コラム
採用課題改善

ダイレクトリクルーティングと人材紹介の違いとは?比較表で徹底解説

ダイレクトリクルーティングと人材紹介の違いとは?比較表で徹底解説

「ダイレクトリクルーティングと人材紹介、結局どちらが自社にとって正解なのだろう……。」

「コストは抑えたいけれど、現場の工数が膨らむのは避けたい……。」

——そんな「採用手法」にまつわる悩みは、リソースの限られた採用現場では避けて通れない課題。

本記事では、ダイレクトリクルーティングと人材紹介の違いを、比較表を交えて整理しています。費用構造や運用工数の比較から、それぞれのメリット・デメリット、さらには「自社に向いている手法」の見極め方までを徹底解説します。

両者の特性を正しく理解し、自社のフェーズに合わせた最適な採用手法・媒体を選択することで、予算とリソースの無駄を削ぎ落とした「投資対効果の高い採用体制」を構築できるようになるでしょう。

人事担当者はもちろん、採用戦略の投資判断を担う経営層の方も、ぜひ最後までご覧ください。

目次

ダイレクトリクルーティングと人材紹介の違い【比較表】

ダイレクトリクルーティングと人材紹介は、どちらが優れているかで決めるものではありません。採用目的・予算・体制に合わせて最適解が変わるため、状況別に使い分けるのが現実的でしょう。

採用にかけられる工数(候補者検索・連絡・日程調整まで誰が担うか)、求めるスピード、採用難易度(希少人材・即戦力など)によって向き不向きが分かれます。特に運用体制の有無が分岐点です。

ここでは両者の違いを比較表で整理します。料金体系や費用相場は、サービス設計・契約条件・職種難易度で変動するため、見積もり取得で最終確認する前提であくまで目安として読み進めてください。

ダイレクトリクルーティング人材紹介
採用方法企業が候補者を検索し、直接アプローチをして選考へつなげるエージェントが母集団形成・スクリーニングを行い、候補者を推薦
料金体系月額固定型/成功報酬型成功報酬型が主流
費用感月額固定型:60~85万円/月
成功報酬型:理論年収の15~20%
理論年収の30~40%
人事の工数高め(検索・スカウト・返信対応・日程調整などを自社で担う)低~中(要件定義と見極めは企業側が必要)
採用スピード目安:3〜6か月(潜在層中心だと長期化しやすい)目安:1〜2か月(急ぎ)/標準:〜3か月程度
メリット・潜在層にも接点を作りやすい
・ターゲットを狙い撃ちしやすい(専門職など)
・立ち上がりが早く、欠員補充に強い
・探索や推薦を任せられ、人事負担を抑えやすい
デメリット・運用工数が大きい(改善が必要)
・成果が出るまで時間がかかる場合がある
・1名あたりの採用単価が高くなりやすい(年収連動)
・担当者の質・相性で成果がぶれやすい
おすすめの企業像・自社から「攻め」の採用をしたい(直接アプローチ前提)
・転職潜在層を含めて接点を広げたい
・専門性の高い人材を中長期で獲得し、採用力も内製化したい
・人事リソースが限られ、工数を抑えて採用したい
・欠員補充などで早期充足を優先したい
・条件交渉や調整を含め、採用業務を外部の力で推進したい

市場規模や成長背景については、こちらの記事もご参照ください。
ダイレクトリクルーティングの市場規模は?成長背景・注目される理由を解説

ダイレクトリクルーティングとは?

ダイレクトリクルーティングは、企業が主導して候補者を探し、直接アプローチする採用手法です。求人への応募を待つのではなく、自社から働きかける「攻めの採用」である点が特徴になります。

実務の流れとしては、スカウトサービスなどの人材データベースを活用し、職種・経験・スキル等の条件で候補者を検索・選定。検索条件の設計やターゲットの絞り込み、スカウト文面の作成まで、基本的に企業側が担う運用型の手法です。

スカウトメール等で個別連絡を行い、返信対応や温度感の確認を経て面談・選考につなげます。このプロセスを通じて、ターゲット設計や訴求内容、選考スピードを自社の判断で調整できるため、採用活動を主体的にコントロールしやすくなるのです。

また、転職潜在層にも接点を作りやすく、幅広い層への母集団形成が可能になります。人材不足や採用手法の多様化を背景に、求人広告だけに依存しない動きが強まっており、出会いの幅を広げたい企業にとって有力な選択肢になるでしょう。

ダイレクトリクルーティングについては、こちらの記事もご参照ください。
ダイレクトリクルーティングのおすすめサービス一覧26選!費用やメリットを解説

人材紹介とは?

