公開日:2026.06.23
スクラム採用とは?現場社員を巻き込む採用のメリット・デメリットと導入ポイントを解説
人材獲得競争が激化するなか、人事だけの採用活動に限界を感じている企業も増えています。
現場が求める優秀な人材となかなか出会えない……。
採用してもミスマッチが発生している……。
人事だけでは候補者を十分に見極められない……。
このような課題を解決する方法として今、注目されているのが「スクラム採用」です。
本記事では、スクラム採用の考え方や注目される背景、導入するメリット・デメリットを解説します。
また、具体的な進め方や成功させるポイント、スクラム採用の導入に向いている企業についても紹介。
人事・採用担当者はもちろん、責任者・経営層の方も、ぜひ最後までご覧ください。
この記事の要点まとめ
スクラム採用とは、人事だけでなく現場社員や経営層も採用活動に関わり、全社で人材獲得に取り組む採用手法です。
スクラム採用の要点は、以下のとおりです。
- 現場社員が採用要件の策定、スカウト対象者の確認、面接、内定者フォローなどに関わる
- 候補者のスキルや業務適性を、現場視点で見極めやすくなる
- 採用品質の向上や入社後のミスマッチ防止につながる
- 従業員の採用意識が高まり、人事担当者の負担分散も期待できる
- 現場社員の業務負担や情報共有の工数が増える点には注意が必要
- 導入時は、採用目的・採用基準・役割分担を明確にする必要がある
- 採用情報を一元管理し、定期的に振り返りと改善を行うことが重要
- エンジニアや専門職の採用、採用品質を重視する企業、現場主導の組織文化がある企業に向いている
スクラム採用は、現場の知見を採用活動に反映し、自社に合う人材を見極めるための取り組みです。
目次
スクラム採用とは
採用課題は、母集団形成や見極め、定着など複数の要因が絡むもの。
スクラム採用とは、人事だけでなく現場社員や経営層も採用に関わる手法です。
現場の知見を採用活動に取り入れることで、候補者のスキルや業務適性を見極めやすくなります。
ここでは、スクラム採用で現場社員が関わる場面と、リファラル採用との違いを整理します。
現場社員を巻き込んで採用を行う手法
スクラム採用では、現場社員が採用活動の一部または複数の工程に関わります。
現場社員が関わる主な場面は、以下のとおりです。
- 採用要件の策定
- スカウト対象者の確認
- 書類選考
- 面接・カジュアル面談
- 内定者フォロー
たとえば採用要件の策定では、実際の業務内容や必要なスキルを現場視点で整理できます。
面接やカジュアル面談では、候補者に業務内容やチームの雰囲気を具体的に伝えやすくなります。
ただし、すべての社員が全工程を担う必要はありません。
職種や採用課題に応じて、関わる場面と役割を決めることが重要です。
リファラル採用とは対象範囲が異なる
スクラム採用とリファラル採用は、現場社員が関わる範囲が異なります。
リファラル採用は、知人や友人など候補者の紹介が中心です。
一方、スクラム採用は要件定義や選考、フォローまで関わります。
| スクラム採用 | リファラル採用 | |
|---|---|---|
| 主な目的 | 採用品質の向上・ミスマッチ防止 | 候補者との接点創出 |
| 現場社員の役割 | 採用活動の各工程に関わる | 候補者を紹介する |
| 関与範囲 | 要件定義・スカウト・選考・フォロー | 主に母集団形成 |
| 参加の仕方 | 採用プロセスに継続的に関与 | 紹介が中心 |
| 併用可否 | リファラル採用を取り入れられる | スクラム採用の一部として活用できる |
注意したいのは、両者が対立する手法ではない点です。
リファラル採用で接点を作り、スクラム採用で見極めやフォローを行う形もあります。
リファラル採用は候補者を増やす手段、
スクラム採用は採用活動全体の質を高める考え方と捉えると分かりやすいでしょう。
スクラム採用が注目される3つの背景
採用市場の変化や人材要件の高度化により、従来の採用体制だけでは対応しにくい場面があります。
ここでは、スクラム採用が注目される背景を3つの視点から整理します。
まずは背景を押さえ、自社の採用課題に合う施策か判断する材料にしましょう。
専門性の高い人材の見極めが難しくなっているため
専門性の高い人材は、人事だけでスキルや実務レベルを見極めにくいことがあります。
エンジニアやデータサイエンティストなどは、業務内容と技術要件の結びつきが強いためです。
経験年数だけでは判断しきれません。
厚生労働省の参考統計表では、常用(除パート)の職業計の有効求人倍率は1.12倍、
情報処理・通信技術者は1.47倍です。
