を取得する」平均数が2.74社に増えており、複数内定を前提に比較検討する動きが強まっています。

さらに就職活動の開始時期も早期化しており、卒業年次前年9月までに活動開始した割合が61.6%まで増加したことが示されています。こうした状況では、内定を保持しながら検討が長引きやすく、承諾判断が後ろ倒しになることも珍しくありません。

したがって新卒の内定承諾率は、平均値との単純比較ではなく、「自社と近い条件(職種・勤務地・採用難易度)で比較し、同じ定義・同じ期間で前年差分まで確認する」視点で評価することが重要です。

参考:就職白書2024(https://shushokumirai.recruit.co.jp/wp-content/uploads/2024/02/hakusho2024_data.pdf

参考:就職白書2025(https://shushokumirai.recruit.co.jp/wp-content/uploads/2025/02/hakusho20250220-2.pdf

中途採用の場合

中途採用の内定承諾率は、新卒よりも個別要因の影響を強く受けます。特に中途は、候補者ごとに比較対象(他社オファー)や条件交渉の余地が大きく、承諾率がブレやすいのが特徴です。

数値の目安については注意が必要です。中途は「承諾率」で語られるよりも「内定辞退率」で示されることが多く、調査例では内定辞退率が1桁台とされるケースもあります(例:2024年の内定辞退率 9.3%)。 そのため、「承諾率60%前後」といった一般化は誤解を招きやすく、中途の承諾率は“前提(職種・給与帯・競合状況・定義)次第で大きく変わる”と整理するほうが安全です。

中途採用の承諾率を左右しやすい主な要因は次のとおりです。

  • 条件交渉:給与・等級(役職)・勤務地・リモート可否・入社時期などは比較軸になりやすく、わずかな差でも意思決定に影響します。
  • 選考スピードと競合比較:意思決定が遅れるほど、他社の選考が先に進み、比較のテーブルにすら残れないことがあります。
  • 希少職種・即戦力採用の難易度:専門性が高い職種や市場価値の高い層ほど選択肢が増え、承諾率が下がりやすくなります。
  • 現職の引き止め・家庭事情:カウンターオファー(引き止め)や家族の意向、転居可否など、企業側でコントロールしづらい変数も大きいのが中途の特徴です。

したがって中途の内定承諾率は、全体平均と比べるよりも、「同じ職種・経験年数・給与帯・勤務地・競合状況」など条件をそろえて比較することが重要。あわせて、オファー後だけでなく「最終面接後辞退」「オファー後辞退」など工程別に分解して見ると、どこに改善余地があるかが明確になります。

参考:中途採用状況調査2025年版(2024年実績)(https://career-research.mynavi.jp/wp-content/uploads/2025/03/tyutosaiyouzyoukyou2025.pdf

業界・職種・地域による違い

内定承諾率は、業界・職種・地域といったセグメントによって大きく変動します。

同じ会社でも、募集ポジションや勤務地が違うだけで承諾率の水準は変わるため、まずは「どの条件の承諾率を見ているのか」を明確にすることが重要です。

業界差が生まれる主な理由は、業界の人気度・将来性の見え方・労働条件(賃金水準や労働時間など)・企業ブランド(知名度)・採用競争の激しさが異なるためです。

なお、「成長産業や知名度の高い業界ほど承諾率が高い」とは一概に言えません。応募は集まりやすい一方で、候補者側の選択肢も増え競争が激しくなるため、承諾率が下がるケースもあります。最終的には、条件設計・選考体験・魅力訴求の一貫性が承諾率を左右します。

職種差については、専門性・希少性・スキルの可視化方法(ポートフォリオや実績の有無)・市場の需給バランスの違いが影響します。専門性が高い職種ほどスカウトや同時選考が発生しやすく、比較検討が前提になるため承諾率はブレやすいです。

例えば、エンジニア職やクリエイティブ職は、スキル評価の方法や市場の需給により、選考スピードや訴求の精度が結果に直結しやすい傾向があります。

地域差は、賃金水準・通勤負担・生活環境・転居可否・家族要因などによって生まれます。地方勤務では転居や通勤の制約がボトルネックになりやすい一方、リモート勤務やハイブリッド勤務が可能な場合は地理的制約が緩和され、地域差が小さくなることもあるでしょう。

結論として、内定承諾率を評価する際は、「自社と近い条件(業界×職種×地域×採用難易度)で比較する」ことが欠かせません。あわせて、平均値との比較だけでなく、職種別・拠点別・チャネル別に分解し、前年差や工程別辞退の変化まで確認すると、改善ポイントが特定しやすくなります。

内定承諾率を上げる8つの方法

内定承諾率を改善するには、個別の施策を点で実行するのではなく、採用活動全体を通して一貫した設計を行うことが重要です。承諾率が低い企業では、ミスマッチや情報不足、意思決定の遅れといった課題が複合的に重なっているケースが多く見られます。