人材紹介は、エージェントが企業と求職者の間に入り、採用を仲介するサービスです。企業は採用要件を共有することで、条件に合う候補者の提案を受けられ、母集団形成を進めやすくなります。

採用工数を抑えやすい理由は、候補者探索から事前確認まで、採用に関わる業務の一部をエージェントが担う仕組みにあります。企業側は要件定義と面接、最終判断に集中しやすく、限られたリソース体制でも採用を前に進めやすい構造です。

エージェントが担う役割としては、母集団形成、条件に合う人材の選定と推薦、面接日程の調整や連絡対応、給与などの条件交渉が挙げられます。こうした工程を委ねられる一方、最終的な採用判断と見極めは企業側の責任で行う必要があります

また、求人情報を一般公開せず非公開求人として進められる点も、活用される理由の一つでしょう。

人材紹介については、こちらの記事もご参照ください。
人材紹介サービスおすすめ24選を比較!費用・手数料など一覧で紹介

ダイレクトリクルーティングが効果的なケース

ダイレクトリクルーティングは、導入すればどの企業でも同じ成果が出る手法ではありません。採用したい人材像や採用難易度、運用に割けるリソースによって、向き不向きが分かれる傾向があります。

ここでは、ダイレクトリクルーティングが特に効果を発揮しやすい場面(企業像)を整理します。自社にとってこの採用手法が有効な手段になる得るのか、効果的なケースをもとに判断していきましょう。

専門性・即戦力人材を採用したい場合

専門性や即戦力を重視する採用では、ダイレクトリクルーティングが効果を発揮しやすいでしょう。これは、企業が候補者からの求人応募を待つ手法だけでは、狙いたい層に情報が届かず、母集団が十分に形成できないケースがあるためです。

ITエンジニア、専門資格を要する職種、マネジメント層などは、市場に常時出てくる人材ばかりではありません。現職で活躍しており、転職活動を積極的にしていない候補者も多く、応募を前提とした採用だけでは接点を作りにくい傾向があります。

そこで企業側から直接声をかけられる点が強みになります。条件や役割を具体的に伝えられるため、候補者が検討しやすく、関心を持ってもらえる可能性が高まるでしょう。

また、アプローチ対象を必要スキルで絞り込めるため、知名度だけに左右されにくい点も特長です。希少人材へ狙いを定めて接点を作れることが、即戦力採用の確度を上げる要因になります。

採用コストを中長期で抑えたい場合

採用コストを中長期で抑えたい場合、ダイレクトリクルーティングは有力な選択肢になります。この理由としては、定額課金(年額・月額固定型)を中心とした料金設計のサービスも多く、費用の見通しを立てやすい傾向があるためです。

人材紹介は成功報酬型が主流で、採用が増えるほど支払い総額も増加します。一方、ダイレクトリクルーティングの定額型では、採用人数が増えても利用料が大きく変わらないケースが一般的です。

ただし、初期費用や運用工数、代行費などが別途かかる場合もあります。継続的に採用を行う企業ほど効果が出やすい一方、費用内訳と運用体制を確認したうえで導入判断することが重要です。

採用コストについては、こちらの記事もご参照ください。
一人当たりの採用コストの平均は?計算方法と改善ポイントを解説

採用ノウハウを社内に蓄積したい場合

採用ノウハウを社内に残したい場合、ダイレクトリクルーティングは相性のよい手法といえます。採用の流れを自社で設計し、運用しながら改善するため、経験がそのまま知見として積み上がるからです。

人材紹介のように外部へ任せきりになりにくく、プロセスがブラックボックス化しづらい点も特長でしょう。運用の結果がデータや学びとして残ることで、次の採用に再現しやすくなります。

具体的には、次のような取り組みがノウハウとして蓄積されます。スカウト文面を改善して反応率の変化を検証すること、ターゲット条件を見直してマッチ度を高めること、面談時の質問設計や評価基準を整理することなどが代表例です。