現場社員が関わると、使用技術や成果物、課題解決の進め方を具体的に確認できます。
評価も実務に近づくでしょう。
専門職採用では、現場の知見を選考に反映することが重要です。
人事だけでは採用活動に限界があるため
採用手法が多様化するなか、人事だけで採用活動を完結させるのは難しくなっています。
スカウトやSNS採用、ダイレクトリクルーティングでは、候補者への接点づくりや魅力付けにも工数が必要です。
マイナビキャリアリサーチLabの調査では、採用予定数を確保できていない企業が新卒・中途の双方で見られます。
また、これまで通りの採用に限界を感じる企業も一定数あります。
人事が戦略設計や全体管理を担い、現場社員が候補者理解や魅力付けを補う体制が有効でしょう。
スクラム採用は、採用活動を人事だけの業務にしないための考え方として注目されています。
入社後の定着や活躍まで見据えた採用が求められているため
採用では、人数の確保だけでなく、入社後に定着・活躍できるかまで見極めることが重要です。
仕事内容や職場環境への理解が不足すると、入社後のギャップにつながりやすいためです。
エン株式会社の調査では、直近3年で半年以内の早期離職があった企業は57%でした。
要因の最多は「仕事内容のミスマッチ」で57%です。
スクラム採用では、現場社員が選考に関わるため、実際の業務内容やチームの雰囲気を伝えやすくなります。
候補者の理解を深め、入社前後のミスマッチを抑える採用を行うことが重要です。

スクラム採用のメリット
採用活動には、見極めや魅力付け、社内連携など複数の課題が関係します。
ここでは、スクラム採用で期待できるメリットを現場・候補者・人事の視点から整理します。
現場視点で候補者を見極められる
現場社員が選考に関わると、候補者を実務に近い視点で見極めやすくなります。
人事担当者は採用の専門家ですが、各職種の業務内容や技術要件まで詳しいとは限りません。
| 評価項目 | 現場社員が確認しやすい内容 |
|---|---|
| 専門スキル | 業務に必要な知識や技術があるか |
| 実務経験 | 入社後に活かせる経験があるか |
| チームとの相性 | 既存メンバーと協力できそうか |
| 仕事への姿勢 | 主体性や課題解決力があるか |
候補者にとっても、現場社員と話すことで業務内容や職場環境を理解しやすくなります。
採用の質を高めるには、人事と現場がそれぞれの視点で評価することが重要です。
入社後のミスマッチを防ぎやすい
スクラム採用は、入社前後の認識ギャップを減らしやすい採用手法です。
現場社員が選考段階から関わることで、求人票だけでは伝わりにくい情報を候補者へ共有できるためです。
現場社員が伝えやすい情報には、以下があります。
- 実際の業務内容
- チームの雰囲気
- 業務で求められるスキル
- 現場で発生しやすい課題
- 入社後の働き方
候補者は入社後の働き方を具体的にイメージしやすくなります。
採用に関わった社員がフォローすれば、定着支援にもつながるでしょう。
ミスマッチを防ぐには、選考段階で現場の実態を正しく伝えることが重要です。
従業員の採用意識が高まる
スクラム採用では、従業員の採用への当事者意識が高まりやすくなります。
採用活動に関わることで、現場社員が「自分たちの仲間を迎える活動」として捉えやすくなるためです。
期待できる変化は、以下のとおりです。
- 自社の魅力や課題を理解しやすくなる
- 採用への当事者意識が高まる
- 新メンバーへのサポート意識が生まれる
- チームづくりへの関心が高まる
ただし、参加を強制すると負担感につながる場合があります。
目的や役割を共有し、無理なく関われる設計が必要です。
採用を人事だけの業務にせず、組織全体で人材を迎える文化を育てることが重要です。
採用担当者の負担を分散できる
スクラム採用では、採用担当者に集中しがちな業務負担を分散できます。
採用手法が増えるほど、母集団形成や候補者対応、選考調整にかかる工数も増えやすいためです。
| 担当業務 | 主な担当者 |
|---|---|
| 採用戦略の策定 | 人事担当者 |
| スカウト対象者の確認 | 人事・現場社員 |
| 面接・面談 | 人事・現場社員 |
| 候補者評価 | 人事・現場社員 |
| 採用活動の改善 | 人事担当者 |
現場社員が一部を担うことで、人事は採用戦略や進行管理、改善活動に集中しやすくなります。
ただし、役割が曖昧だと負担が移るだけになりかねません。
担当範囲を明確にした分担設計が重要です。

スクラム採用のデメリット
スクラム採用は効果が期待できる一方、運用設計によっては負担や混乱が生じる場合があります。