そのため、入口となる母集団形成から、選考プロセス、内定後フォローまでを一連の流れとして見直すことが大切。それでは、効果が出やすい改善方法を8つに整理して見ていきましょう。

採用ターゲットの再定義

内定承諾率を改善するうえで、最初に着手すべきなのが採用ターゲット(採用要件)の再定義です。承諾率が低い状態が続く企業では、候補者と企業側の期待値が合っておらず、内定後の比較検討で「決めきれない理由」が残ってしまうケースが多く見られます。

まずは、過去の内定辞退理由を事実ベースで棚卸しし、どの段階でズレが生じたのかを特定しましょう。辞退理由は「条件面(給与・勤務地・働き方)」「仕事内容・役割」「人・文化」などに分類し、頻度と影響度(辞退に直結した度合い)で整理すると、改善の当たり所が明確になります。

次に、事業・現場が本当に必要としている人材像を言語化し、Must(必須)要件とNice(歓迎)要件を切り分けて定義します。このとき、スキルや経験だけでなく、配属先が期待する役割・成果水準・入社後に任せたい業務範囲まで具体化することが重要です。

ここが曖昧だと、候補者は入社後の姿を想像できず、不安を抱えたまま意思決定することになります。

要件が固まったら、求人票・スカウト文面・面接での説明内容を一貫したメッセージに更新します。特に意識したいのは、「採用要件」と「魅力づけ(EVP)」を混同しないことです。採用要件は評価の基準であり、魅力づけは候補者に伝える価値の説明です。評価軸(見極め)と訴求軸(口説き)を分けて設計することで、過度な期待を持たせず、納得感のある承諾につながりやすくなります。

選考スピードの改善

内定承諾率は、選考スピードの影響を強く受けます。選考に時間がかかるほど、候補者は「自分は優先度が高くないのでは」と感じやすくなり、他社の選考や内定に気持ちが傾きやすくなるでしょう。

特に、書類選考→一次面接→最終面接→オファー提示という各工程で判断が滞ると、競合他社に先を越され、比較検討の土俵にすら残れないケースが出てきます。

遅れが生じやすいポイントは、面接日程の調整、面接後の評価入力、合否判断の承認フローなどです。現場の多忙を理由に判断が後回しになるほど、その間に候補者の温度感は下がっていきます。

改善の基本は、ボトルネックを可視化し、運用ルールを先に決めてしまうことです。

例えば、面接枠を固定(週◯枠確保)し、評価入力の締切を明確化して「いつまでに誰が何をするか」を標準化します。あわせて意思決定会議を定例化し、合否連絡は即日〜翌営業日を原則にするなど、連絡スピードの基準も設けるとリードタイムを短縮できます。

承認フローが長い場合は、決裁者の固定・事前合意の範囲拡大・例外時のエスカレーション導線を用意するなど、遅延の構造を解消することが重要。

候補者は待たされるほど不安を強め、比較検討の軸を他社に移していきます。選考スピードを上げることは単なる効率化ではなく、候補者に「大切にされている」という安心感と期待感を与える採用コミュニケーションです。この安心感が意思決定を後押しし、結果として内定承諾率の改善につながります。

面接品質の改善

内定承諾率を高めるには、面接を「合否判断の場」だけでなく、候補者が「この会社で働くか」を判断する意思決定プロセスの一部として設計する必要があります。

候補者は面接を通じて、仕事内容だけでなく、企業の価値観や人の雰囲気、誠実さを見ています。したがって面接官側も、評価者であると同時に“候補者体験をつくる担い手”という前提で臨むことが重要。

面接時の体験が良ければ、候補者の信頼感や納得感が高まり、最終的な意思決定に前向きな影響を与えます。一方で、評価基準が曖昧だったり、面接官ごとに説明内容が食い違ったりすると、候補者に不安や違和感が残り、内定後の比較検討で不利になりやすくなります。

面接品質は、次の4要素に分解して整備すると改善しやすくなります。

  • 評価の一貫性(判断のブレをなくす)
  • 候補者体験(安心して話せる・尊重される)
  • 動機づけ(入社意欲の形成を支援する)
  • 情報提供(意思決定に必要な材料を渡す)

まず評価の一貫性を担保するために、質問設計と評価項目を統一し、「一次で何を見るか/最終で何を合意するか」など各面接の目的を事前に揃えます。加えて、高圧的な態度や否定的な反応、質問意図が不明確な進行は避け、候補者が安心して話せる環境を標準化することが不可欠。

具体策としては、面接評価シートの共通化、面接官トレーニング(質問の型、NG対応、説明の型)、同席・録画・振り返りによるフィードバック、面接後アンケートの実施が有効です。面接官が自社の魅力や期待役割を自分の言葉で説明できる状態をつくることで、候補者の理解と納得が深まり、面接の場で「信頼」と「意思決定材料」を積み上げられるため、内定承諾率の底上げにつながります