結果として、外部に依存しすぎずに採用の意思決定ができる体制につながります。時間をかけてでも中長期で自社の採用力を高めたい企業にとって、取り組む価値のある選択肢といえるでしょう。

人材紹介が効果的なケース

人材紹介サービスは企業にとって便利な採用手法ですが、すべての企業に同じように適するわけではありません。採用体制や緊急度、求める人材像によって、採用効果の出やすさが変わります。

ここでは、人材紹介が特に力を発揮しやすいケースを3つ整理します。自社にとってこの採用手法が有効な手段になる得るのか、効果的なケースをもとに判断していきましょう。

採用にかける工数を最小限にしたい場合

採用にかける時間や手間をできるだけ抑えたい場合、人材紹介は相性のよい手法といえます。これは、採用活動の一部をエージェントに委ねられるため、人事が対応する範囲を絞り込みやすいからです。

人員や時間に余裕がない企業でも採用を前に進めやすい点が特長でしょう。エージェントが担う業務としては、求人内容や採用条件の整理、条件に合う人材の選定と紹介、面接日程の調整や連絡対応、給与などの条件に関する調整が代表例です。

ダイレクトリクルーティングでは、候補者探しから連絡、反応確認までを人事側で行う必要があります。一方、人材紹介は要件を共有し、提案を受ける流れであるため、運用負担を抑えやすくなります。

その結果、人事(採用担当者・面接担当者)は面接や採用判断といった重要工程に集中しやすくなります。限られた体制でも採用を止めずに進めたい企業に向く選択肢といえるでしょう。

採用リソースについては、こちらの記事もご参照ください。
採用リソースが不足する原因は?企業への影響や改善ステップを解説

急ぎで人材を確保したい場合

急ぎで人材を確保したい場合、人材紹介は検討しやすい採用手法でしょう。エージェントが保有する登録者データベースを活用でき、要件に合う候補者の提案までが比較的スムーズに進むためです。

登録者層には転職を具体的に検討している層も多く、応募を待つよりも早い段階で母集団を形成できるケースがあります。そのため、急な退職による欠員補充や、事業立ち上げに伴う即時採用など、募集に時間をかけにくい局面では特に有効です。

人材紹介であれば、求人作成や応募対応の負担を抑えつつ、面接調整までを一括して進めやすくなります。状況によっては、提案から面接設定までの立ち上がりが早い点がメリットになるでしょう。

一方で成功報酬型が主流のため、採用単価は高くなりやすい傾向があります。スピードを優先するほどコストが膨らむ可能性もあるため、緊急度と予算のバランスを見極める視点が欠かせません。

非公開で採用活動を行いたい場合

採用活動をできるだけ表(一般公開)に出さず進めたい場合、人材紹介は相性のよい手法といえます。求人情報を一般公開せず、非公開求人として候補者へ個別に伝えられるケースが多いからです。

募集内容は、紹介会社のデータベースに登録されている候補者のうち、条件に合う人材へ絞って共有されます。そのため、不特定多数から応募が集まる状況を避けやすく、選考負担を抑えやすくなります。

非公開で進めるメリットとしては、応募数をコントロールしやすいこと、採用計画や募集内容が外部に伝わりにくいこと、競合他社に動向を察知されにくいことが挙げられます。

新規事業の立ち上げや重要ポジションの採用では、情報管理が欠かせません。公開求人では伝えにくい背景も人材紹介を通じて共有しやすくなります。情報の扱いを重視しながら、確度の高い候補者と出会いたい企業に適した選択肢でしょう。

ダイレクトリクルーティングの料金体系と費用相場

ダイレクトリクルーティングの費用は、料金体系によって「いつ・何に」支払うかが変わります。導入前に採用人数・運用期間・社内の運用体制を整理しておくと、コストの見通しを立てやすくなります。

料金体系はサービスごとに異なり、月額固定型/成功報酬型、またはハイブリッド型などがあります。初期費用や運用支援(運用サポート)の有無で総額が変動するため、内訳の確認が欠かせません。

成功報酬型は固定費用を抑えやすい一方、採用人数が増えるほど総額費用が増えやすくなります。月額固定型は採用数が増えても総額費用が変わりにくく、1人あたりコストを下げやすい設計です。