ここでは、導入前に把握しておきたいデメリットを実務上の注意点として整理します。
現場社員の業務負担が増える
スクラム採用では、現場社員の業務負担が増える可能性があります。
通常業務に加えて、面接や候補者対応、スカウト対象者の確認などを担う場面があるためです。
現場社員が担当する業務には、以下があります。
- 面接やカジュアル面談への参加
- 候補者とのコミュニケーション
- スカウト対象者の確認
- 選考評価の実施
- 内定者フォロー
繁忙期や少人数の部署では、本来業務に影響が出る場合もあります。
特定の社員に偏らない設計が必要でしょう。
導入時は、参加範囲や対応時間を事前に決めることが重要です。
全社で認識を統一する必要がある
スクラム採用では、採用に関わる全員の認識を揃える必要があります。
関係者ごとに求める人物像や評価基準が異なると、選考判断にばらつきが出やすいためです。
| 項目 | 共有内容の例 |
|---|---|
| 採用目的 | なぜ採用するのか |
| 求める人物像 | 必要なスキルや経験 |
| 評価基準 | 面接で確認するポイント |
| 選考フロー | 各担当者の役割 |
| 採用目標 | 採用人数や時期 |
認識が揃っていないと、候補者へ伝える仕事内容や期待値にもズレが生じる可能性があります。
採用品質を保つには、採用方針と評価基準を事前に共有することが重要です。
情報共有や管理の工数が増える
スクラム採用では、情報共有や管理にかかる工数が増えやすくなります。
関係者が増えるほど、候補者情報や選考状況を正しく共有する必要があるためです。
| 項目 | 管理・共有する内容 |
|---|---|
| 候補者情報 | 経歴、スキル、選考履歴 |
| 選考状況 | 面接日程、評価結果 |
| 評価コメント | 面接担当者の所見 |
| 対応履歴 | 候補者とのやり取り |
| 採用進捗 | 選考フェーズや内定状況 |
個人情報を複数人で扱うため、閲覧範囲や更新ルールを決めておくことも欠かせません。
円滑に進めるには、採用情報を一元管理できる仕組みを整えることが重要です。
採用担当者に調整力が求められる
スクラム採用では、採用担当者に高い調整力が求められます。
現場社員や経営層など関係者が増えるほど、日程調整や情報共有、判断のすり合わせが複雑になるためです。
採用担当者が担う主な調整業務は、以下のとおりです。
- 採用基準の共有
- 面接日程の調整
- 選考フローの管理
- 関係者との情報共有
- 採用活動の改善
調整が不十分だと、選考の遅延や評価基準のズレが起こりやすくなります。
人事担当者は、採用活動全体を進めるプロジェクトマネージャーとして動くことが重要です。

スクラム採用の進め方
スクラム採用は、関係者を増やすだけでは成果につながらない場合があります。
ここでは、導入から改善までの進め方を手順に沿って整理します。
スクラム採用の目的を明確にする
スクラム採用を始める前に、導入する目的を明確にすることが重要です。
目的が曖昧なまま進めると、現場社員が何のために協力するのか分からず、参加が形だけになりやすいためです。
| 採用課題 | スクラム採用で目指す目的 |
|---|---|
| 専門人材の見極めが難しい | 採用品質を向上させる |
| 早期離職が発生している | 定着率を改善する |
| 人事担当者の負担が大きい | 採用業務を分散する |
| 応募数が不足している | 候補者との接点を増やす |
目的を決めたら、採用人数や選考通過率、内定承諾率などのKPIも設定しておきましょう。
導入後に改善を進めるためにも、解決したい課題と測定する指標をセットで整理することが重要です。
人事と現場で採用基準を共有する
採用品質を高めるには、人事と現場で採用基準を共有することが重要です。
評価基準が揃っていないと、面接担当者ごとに判断が分かれ、選考の一貫性が失われやすくなります。
共有しておきたい項目は、以下のとおりです。
- 必須スキル
- 歓迎スキル
- 求める価値観や行動特性
- 評価基準
- 採用NG基準
基準は人事だけで決めず、現場社員も参加して策定すると、業務実態に合いやすくなります。
策定後は、採用基準をドキュメント化し、定期的に見直すことが重要です。
現場社員が参加しやすい体制を整える
現場社員に継続して協力してもらうには、参加しやすい体制を整えることが重要です。
採用経験がない社員にとって、面接や候補者対応は負担や不安を感じやすい業務だからです。
体制づくりでは、以下を用意しておくと参加しやすくなります。
- 面接や候補者対応に必要な時間の目安
- 面接質問例や評価シート