魅力づけ情報の整備

内定承諾率を高めるには、候補者が意思決定に必要とする情報を十分に提供し、不安や疑問を残さないことが重要です。情報が不足したまま選考が進むと、入社後の姿を具体的に描けず、比較検討の局面で「決め手がない」「懸念が残る」となり、辞退につながりやすくなります。

そのため、候補者が「ここで働く自分」を想像できる材料を意図的に整備しましょう。

特に整備すべき情報は、以下の6領域です。

  • 仕事内容(担当範囲、期待役割、1日の流れ、関係者、意思決定の進め方)
  • 成長機会(育成・オンボーディング、学習支援、任せ方、キャリアの広がり)
  • 評価・昇給(評価項目、評価サイクル、昇給・昇格の考え方、期待水準)
  • 働き方(勤務時間、残業の実態、リモート可否、休暇、出社頻度)
  • チーム体制(上司・チーム構成、役割分担、連携の仕方、雰囲気)
  • 文化・価値観(大事にしている行動、意思決定基準、コミュニケーションの特徴)

例えば、仕事内容は、担当業務の具体例や「期待される役割・成果水準」を示すことで、入社後ギャップを減らせます。評価・昇給も、制度の名称だけでなく判断軸や運用の実態を説明することで、条件面の不安を和らげられます。加えて、良い点だけを並べるのではなく、仕事の難しさや求められる水準も適切に共有しておくと、過度な期待を防ぎ、納得感のある承諾につながります。

コンテンツの形としては、職種別の業務紹介資料、社員インタビュー、評価制度の概要、キャリア事例、FAQ、選考・配属に関する案内資料などが有効です。

ポイントは、「いつ、誰に、何を渡すか」を段階設計することです。面接前は会社理解と業務概要、最終面接前は期待役割とチーム情報、オファー面談では条件・評価・キャリアの整理、内定後は入社準備と人間関係(上司・メンター等)の不安解消、と目的に合わせて提供します。

このように情報提供を計画的に積み上げることで、候補者の理解と納得が深まり、比較検討の局面でも「選ぶ理由」が明確になりやすくなるため、内定承諾率の向上につながります

内定者フォローの設計

内定から入社までの期間は、候補者の不安が最も高まりやすいフェーズです。

内定を出した時点では意思決定が固まりきっていないケースもあり、この期間に接点が薄いと、他社比較や周囲からの助言をきっかけに気持ちが揺らぎ、内定辞退につながる可能性が高まります。

そのため内定者フォローは、場当たり的に行うのではなく、頻度・担当・目的・提供コンテンツを整理して設計することが重要。設計の基本は、「誰が/いつ/何を/なぜ伝えるか」を事前に決め、内定者が迷いそうなポイントを先回りして潰すことです。

具体的には、人事が窓口となって定期連絡(例:週次〜隔週)を行い、入社準備や手続きの不安を解消します。同時に、配属予定の上司や現場社員が関わる機会を設け、仕事内容・期待役割・チームの実態を具体的に伝えることで、安心感と納得感が高まりやすくなります。

施策例としては、内定者面談、現場社員との座談会、職場見学、メンター(バディ)制度、社内イベント参加、オンボーディング計画の共有などが有効です。

内定者が抱えやすい不安は、次のように整理できます。

  • 仕事内容:任される業務、求められる成果水準、入社後の立ち上がり
  • 人間関係:上司・チームの雰囲気、相談相手の有無
  • 評価・条件:評価基準、昇給の考え方、働き方(リモート・残業など)
  • 入社準備:手続き、初日の流れ、PC・アカウント、研修
  • 家族・生活:勤務地、転居、労働時間、将来性の説明材料

これらを想定し、情報提供と対話の機会を計画的に用意することで、温度感を維持しやすくなります。一方で、連絡頻度が過剰だと負担や圧迫感につながることもあるため、候補者の状況(現職の繁忙、家族事情など)を尊重し、連絡手段・頻度・時間帯を合意しておくとよいでしょう。

このように内定者フォローを仕組みとして設計することで、入社までの不安が低減され、最終判断の局面でも安心して承諾・入社に進める状態をつくれるため、内定承諾率の安定につながります

オファー設計の最適化

内定承諾率を高めるには、オファーを単なる条件提示で終わらせず、候補者が迷いを整理し、自分の選択に納得できるよう支援する場として設計することが重要。条件だけを一方的に伝えると、候補者の頭の中では「比較表の一行」になりやすく、納得感が育たないまま辞退につながる可能性があります。