料金体系費用相場
月額固定型60~85万円/月
成功報酬型理論年収の15~20%

人材紹介の料金体系と費用相場

人材紹介の費用は、採用が決定した段階で発生する成功報酬型が一般的です。採用に至らなければ費用が発生しないため、固定費用を抑えつつ採用を進めたい企業にとって検討しやすい手法といえます。

紹介手数料は、理論年収(オファー時の想定年収)を基準に算出されるケースが多く、料率は契約条件や職種難易度によって変動します。理論年収の内訳(賞与・手当の扱いなど)も契約で定義が異なるため、事前に確認しておくことが重要です。

一方で、年収に連動するため、年収が高い職種ほど1名あたりの費用が高額になりやすい傾向があります。複数名を採用する場合は総額が積み上がるため、採用人数・年収レンジ・料率を前提にあらかじめ予算上限を決めておくと安心でしょう。

料金体系費用相場
成功報酬型理論年収の30~40%

ダイレクトリクルーティングを利用するメリット

ダイレクトリクルーティングには、採用コストの考え方や進め方において、ほかの手法とは異なる利点があります。一方で、導入すれば必ず成果が出る手法ではなく、採用目的や運用体制によって効果の出方が変わる点には注意が必要です。

ここでは、ダイレクトリクルーティングで得られる主なメリットを整理。自社から“攻め”の採用ができることを前提に、どのような価値があるのかを分かりやすく解説します。詳しく見ていきましょう。

採用コストを抑えられる

ダイレクトリクルーティングは、採用コストを抑えたい企業にとって取り入れやすい手法といえます。理由は、年収連動の手数料ではなく、定額課金などの料金設計を選べるケースが多いからです。

人材紹介は成功報酬型が主流で、手数料は理論年収(オファー時の想定年収)を基準に算出されます。そのため、年収が高い人材ほど費用負担が大きくなりやすい構造です。

一方、ダイレクトリクルーティングは企業が候補者探索とアプローチを担い、紹介会社を介さずに採用を進めます。年収に連動した高額手数料が必ず発生する仕組みではない点が、コスト面の特徴。

定額型(月額固定型)のサービスであれば、採用人数が増えても利用料が大きく変わらない場合があります。結果として、採用数が増えるほど1人あたりコストを下げやすい設計になり、予算の上限を把握したまま計画的に進めやすくなります。

転職潜在層にもアプローチできる

ダイレクトリクルーティングは、転職潜在層にも直接アプローチができ、求人への応募を前提とせず、企業側から接点をつくれるため、今すぐ転職を考えていない人材にも情報を届けやすくなります。

スカウトサービス等には、「条件次第で検討したい」「将来に備えて情報収集している」といったニーズを持つ層が含まれることがあります。こうした候補者に対し、企業側から個別に声をかけられることが、母集団形成の幅を広げる要因です。

また、転職顕在層に比べると、同じタイミングで複数社の選考が進んでいないケースも多く、競合が相対的に少ない場合があります。その結果、早い段階で関係構築ができれば、他社に先んじて優秀層と出会える可能性が高まるでしょう。

自社主導で採用活動を進められる

ダイレクトリクルーティングの大きな特長は、採用活動を自社の判断で進めやすい点にあります。候補者探しからアプローチ、選考設計までを企業自身が担うため、進め方を柔軟にコントロールできます。

スキルや経験だけでなく、価値観や志向も踏まえて候補者を選びやすくなります。その結果、応募情報だけに依存するよりも、カルチャーマッチまでを含めミスマッチを抑えやすいケースがあるでしょう。

自社主導で進めることで、次のような取り組みも可能になります。活躍している社員の共通点を分析すること、ターゲット条件を見直して精度を高めること、候補者へ送るスカウト文面を改善して反応を検証することなどが代表例です。

こうした改善を重ねる中で、判断基準や進め方が整理されていきます。成功例だけでなく失敗例も社内に残り、結果としてノウハウが積み上がります。採用を外部任せにせず、自社の採用力として磨いていきたい企業に向く手法といえるでしょう。

人材紹介を利用するメリット

人材紹介には、採用の進め方や体制面で実務負担を減らしやすいメリットがあります。ただし、効果は採用する職種や要件、エージェントの支援範囲によって変わるため、任せられる業務と自社が担う判断領域を整理しておくことが重要でしょう。