- 採用活動への参加実績の可視化
- 管理職からの協力依頼
- 採用目的や必要性の共有
依頼だけで進めると、現場任せになりやすい点には注意が必要です。
スクラム採用を継続するには、現場社員が無理なく関われる仕組みを整えましょう。
採用情報を一元管理する
スクラム採用を円滑に進めるには、採用情報を一元管理することが重要です。
関係者が増えるほど、候補者情報や選考状況が分散し、確認漏れや対応遅れが起こりやすくなるためです。
| 管理項目 | 内容 |
|---|---|
| 候補者情報 | 経歴、スキル、応募経路 |
| 選考状況 | 面接日程、選考結果 |
| 評価内容 | 面接担当者のコメント |
| 対応履歴 | 候補者とのやり取り |
| 採用進捗 | 各選考フェーズの状況 |
採用管理システム(ATS)などを活用すると、関係者が必要な情報を同じ場所で確認できます。
情報共有の属人化を防ぐためにも、更新ルールと閲覧権限を決めて管理することが重要です。
振り返りと改善を繰り返す
スクラム採用は、振り返りと改善を繰り返すことで精度が高まります。
導入後も、採用基準や情報共有の方法、現場社員の関わり方に課題が出る場合があるためです。
振り返りでは、以下を確認しましょう。
- 採用目標(KPI)の達成状況
- 現場社員の参加状況や負担感
- 採用基準の妥当性
- 選考プロセスの課題
- 情報共有や管理方法の改善点
人事だけでなく現場社員も参加すると、現場視点の課題や改善案を把握しやすくなります。
スクラム採用を形骸化させないためにも、定期的に振り返り、運用を見直すことが重要です。

スクラム採用を成功させるポイント
スクラム採用は、仕組みや役割が曖昧なままでは継続が難しくなる場合があります。
ここでは、成果につなげるための運用ポイントを組織づくりの視点から整理します。
まずは成功条件を掴み、自社で定着させるための施策に活かしましょう。
経営層の理解と協力を得る
スクラム採用を定着させるには、経営層の理解と協力を得ることが重要です。
現場社員が採用に関わるには、通常業務とは別に時間や役割を確保する必要があるためです。
経営層に期待したい協力には、以下があります。
- 全社へ採用方針を発信する
- 現場社員が採用活動に参加する時間を確保する
- 採用活動への貢献を評価する仕組みを整える
協力を求める際は、採用ミスマッチや早期離職が事業に与える影響を共有すると納得を得やすくなります。
スクラム採用を全社で進めるには、経営層が採用を重要課題として位置づけることが重要です。
採用目標と採用基準を継続的に共有する
採用活動の方向性を揃えるには、採用目標と採用基準を継続的に共有することが重要です。
基準を一度作っても、関係者ごとに解釈がずれると、評価や候補者対応にばらつきが出やすくなります。
共有しておきたい項目は、以下のとおりです。
- 採用人数
- 採用時期
- 求める人物像
- 評価基準
- KPIの進捗状況
目標の進捗が見えると、現場社員も採用活動への当事者意識を持ちやすくなります。
一貫性のある採用活動を進めるには、目標・基準・進捗を定期的に共有することが重要です。
採用活動における役割分担を明確にする
スクラム採用を円滑に進めるには、関係者ごとの役割分担を明確にすることが重要です。
役割が曖昧なまま進めると、業務の重複や対応漏れが起こり、選考スピードにも影響します。
| 担当者 | 主な役割 |
|---|---|
| 人事担当者 | 採用全体の進行管理、情報管理 |
| 現場社員 | 面接参加、候補者対応、入社後フォロー |
| 現場マネージャー | 採用基準の確認、参加者の調整 |
| 経営層 | 採用方針の発信、意思決定 |
特に、誰が候補者へ連絡するのか、誰が最終判断するのかは事前に決めておく必要があります。
採用活動を滞りなく進めるためにも、担当範囲と判断権限を整理することが重要です。
人事と現場が定期的に情報共有を行う
スクラム採用では、人事と現場が定期的に情報共有を行うことが重要です。
人事と現場では見る観点が異なるため、共有が不足すると評価基準や採用判断にズレが生じやすくなります。
情報共有では、以下を確認しましょう。
- 候補者の評価内容
- 選考状況や進捗
- 採用目標の達成状況
- 採用基準の運用状況
- 現場社員の負担や課題
進捗だけでなく、「なぜその評価になったのか」まで共有すると、判断基準を揃えやすくなります。
採用品質を高めるには、人事と現場が継続的にすり合わせることが重要です。

スクラム採用に向いている企業
スクラム採用は、採用課題や組織体制によって向き不向きが分かれる場合があります。