オファーは、候補者が不安を解消し、意思決定の確信を持つための重要な接点です。

伝えるべき内容は、給与・等級(役職)・勤務地・働き方(リモート可否、勤務時間、残業の考え方など)といった条件面に加え、期待される役割、評価の考え方、入社後のキャリアの方向性まで含みます。これらをセットで整理して伝えることで、「なぜこの条件なのか」「入社後に何が期待されるのか」が理解されやすくなり、比較検討の局面でも判断材料として残ります。

オファーレター(書面)には、少なくとも以下を明記しておくと認識ズレを防げます。

  • 条件:年収(内訳)、等級・役職、勤務地、勤務形態、入社日、試用期間、主要な福利厚生
  • 役割期待:担当領域、期待成果、入社後数か月の目標イメージ
  • 評価・昇給:評価サイクル、評価の観点、昇給・昇格の考え方(運用の前提)
  • 入社までの流れ:承諾期限、手続き、初日の案内、オンボーディング概要
    ※法的な労働条件の明示は別途「労働条件通知書/雇用契約書」で行うのが一般的なため、オファーレターは意思決定支援の資料として位置づけると整理しやすくなります。

オファー面談では、最初に不安・懸念点を言語化してもらい、解消できる情報を優先順位付きで補うことが重要です。そのうえで提示条件を改めてすり合わせ、役割期待・評価・働き方の前提を再確認します。最後に、承諾期限と今後の進め方(必要書類、次回連絡日、入社準備の段取り)を双方で合意し、次アクションを明確にします。

このように、条件・期待役割・評価・キャリアを一貫したストーリーで示し、意思決定を後押しする設計にすることで、候補者の納得感が高まり、内定承諾率の改善につながります

チャネル/母集団の改善

内定承諾率は、選考の入口で形成される母集団(応募・スカウト反応・紹介) の質に大きく左右されます。応募数やスカウト送信数といった「量」だけを追うと、選考後半での辞退やミスマッチが増えやすく、結果として承諾率が下がりやすくなります。

そこで重要になるのが、どのチャネルから、どのような動機・期待を持った候補者が集まっているのかを定期的に点検することです。

母集団の質は、以下のような指標をチャネル別に並べることで把握しやすくなります。

  • 書類通過率(要件定義・求人票の精度の影響が出やすい)
  • 面接実施率/面接辞退率(期待値ズレや日程調整の負荷が出やすい)
  • 内定承諾率(最終成果としての相性が出る)
  • 入社後定着(ミスマッチの有無を後追いで検証できる)

これらを求人媒体・ダイレクトスカウト・紹介会社・リファラルなどチャネル別に比較すると、「どの経路が自社と相性が良いか」「どこで歩留まりが落ちているか」が明確になります。

ミスマッチが起きる典型原因は、求人票の訴求と実態のズレ、スカウト文面で期待を高めすぎてしまうこと、紹介会社との要件すり合わせ不足(Must/Niceの誤解、優先順位のズレ)などです。

ここを放置すると、入口では集まっても選考後半で辞退が増え、承諾率が改善しません。

改善の進め方はシンプルで、現状データをもとに仮説を立て、小さくテストし、結果で継続・停止を判断します。例えば「求人票の訴求軸を変える」「スカウト文面を職種別に出し分ける」「紹介会社に要件の優先順位とNG条件を明確に共有する」など、打ち手を限定して比較できる形で実施すると効果検証がしやすくなります。

すべてのチャネルを維持するのではなく、承諾率と定着につながる経路に投資を集中することで、選考全体の精度が上がり、内定承諾率の安定(=採用充足の再現性向上)につながります。

採用ブランディングの強化

内定承諾率を中長期で安定させるには、選考の場面だけで口説くのではなく、企業として「選ばれる理由」を継続的に発信し、比較検討の土台をつくることが重要です。

採用ブランディングは、認知→興味→応募→選考→内定承諾までの全工程に影響し、候補者が意思決定する最終局面でも“迷いの少なさ”として効いてきます。

事前に企業理解が深まっているほど、候補者の不安や疑問は減り、選考中の情報提供もスムーズになります。発信テーマは、たとえば次の軸で整理すると一貫性を保ちやすくなるでしょう。

  • 事業の将来性(何を目指し、どこへ向かうか)
  • 働く人(どんなメンバーが、どのように働いているか)
  • 成長機会(任せ方、育成、キャリアの広がり)
  • 制度・働き方(評価、報酬、勤務形態、福利厚生の考え方)
  • 文化・価値観(意思決定の基準、行動指針、コミュニケーション)
  • 社会的意義(顧客・社会への提供価値)

重要なのは、発信を断片化させず、求人票・スカウト・面接・採用サイト・記事やSNSなど、接点ごとに同じメッセージを繰り返し伝えることです。情報にブレがあると、候補者は「実態が分からない」「言っていることが場面で違う」と感じやすく、不信感につながります。

具体策としては、採用サイトの改善、社員インタビューや職種別コンテンツの拡充、SNS/オウンドメディアでの継続発信、イベント登壇・採用広報などの活用が挙げられます。加えて、発信内容と実態が一致しているかを定期的に点検し、現場の声を反映させる運用も欠かせません。

これらを継続することで、候補者の比較検討における判断材料が揃い、「なぜこの会社を選ぶのか」を言語化しやすい状態が生まれ、その結果、選考の場での説得に頼りすぎず、内定承諾率の底上げと安定化につながります。

そもそも内定承諾率が上がらない理由は?