ここでは、人材紹介を活用することで得られる主なメリットを3つ紹介していきます。限られたリソースでも採用を前に進めやすい理由を、順番に解説していますので、詳しく見ていきましょう。

採用担当者の負担を大幅に軽減できる

人材紹介(エージェントサービス)を活用すると、採用担当者の実務負担を大きく減らしやすくなります。これは、採用活動に伴う調整や連絡の一部を、エージェントが代行してくれるためです。

自社だけで採用を進める場合、求人内容の作成、応募対応、面接日程の調整など、多くの作業が発生します。加えて、面接案内や合否連絡、内定後のフォローといった細かな対応も続きます。

人材紹介では、こうした業務の一部をまとめて委ねられるケースが多く、運用の手間を抑えやすい点が特長です。契約や会社によって異なるため、支援範囲を事前に確認しておくと安心でしょう。

その結果、担当者は面接や最終判断など、企業側が担うべき重要工程に集中しやすくなります。限られた人員でも採用を前に進めたい企業に適した進め方といえます。

ミスマッチを防ぎやすい

人材紹介は、採用後のミスマッチを抑えやすい傾向がある採用手法です。企業と候補者の間にエージェントが入り、双方の情報を整理しながら進めるため、認識のズレを事前に補正しやすくなります。

エージェントは、仕事内容や求める人物像を企業からヒアリングし、候補者側の希望条件や転職理由も事前に確認します。そのうえで双方の認識をすり合わせ、条件に合う人材を紹介する役割を担います。

この工程を挟むことで、書類選考時の行き違いが減り、面接直前の辞退リスクを下げられる場合があります。とくに条件面や期待役割の確認が丁寧なほど、ズレの早期発見につながりやすいでしょう。

ただし、人材紹介だけでミスマッチを完全に防げるわけではありません。最終的な判断は企業側が担う必要があり、見極めの責任も残ります。エージェントの情報を参考にしつつ、自社でも要件と評価基準を言語化して確認する姿勢が重要です。

ミスマッチについては、こちらの記事もご参照ください。
採用ミスマッチを防ぐ方法とは?原因から対策・改善フローまで解説

スピーディーな採用が可能

人材紹介は、採用スピードを重視したい企業に向いた手法といえます。これは、紹介会社が登録済みの候補者データベースを活用でき、要件に合う人材の提案を早い段階で受けられるためです。

例えば、急な退職や休職で欠員が出た場合でも、募集の立ち上げから始めずに候補者提案へ進めるケースがあります。求人広告の作成や掲載準備を待つ必要がなく、初動を早めやすい点が特長でしょう。

また、ダイレクトリクルーティングのように候補者検索とスカウト送信から着手する工程を省ける場合があります。その結果、面接設定までの期間を短縮しやすく、欠員補充などの緊急対応に適します。

一方で、成功報酬型が主流のため、採用単価は高くなりやすい傾向があります。スピードを優先するほどコストが上振れする可能性もあるため、緊急度と予算のバランスを踏まえた判断が欠かせません。

ダイレクトリクルーティングを利用する際の注意点

ダイレクトリクルーティングは、企業主導で採用を進められる手法です。その一方で、導入しただけで採用成果が自動的に出る仕組みではなく、運用次第で結果が大きく変わる採用手法です。

採用効果を高めるには、特徴を正しく理解し、注意点を踏まえて体制と運用設計を整えることが重要でしょう。特に「誰が」「どのくらいの頻度で」「何を改善するか」を決めておく必要があります。

ここでは、利用前に把握しておきたいポイントを整理します。事前に負荷と準備を見積もることが、導入後の失速を防ぐ鍵になります。それでは、利用する際の注意点について詳しく見ていきましょう。

採用担当者の工数が増える

ダイレクトリクルーティングでは、採用担当者が担う業務が増えることで、リソース不足になりやすい傾向にあります。候補者の検索やスカウト送信、返信対応などを自社で行う必要があるためです。

人材紹介のように外部(エージェント)に探索や推薦を委ねる形とは異なり、日常業務と並行して運用する場面も多いでしょう。運用の質が成果に直結するため、継続的な対応が求められます。