ここでは、導入効果を得やすい企業の特徴を採用課題と組織文化の視点から整理します。
エンジニアや専門職を採用したい企業
エンジニアや専門職を採用したい企業は、スクラム採用と相性が良い傾向があります。
専門職は、スキルの有無だけでなく、実務で再現できるレベルかどうかの見極めが必要だからです。
現場社員が選考に関わると、以下の観点で評価しやすくなります。
- 技術力や専門スキル
- 実務経験のレベル
- 業務への適性
- チームとの相性
- コミュニケーション能力
職務内容を理解している社員が確認することで、候補者の経験と自社業務の接続度を判断しやすくなります。
専門職の採用品質を高めたい企業は、現場の知識を選考に活かす体制づくりが重要です。
採用品質を重視する企業
採用品質を重視する企業にも、スクラム採用は適しています。
現場社員が選考に関わることで、スキルや経験だけでなく、価値観や仕事への姿勢も確認しやすくなるためです。
特に相性が良いのは、以下のような企業です。
- 少数精鋭で事業を運営している企業
- 一人ひとりの影響が大きい小規模組織
- 専門性の高い人材を採用したい企業
- 定着率や活躍率を重視している企業
採用人数の確保を優先しすぎると、入社後のミスマッチにつながる場合があります。
自社で活躍できる人材を採用したい企業は、多角的に候補者を評価する体制が重要です。
現場主導の組織文化がある企業
現場主導の組織文化がある企業は、スクラム採用を導入しやすい傾向があります。
スクラム採用では、現場社員が面接や候補者評価に関わるため、主体的な協力が欠かせないためです。
現場主導の組織には、以下のような特徴があります。
- 現場社員が意思決定に関わっている
- 部門を超えた情報共有が活発である
- 業務改善の提案が歓迎される
- 主体性を重視する文化がある
一方で、現場主導の文化が十分でない企業でも、役割や目的を明確にすれば導入は可能です。
組織づくりにもつなげたい場合は、現場の当事者意識を育てる施策として検討するとよいでしょう。

スクラム採用に関するよくある質問
スクラム採用を検討する際は、導入可否や運用面で疑問が出ることもあります。
ここでは、よくある質問を実務上の判断に役立つ形で整理します。
スクラム採用とリファラル採用は併用できますか?
スクラム採用とリファラル採用は、併用できます。
リファラル採用は候補者との接点づくり、スクラム採用は選考やフォローまで含めた採用体制の考え方だからです。
たとえば、社員紹介で候補者と接点を作り、現場社員が面談や選考、入社後フォローに関わる形があります。
ただし、現場社員の負担が増えやすいため、紹介・面談・評価の役割は事前に整理しておきましょう。
両者を併用する際は、候補者接点の創出と採用品質の向上を分けて設計することが重要です。
中小企業でもスクラム採用は導入できますか?
中小企業でも、スクラム採用は導入できます。
人事と現場の距離が近い企業では、採用基準のすり合わせや意思決定を進めやすい場合があるためです。
大規模な体制を整えなくても、面接への同席や採用要件の確認など、一部の工程から始められます。
ただし、少人数の組織では特定の社員に負担が集中しやすい点に注意が必要です。
導入時は、参加人数と担当範囲を絞って始めることが重要です。
スクラム採用で現場社員のモチベーションを維持するにはどうすればいいですか?
現場社員のモチベーションを維持するには、採用活動の目的や意義を共有することが重要です。
採用活動を単なる追加業務と捉えられると、負担感が強まり、継続的な参加につながりにくくなります。
モチベーション維持には、以下の取り組みが有効です。
- 採用活動の目的や必要性を共有する
- 面接や候補者対応の負担を調整する
- 入社後の活躍状況をフィードバックする
- 採用活動への貢献を評価する
採用活動の成果を可視化すると、現場社員が自分の貢献を実感しやすくなります。
継続的に協力を得るには、負担の調整と貢献実感の設計が重要です。

スクラム採用で採用ミスマッチを防ぎ自社に合う人材を獲得しよう
スクラム採用は、現場社員や経営層も採用に関わる全社型の採用手法です。
人事だけでは、候補者の実務適性や現場との相性を見極めきれない場合があります。
現場の知見を加えることで、採用判断の精度を高めやすくなります。
一方で、現場社員の負担増加や情報共有の工数には注意が必要です。
導入時は、目的や採用基準、役割分担を明確にしましょう。
また、経営層の理解を得たうえで、採用情報を一元管理し、定期的に振り返ることも欠かせません。
自社の採用課題や組織体制を踏まえ、無理なく継続できる形でスクラム採用を取り入れることが重要です。
