コラム
採用課題改善

採用CX(候補者体験)とは?重要な理由から改善の具体例まで解説

採用CX(候補者体験)とは?重要な理由から改善の具体例まで解説

「選考辞退が相次いでいるが、本当の理由が分からない……。」

「面接後のアンケートで、『期待していた印象と違った』という声をもらってしまった……。」

――候補者からの選別が加速する今、採用の成否を分けるのは、選考プロセスにおける体験の質です。

本記事では、採用CX(候補者体験)の定義や注目される背景から、内定承諾率や歩留まりに与える因果関係、さらには現場ですぐに実践できる「体験価値」改善の具体例までを体系的に解説します。

歩留まりの改善に悩む採用担当者はもちろん、人事責任者の方も、ぜひ最後までご覧ください。

採用CXに関するご相談は「AchieveHR」へ

AchieveHRは、採用の「戦略策定〜運用改善」までを一気通貫で支援し、
採用成果の創出に伴走する「RPO(採用代行)/ 採用コンサルティング」サービスです。

AchieveHRの強み

  • 契約前に要件・戦略を検証し、再現性ある計画で実行
  • 独自の人材プールで難職種でも母集団を拡大
  • 固定費 + 一部成功報酬のハイブリッドで成果にコミット

\30秒で登録&無料で相談可能/

目次

採用CX(候補者体験)とは?

採用CX(Candidate Experience)とは、候補者が企業を認知してから応募・選考を経て内定や入社に至るまで、企業とのあらゆる接点で感じる体験全体を指す考え方です。

この概念はCX(Customer Experience:顧客体験)を採用分野に応用したもので、候補者を単なる選考対象ではなく、意思決定を行う主体として捉える視点に基づいています。

求人票の内容や情報の分かりやすさ、連絡のスピード、面接官の対応など、一つひとつの接点が企業への印象や志望度を左右する点が採用CXの特徴です。

採用ブランディングや入社後のEX(Employee Experience)とも関係しますが、とりわけ重要なのは選考中のタッチポイントを意図的に設計する視点といえるでしょう。

候補者視点で体験を一貫して整えることが、結果として選ばれる企業づくりにつながります。

採用ブランディングについては、こちらの記事もご参照ください。
採用ブランディングとは?目的や方法、進め方、成功事例を解説

採用CX(候補者体験)が採用成果に与える影響

採用CX(候補者体験)の質は、選考プロセス全体の歩留まりや内定承諾率に影響し、採用成果の安定化や効率向上に寄与する重要な要素と考えられています。

連絡が迅速で説明が丁寧な企業ほど、候補者の不安は和らぎやすく、選考への納得感も高まる傾向があります。その結果、働くイメージが具体化し、志望度が段階的に高まっていくでしょう。

一方で、レスポンスの遅れや情報不足が続くと不信感が生じ、他社選考を優先されやすくなります。こうした状況は、辞退率の上昇や選考の長期化を招く要因となります。

選考中の体験がポジティブであるほど入社意欲は高まりやすく、最終的な採用決定数にも影響します。候補者の心理変化を踏まえた体験設計が、成果につながる採用活動の土台となるのです。

採用CX(候補者体験)が重要な理由

「なぜ、選考途中で辞退されてしまうのか」「なぜ、内定を出しても承諾されないのか」。
その背景には、条件面だけでは測れない“選考中の体験”が影響している可能性があります。

近年の採用市場では、企業が一方的に人材を選ぶ構図は変わりつつあります。
求職者は複数の企業を比較し、対応の姿勢や情報の伝え方から企業を見極める時代です。

こうした環境下で成果を出すには、採用プロセス全体を「体験」として捉える視点が欠かせません。
なぜ採用CXが重要視されるようになったのか、その理由をこれから紐解いていきます。

少子高齢化と人材獲得競争の激化

少子高齢化により生産年齢人口は減少傾向にあり、多くの業界で人手不足が常態化しています。結果として、優秀な人材をめぐる獲得競争は年々激化している状況です。

候補者は複数の企業を同時に検討することが一般的となり、給与や条件面だけでなく、選考のスピード感や対応の誠実さも比較軸として重視されるようになりました。

知名度や資本力で大手企業に劣る組織であっても、採用CXを磨くことで独自の魅力を伝え、候補者の意思決定に影響を与える余地があります。

迅速なレスポンスや丁寧な対応を通じて信頼関係を築くことが、候補者に選ばれる理由となります。採用CXは競争環境における実践的な差別化手段といえるでしょう。

転職市場の変化と候補者主導の採用環境

終身雇用の前提が揺らぎ、人材の流動化が進んだことで転職は一般的な選択肢となりました。採用における主導権も、企業から候補者へと大きく移りつつある状況です。

候補者は仕事内容や働き方に加え、面接官の印象や社風など、多面的な情報を踏まえて自分に合う職場を主体的に判断するようになっています。

このような環境下で企業に求められるのは、「選ぶ側」ではなく「選ばれる側」としての姿勢と準備でしょう。対応の一つひとつが評価対象になります。

事実に基づく情報提供と適切な期待値調整を行い、ミスマッチを防ぐことが重要です。候補者の価値観に寄り添う姿勢が、選ばれる企業への出発点となります。

採用プロセスの可視化・口コミ時代の到来

インターネットやSNSの普及により、企業の採用活動は候補者の視点から可視化されやすくなりました。公式発信だけでなく、選考体験に関する口コミが意思決定に影響する時代です。