具体的には、ターゲット条件の設定と見直し、候補者プロフィールの確認、スカウト文面の作成と送信、応募後のやり取りや日程調整などの作業が発生。これらは、改善を前提に繰り返す業務。

そのため、一定の時間と人手を確保できないと、運用が滞りやすくなります。負担が大きく感じられることもあるため、工数を見込んだ体制づくりと役割分担を先に決めておくことが重要です。

成果が出るまで時間がかかる

ダイレクトリクルーティングは、短期間で結果が出るとは限らない採用手法です。スカウトを送ってもすぐに反応が得られるとは限らず、選考につながるまでに時間を要することがあります。

登録者の中には転職潜在層も含まれ、時間がかかるケースも見られます。返信が遅い、タイミングが合わないといった状況も起こり得るため、初期段階で数字が伸びないこと自体は珍しくありません。

また、導入後からすぐに高い採用成果が出る手法とは限りません。検索条件やスカウト文面は一度で最適化できるものではなく、反応を見ながら調整していく必要があります。

そのため、改善を重ね、徐々に反応率が上がっていくケースが一般的です。短期成果だけを前提にすると想定とのズレが生じやすいため、一定期間で改善サイクルを回す前提で取り組むとよいでしょう。

社内体制・ノウハウが必要

ダイレクトリクルーティングを継続的に活用するには、社内の体制と知見が欠かせません。採用戦略の設計から運用、改善までを自社で担うため、意思決定と実行の土台が必要になるからです。

成果につなげるには「誰を採用したいのか」を明確にすることが前提になります。ターゲットが曖昧なままだと、検索条件もスカウト文面も定まらず、運用が空回りしやすくなるでしょう。

必要となる視点としては、活躍している社員の共通点の整理、求職者に伝える魅力の言語化、スカウト内容の改善と振り返りが代表例。これらを積み重ねることで、採用の精度が高まりやすくなります。

一方で、採用ノウハウが不足していると、送信数だけを追うなど運用が形骸化しやすくなります。導入前に運用ルールと改善指標(反応率・面談化率など)を決めることが重要で、必要に応じて研修や外部支援の活用も検討するとよいでしょう。

人材紹介を利用する際の注意点

人材紹介サービスでは、採用スピードや工数削減の面で有効な一方、使い方や契約条件によっては課題が生じることもあります。任せられる範囲と自社が担う判断領域を整理しないまま進めると、コストや成果のブレが大きくなりがちです。

ここでは、人材紹介を利用する際に注意したいポイントを3つ整理します。メリットだけでなくリスクも前提に運用設計することが、失敗を防ぐ鍵になります。それでは、詳しく見ていきましょう。

採用コストが高額になりやすい

人材紹介は成功報酬型が一般的で、採用が決まった段階で費用が発生します。手数料は理論年収を基準に料率を掛けて算出されることが多く、年収が高いほど負担も大きくなりやすい構造です。

特に専門職や管理職など、年収水準が高いポジションでは、1名あたりのコストが高額になるケースがあります。さらに複数名を同時期に採用すると、その分だけ支払い総額も積み上がります。

人材紹介は短期的に人材を確保しやすい反面、採用計画全体で見ると予算を圧迫する可能性があります。費用発生の条件(採用決定など)や返金規定も契約で異なるため、事前確認が欠かせません。

そのうえで、想定年収レンジと料率から概算を出し、予算上限を決めておくと安心です。採用人数や時期を整理し、コストが集中しない採用計画を組むことが重要になります。

採用ノウハウが社内に残りにくい

人材紹介を利用する場合、採用ノウハウが社内に残りにくい点には注意が必要です。採用活動の中心をエージェントが担うため、プロセスが外部主導になりやすいからです。

人材紹介では、候補者選定や推薦、条件のすり合わせまで任せる形になりやすく、企業側は面接と最終判断に集中する流れになりがち。その結果、「どの要件が刺さったのか」「どこで離脱しやすいのか」といった学びが社内に残りにくくなります。

例えば、書類通過の判断軸や内定の決め手が、社内で言語化されないまま終わることもあります。短期的には工数削減につながる一方で、採用力の内製化という観点では弱点になり得るでしょう。

中長期で採用力を高めたい企業は、評価観点を社内に蓄積する工夫が欠かせません。推薦理由・不採用理由・入社決め手を共有するなど、運用ルールを設けると改善につながりやすくなります。