内定承諾率が上がらない背景には、採用市場の変化だけでなく、企業側の前提認識や選考設計のズレが関係しています。候補者の行動様式を正しく捉えられていない場合や、選考体験やコミュニケーションに不足があると、比較検討の局面で不利になりやすくなるでしょう。

ここでは、内定承諾率が伸び悩む代表的な理由をまとめました。詳しく見ていきましょう。

求職者の複数内定が前提になっている

近年の採用市場では、新卒・中途を問わず、求職者が複数社の選考を同時並行で進め、複数の内定(内々定)を比較したうえで入社先を決める動きが強まっています。内定を受け取った段階では、条件や仕事内容、将来性を比較し、家族や周囲に相談してから最終判断するケースも珍しくありません。

そのため、企業側が内定を出した時点で、候補者の意思決定が完全に固まっていないことは十分に起こり得ます。この前提を理解せずに「内定を出せば決まる」「条件を提示すれば選ばれる」と考えると、承諾率は伸び悩みやすくなります。条件面だけの比較は差がつきにくく、判断材料が不足すると、候補者は最終局面で他社へ傾きやすいからです。

重要なのは、候補者が「なぜ自社を選ぶのか」を自分の言葉で説明できる状態をつくることです。そのためには、仕事内容・期待役割・評価の考え方・働き方・価値観・将来の見通しを一貫して伝え、比較検討に耐えうる材料を提供する必要があります。

加えて、面接対応や情報提供、内定後フォローまで含めて体験を設計し、「納得して選べる」だけの情報と安心感を積み上げる取り組みが承諾率改善につながります。

選考プロセスの体験が弱い/不安が残る

選考プロセスでの体験(候補者体験)が弱いと、候補者の中に不安や違和感が残りやすく、内定後の比較検討で不利になります。候補者は選考を通じて「仕事内容に納得できるか」だけでなく、「この会社は信頼できるか」「安心して働けるか」も判断しているためです。

不安を強めやすい典型例は、連絡が遅い、面接官ごとに説明内容が異なる、質問の意図が分かりにくい、会社や仕事内容の説明が不足している、といった状態。こうした体験が積み重なると、候補者は「大切に扱われていない」「社内の連携が弱いのでは」と受け取り、結果として信頼感が低下します。

候補者の心理は、選考が進むにつれて変化します。初期は興味や期待が中心でも、不安が解消されないまま内定を受け取ると、納得感が伴わず、最終局面で他社に気持ちが傾きやすくなるでしょう。

特に、比較対象となる企業がスムーズな対応や丁寧な説明をしている場合、対応品質の差はより強く印象づけられます。

選考プロセスは、企業の姿勢が最も伝わる場面です。説明の一貫性(誰が話しても同じ前提が伝わる)と、スピード・配慮のある対応(不安を放置しない)を標準化し、候補者が安心して判断できる状態をつくることが欠かせません。これができなければ、承諾率の改善は難しくなるのです。

内定前後のコミュニケーション不足

内定前後のコミュニケーションが不足すると、候補者の温度感が下がり、不安が解消されないまま辞退につながりやすくなります。採用は情報提供だけでなく関係構築のプロセスでもあるため、接点が薄い状態が続くほど「判断材料が足りない」「大切にされていない」という印象が生まれやすくなります。

典型例として、面接以外の接点がなく質問しづらい状態が続く、内定後に連絡が途絶える、問い合わせ先が不明確、といった状況があります。これらは候補者に「放置されている」と感じさせやすく、比較検討の局面で他社に傾く要因になります。また、現場社員や配属予定の上司との接点がない場合、入社後の働くイメージが具体化せず、不安が残りがちです。

ここで重要なのは、内定前と内定後でコミュニケーションの目的が異なる点です。

  • 内定前
    仕事内容・文化・条件の理解を促し、納得感を高める
  • 内定後
    入社準備・人間関係・期待値調整などの不安を解消し、安心して入社できる状態をつくる

この違いを意識せず同じ対応を続けると、候補者の疑問に応えきれず、必要な情報が不足します。一方で、連絡頻度が過剰だと負担や圧迫感につながる場合もあるため、候補者の状況(現職の繁忙、家庭事情、検討期限など)に配慮し、連絡手段・頻度・時間帯をすり合わせておくとよいでしょう。

結論として、「質問しやすい窓口」と「必要情報を渡すタイミング」を設計し、内定前後で目的に合った接点を用意することが重要です。候補者の状況を尊重しつつ、適切なタイミングで必要な情報と安心感を提供できれば、内定承諾率の改善につながります。

内定辞退が発生する理由は?