エージェントとの相性に左右される

人材紹介の成果は、担当するエージェントの質や相性によって左右されやすい点に留意が必要です。業界理解や職種理解が浅い場合、企業の意図とずれた人材(候補者)が紹介されることもあります。

また、コミュニケーションが不足すると、要件や優先順位が正しく伝わらず、推薦の精度が下がる恐れがあります。依頼内容が曖昧なままだと、ミスマッチの要因を切り分けにくくなる点も注意点。

そのため、採用活動を円滑に進めるためには、採用背景や期待役割を具体的に共有することが大切です。加えて、定期的に状況を確認し、認識のズレを早期に調整する運用が欠かせません。

必要に応じて担当変更を検討することも選択肢になります。紹介会社内でも担当者によって得意領域や動き方が異なるため、成果が出にくい場合は早めに手を打つ姿勢が重要です。

人材紹介は便利な手法ですが、任せきりにするほど成果が安定するとは限りません。要件共有とすり合わせを継続し、パートナーとして伴走してもらう関係を作ることが成果につながるでしょう。

ダイレクトリクルーティングが向いている企業の特徴

ダイレクトリクルーティングが向いている企業の特徴は、次のとおりです。

【ダイレクトリクルーティング】おすすめの企業像

  • 専門性の高い人材や即戦力人材を中長期的に採用したい企業
  • 採用コストを抑えつつ、自社で採用ノウハウを蓄積したい企業
  • 採用活動に一定の工数をかけられ、主体的に採用を進められる体制がある企業

特にITエンジニアや専門職など、市場に出にくい層へ接点を作りたい場合に有効です。応募を待たずに企業側から直接アプローチでき、ターゲットや訴求内容も自社で調整しやすくなります。

一方、体制が弱い企業や短期成果だけを求める企業では、運用負担が先に立つことがあります。採用人数・運用期間・社内工数を踏まえ、「攻めの採用」を継続できるかを基準に判断するとよいでしょう。

人材紹介が向いている企業の特徴

人材紹介が向いている企業の特徴は、次のとおりです。

【人材紹介】おすすめの企業像

  • 採用にかけられる人事リソースが限られており、工数を最小限にしたい企業
  • 急な欠員補充など、スピードを最優先で人材を確保したい企業
  • 採用の失敗リスクを抑え、確度の高いマッチングを重視したい企業

人材紹介は、短期成果と工数削減を重視する企業に向く手法です。候補者探索から推薦、日程調整や条件交渉まで支援を受けられるため、企業側は要件提示と選考判断に集中しやすくなります。

一方で、採用プロセスを外部に委ねる比重が高く、社内にノウハウが残りにくい側面もあります。中長期で内製化を進めたい場合は、併用や役割分担で知見を社内に残す設計を検討するとよいでしょう。

自社に適した採用手法で成果を最大化させよう

採用手法に「これさえ選べば正解」という万能解はありません。大切なのは、自社の採用目的(急ぎか、中長期か)と体制(工数を割けるか)を整理して、最適な手段(採用手法)を選ぶことです。

ダイレクトリクルーティングは、企業が主導して候補者へ直接アプローチできる手法。潜在層にも接点を作りやすく、改善を重ねるほど採用ノウハウが社内に蓄積され、採用力の内製化につながります。

一方、人材紹介は、候補者提案から調整までの負担を抑えやすいのが特長です。欠員補充などスピードを優先したい場面で有効ですが、年収連動の成功報酬が中心のため、コスト管理は欠かせません。

最終的には「スピード重視」か「内製化重視」かを軸に、必要に応じて併用するのが現実的です。採用人数・期間・予算を踏まえ、成果と工数のバランスが取れる運用設計を行っていきましょう。

プロフィール画像

執筆者

金田大和

株式会社b&q 執行役員

横浜国立大学卒。プロップテック企業にて、リテンションマーケティング事業や人事コンサルティング事業の立ち上げ、事業責任者として推進。その後、代表高稲とb&qを共同創業し、現在は執行役員として、多くの企業にHRを通じて本質的な価値を届けるべく、コンサルティング事業を含む複数のHR事業を管掌。これまでのキャリアを通じて合計500社以上の人事と対話し採用/組織改善を図る。

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