内定辞退は、候補者の気持ちが突然変わった結果ではなく、選考過程や情報提供の積み重ねによって起こるケースが大半です。比較検討の最終段階で「決めきれない理由」が残っていると、辞退という判断につながりやすくなります。

ここでは、内定辞退が発生しやすい代表的な理由を整理します。詳しく見ていきましょう。

第一志望ではなかった/比較検討で負けた

内定辞退が発生する代表的な理由の一つは、候補者にとって第一志望ではなかった、あるいは比較検討の結果として他社を選んだケースです。多くの候補者は内定を受け取った時点で意思決定を確定させるのではなく、複数社の条件や将来性、働き方、成長環境などを並べて総合的に判断します。

候補者の中で「自社を選ぶ決め手」が明確にならなければ、辞退につながりやすくなるでしょう。

比較で負ける典型要因は、他社との差別化が弱い、魅力が言語化されていない、事業の方向性やキャリアの将来像が十分に伝わっていない、現場で働くイメージ(チーム・役割・期待成果)が湧かない、といったものです。これらが曖昧なままだと、条件差が大きくない場合に判断材料として残らず、「無難なほう」「安心できるほう」に流れやすくなります。

重要なのは、「内定=ゴール」ではなく「比較検討のスタート」という前提。

内定後こそ、期待役割・成長機会・評価の考え方・チームの実態などを補足し、候補者が自分の意思で選び切れる状態をつくる必要があります。候補者の迷いのポイントを確認し、自社を選ぶ理由を具体情報と体験で補強することが、辞退を減らすための実務上の要点です。

条件面(給与・勤務地・働き方)で折り合わなかった

内定辞退の理由として表面化しやすいのが、給与・勤務地・働き方など条件面での不一致です。

候補者は複数内定を比較する際、まず条件を並べて検討する傾向があるため、わずかな差でも意思決定に影響します。特に、給与水準、勤務地、リモート可否、残業の実態、福利厚生、入社時期などは生活への影響が大きく、慎重に見られやすい項目。

ただし、辞退の要因は「条件そのもの」だけとは限りません。

提示のタイミングが遅い、説明が不足している、前提が曖昧(例:リモート可否の条件、固定残業の扱い、異動・転勤の可能性)といった状態だと、候補者は不安を強めます。条件の背景や考え方が伝わらないまま比較されると、他社の提示が相対的に魅力的に見えてしまうこともあります。

対応のポイントは、条件を単に提示するのではなく、背景と運用の前提まで含めて説明し、認識をすり合わせることです。例えば、給与は「内訳(基本給・手当・賞与・固定残業等)」「評価との連動」「将来のレンジ感」を、働き方は「出社頻度」「残業の考え方・繁忙期」「制度の適用条件」を明確にすると、納得感が生まれやすくなるでしょう。

一方で、無理に条件を引き上げる対応には注意が必要です。

社内等級や報酬レンジとの整合性が崩れたり、既存社員との不公平感が生じたりすると、組織内の摩擦や早期離職につながるリスクがあります。

結論として、条件は「数字」だけでなく「前提・背景・運用」まで含めて透明性高く提示し、納得を積み上げることが重要です。これができると、候補者の不安が減り、辞退の抑制につながるでしょう。

仕事内容・キャリアの解像度が上がり不安が増えた

選考が進むにつれて仕事内容や役割の理解が深まる一方で、解像度が上がったことで不安が増し、内定辞退に至るケースは少なくありません。

初期段階では魅力的に見えていた仕事でも、具体的な業務内容や責任範囲、求められる成果水準が明確になるにつれて、「自分に務まるのか」「期待に応えられるのか」と迷いが生じやすくなります。

特に、評価基準・成長機会・入社後の立ち上がり支援(オンボーディング)・上司やチームとの関係性が不透明なままだと、不安はさらに強まります。この段階で良い面だけを伝え続けると、候補者は「都合の良い情報しか出てこない」と感じやすく、かえって不信感を招くため逆効果です。

重要なのは、仕事の難しさや大変さ、求められる成果レベルを事前に共有し、候補者との期待値をすり合わせることです。いわゆるRJP(Realistic Job Preview:仕事の現実を事前に伝える考え方)を取り入れ、ポジティブ要素だけでなく課題や厳しさも含めて説明することで、入社後のギャップを減らし、納得感のある意思決定につながります。

あわせて、現場社員との接点を設けることも有効です。実体験に基づく話は説得力があり、業務のリアルやチームの雰囲気が伝わるため、候補者の理解と信頼を高めやすくなるでしょう。

結論として、解像度の向上を「不安」で終わらせず、「納得」に変える情報提供と対話の設計が、辞退抑制と承諾率改善のポイントです。

面接・面談での印象(人・雰囲気)に懸念が残った

候補者の最終的な意思決定では、「一緒に働く人」と「職場の雰囲気」が大きな判断材料になります。

仕事内容や条件に一定納得していても、面接や面談で人や空気に違和感が残ると、不安が解消されず辞退につながりやすくなります。人間関係や日々のコミュニケーションは入社後に簡単に変えられないと捉えられやすく、懸念が少しでも残ると承諾をためらう要因になるでしょう。

印象が悪化しやすい典型例は、高圧的な態度、否定的な反応、準備不足による的外れな質問、会社理解の浅さ、質問の意図が伝わらない進行などです。こうした対応は、候補者に「尊重されていない」「この会社は信頼できない」という感情を抱かせやすく、比較検討の局面で不利になるのです。

ここで重要なのは、印象が単なる好感度ではない点。

候補者は、対応の一貫性、説明の分かりやすさ、誠実さ、意思決定の透明性といった要素を通じて、「安心して働けるか」「納得して選べるか」を総合的に判断しています。したがって、面接・面談では“評価”だけでなく“信頼形成”まで含めて設計することが不可欠です。

結論として、面接や面談で安心感を提供できるかどうかは、内定承諾率に直結します。面接官の基本姿勢(尊重・傾聴・一貫性)と、伝えるべき情報(期待役割・評価の考え方・チーム実態)を標準化し、候補者が懸念を残さず判断できる状態をつくることが辞退抑制につながります。

家族・周囲の意見で迷いが生じた

内定辞退の背景には、本人だけでなく家族や周囲の意見が影響しているケースも少なくありません。転職・就職は生活全体に関わるため、候補者が内定後に家族へ相談し、意見を踏まえて最終判断する流れは一般的です。

このとき不安材料として挙がりやすいのは、会社の安定性・将来性、給与水準、勤務地(転居の有無)、労働時間、働き方(リモート可否・出社頻度)、福利厚生などです。候補者本人がこれらを具体的に説明できない状態だと、家族の慎重な意見に引きずられ、結果として辞退に傾くことがあります。

企業側のポイントは、候補者本人が「周囲に説明できる材料」を持てる状態をつくることです。

条件や働き方、将来の見通しが曖昧なままだと、家族の不安を解消できず、比較検討で不利になります。対応策としては、家族にも説明しやすい資料(条件の要点、働き方、評価・昇給の考え方、転勤有無、入社後の役割など)を用意し、候補者が持ち帰れる形で渡すことが有効。

加えて、オファー面談で生活面の懸念(転居、通勤、勤務時間、入社時期など)を確認し、前提条件をすり合わせると迷いを減らせます。

ただし、家族への直接連絡や過度な介入は圧迫感につながるおそれがあります。候補者の意思とプライバシーを尊重し、あくまで「説明材料の提供」と「不安の言語化支援」に留める距離感が重要です。

周囲の理解を得やすい情報提供を行うことで、内定承諾率の安定につながります。

内定承諾/辞退が多い企業の特徴は?

内定承諾率や辞退率には偶然の要素だけでなく、企業側の採用設計や対応姿勢が明確に表れます。

承諾率が高い企業と低い企業を比較すると、候補者との向き合い方や情報提供の一貫性に違いが見られるでしょう。ここでは、内定承諾が多い企業と、辞退が多くなりやすい企業の特徴を整理しました。

内定承諾率が高い企業の特徴

内定承諾率が高い企業には、候補者の不安や迷いを選考の早い段階から想定し、先回りして解消しているという共通点があります。選考プロセス全体を通じて情報提供と対応に一貫性があり、候補者が比較検討する局面でも安心して判断できる状態をつくっています。

こうした取り組みは属人的な工夫に依存せず、再現可能な「型」として仕組み化が可能です。

内定承諾率が高い企業の特徴は、次のとおり。

内定承諾率が高い企業の特徴

  • 連絡が早く、次のアクションやスケジュールが明確で迷いが生じにくい
  • 面接官や人事のメッセージに一貫性があり、会社理解が深い
  • 仕事内容・期待役割・評価基準が具体的で、入社後を想像しやすい
  • 現場社員との接点があり、実際の雰囲気や働き方を体感できる
  • オファー面談が標準化され、不安確認から意思決定までを支援している
  • 内定後の接点設計があり、頻度・担当・目的が明確に定まっている
  • 条件提示が透明で、昇給・評価・働き方の前提を丁寧に説明している
  • 採用ターゲットが明確で、入口段階のミスマッチが少ない

これらが積み重なることで、候補者の納得感と信頼感が高まり、承諾につながりやすくなります。

内定承諾率が低い企業の特徴

内定承諾率が低い企業では、比較検討の局面で不利になる行動や判断が、無意識のうちに積み重なっているケースが多く見られます。一つひとつは小さな要因でも、重なることで候補者の不安や不信が強まり、最終的な意思決定を妨げてしまいます。

内定承諾率が低い企業に共通しやすい特徴は、次のとおりです。

内定承諾率が低い企業の特徴

  • 合否連絡や日程調整が遅く、候補者の優先度が下がる
  • 面接官ごとに説明内容が異なり、会社としての軸が見えない
  • 仕事内容・評価・キャリアの説明が曖昧で、不安が残る
  • 面接が見極め一辺倒で、魅力づけや意思決定支援が弱い
  • 内定後の連絡が減り、温度感が下がる(放置に近い状態になる)
  • 条件提示が唐突、または背景・運用前提の説明が不足している
  • 現場と人事の連携が弱く、意思決定や回答に時間がかかる
  • 採用ターゲットが広すぎて、入口段階からミスマッチが多い
  • 対応の遅さ・説明不足・一貫性の欠如が重なり、信頼が積み上がらない

こうした状態が続くと、候補者は安心して決断できず、比較検討の最終局面で他社に流れやすくなります。その結果、内定辞退が増え、承諾率の改善がさらに難しくなる悪循環に陥りやすくなります。

内定承諾率に関するよくある質問

ここではよく挙がる質問を取り上げ、内定承諾率を正しく捉えるための考え方を整理しています。

内定承諾率が高い/低いの基準はありますか?

結論、内定承諾率に一律の基準はありません。

新卒/中途、業界・職種・勤務地・採用難易度で前提が変わり、さらに「分母(オファー数)・分子(承諾者数/入社者数)・対象期間」の定義が違うと数字も変わるため、単純比較は危険です。

見るべきは、自社と近い条件(職種×地域×給与帯×難易度)での比較と、前年同期比などの推移です。加えて、最終面接後・オファー後など工程別の辞退率に分解すると、改善点が特定しやすくなります。

面接官の印象が承諾率に影響しますか?

はい。面接官の印象は内定承諾率に大きく影響します。

候補者にとって面接官は企業の価値観や姿勢を体現する存在で、「安心して働けそうか」「誠実に向き合ってくれているか」が意思決定を左右します。

説明内容にブレがある、質問の意図が不明確、対応が高圧的といった体験は不信感につながり、辞退要因になり得ます。一方で、メッセージが一貫し、期待役割や仕事内容を具体的に伝えられる面接官は納得感を高めます。印象は個人差だけでなく、質問の型・説明項目・運用ルールを揃えることで改善が可能です。

内定辞退率と内定承諾率はどちらをKPIにすべきですか?

基本的に両者は表裏ですが、実務では内定承諾率を主KPIに置くのが分かりやすいです。

最終成果(採用充足)に直結し、採用活動全体の結果を端的に把握できます。

一方で改善には、辞退率を工程別に分解してサブKPIとして追うのが有効です(例:面接辞退/最終面接後辞退/オファー後辞退/内定後辞退)。承諾率(結果)+工程別辞退率(原因の切り分け)で見ることで、どこを直すべきかが明確になります。

内定承諾率を上げて、優秀人材の獲得確度を高めよう

内定承諾率は、採用活動の成果を示すだけでなく、選考設計や候補者対応の質を映す指標です。

承諾率が伸び悩む背景には、複数内定が前提となる市場環境の変化に加え、選考体験・情報提供・コミュニケーションのズレが重なっているケースが多く見られます。

そのため、条件面の調整だけでは根本改善になりにくく、重要なのは採用ターゲットの明確化から、選考スピード、面接品質、オファー設計、内定後フォローまでを一連のプロセスとして再設計し、候補者の不安や迷いを先回りして解消することです。比較検討が前提の市場では、候補者が「なぜ自社を選ぶのか」を自分の言葉で説明できる状態をつくることが、承諾につながる決め手になります。

施策を仕組みとして積み上げれば、内定承諾率は安定し、優秀人材を獲得できる確度も高まります。内定承諾率を起点に、採用活動全体を見直していきましょう。

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執筆者

金田大和

株式会社b&q 執行役員

横浜国立大学卒。プロップテック企業にて、リテンションマーケティング事業や人事コンサルティング事業の立ち上げ、事業責任者として推進。その後、代表高稲とb&qを共同創業し、現在は執行役員として、多くの企業にHRを通じて本質的な価値を届けるべく、コンサルティング事業を含む複数のHR事業を管掌。これまでのキャリアを通じて合計500社以上の人事と対話し採用/組織改善を図る。

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