選考時の不誠実な対応や威圧的な態度は、短時間で共有されやすく、企業イメージを損なう要因となります。その影響は、将来的な応募数の減少にも及びかねません。

一方で、丁寧で一貫した体験を提供できれば、不採用となった候補者であっても好意的な評価が残ります。結果として、再応募や第三者への推奨につながる可能性があります。

情報の透明性が高い環境だからこそ、日々の対応が企業評価を左右します。一貫性のある誠実な振る舞いが、長期的な採用ブランドを形成する要素といえるでしょう。

採用プロセスについては、こちらの記事もご参照ください。
採用プロセスの改善方法とは?見直すべきサインや改善のメリットも紹介

採用CX(候補者体験)のタッチポイント設計

採用活動で候補者が感じる印象は、個々の出来事ではなく、
複数の接点が連なった「一つの体験」として蓄積されていきます。

その体験を左右するのが、候補者と企業が接触する各タッチポイントです。
対応のばらつきや一貫性の欠如は、気づかないうちに志望度を下げてしまうこともあります。

だからこそ重要なのは、出会いから入社に至るまでの流れを俯瞰し、
どの接点で何を伝えるべきかを意図的に設計する視点でしょう。

採用前の準備・設計

採用CXは、選考が始まる前の設計によって大きく左右されます。運用面の工夫以前に、採用の前提条件を整理しておくことが、体験の質を安定させる第一歩です。

まず重要なのは、誰を採用したいのかという採用ペルソナと、企業の魅力を定義するEVP(Employee Value Proposition)を明確にすること。採用の軸を言語化することが、判断のブレを防ぎます。

そのうえで、選考フローや所要期間、評価基準、候補者に伝える説明内容を整理しておく必要があります。面接官ごとに基準が異なる状態は、候補者の混乱や不信感を招きかねません。

特に求人票と実態にズレがある場合、辞退やミスマッチの原因となります。人事と現場が共通認識を持つ設計が、納得感のある採用体験を支える土台となるでしょう。

認知・興味形成

認知は採用CXの起点となるフェーズであり、候補者がその企業を「検討に値する存在かどうか」を判断する重要な段階です。最初に触れる情報の質が、以降の関心度を左右します。

情報が分かりにくかったり抽象的だったりすると、候補者の理解は進まず、関心を失う要因になります。具体性と分かりやすさを備えた情報設計が求められるでしょう。

採用サイトや社員インタビューでは、仕事内容の魅力に加え、難しさや求める姿勢も丁寧に伝えることが重要です。情報の透明性は、ミスマッチ防止にも直結します。

さらに、デザインやコピーのトーンを統一し、候補者に働く姿を想像させる工夫も欠かせません。最初の接点で得た印象こそが、採用成功の土台となります。

応募・初期接点

応募直後は候補者の意欲が最も高まりやすいタイミングであり、対応のスピードが選考歩留まりに影響します。初期対応の質が、その後の印象を左右します。

連絡が滞ったり次の行動が分かりにくかったりすると、不安や不信感が生じやすくなります。案内の即時性と分かりやすさが、信頼形成の前提となるでしょう。

そのため、UXの視点で導線を設計することが重要です。自動返信で選考の目安期間を示す、日程調整を自動化するなどの工夫が有効といえます。

加えて、必要書類の明示や事前説明により心理的負荷を軽減することも欠かせません。迅速で配慮ある初期対応が、信頼の第一歩となります。

選考・コミュニケーション

選考段階の体験は、面接官の対応力や提供される情報の質によって大きく左右されます。面接は評価の場であると同時に、企業理解を深める重要な接点です。

候補者は選考される立場でありながら、企業文化や職場環境を見極める「選ぶ側」でもあります。双方向の対話を前提とした姿勢が、納得感のある体験につながるでしょう。

そのためには、事前に面接の目的や構成を共有し、十分な質疑応答の時間を確保することが欠かせません。誠実な対話は、企業への信頼形成に直結します。

不採用者への適切なフィードバックや、面接官トレーニングによる対応力向上も重要です。候補者との対話は魅力を伝える機会であり、採用成功のカギを握ります。

内定・入社体験

内定後は期待と同時に不安が高まりやすい段階であり、オファー内容への納得感と入社までのフォローが、採用CXの最終評価を左右する重要な要素となります。

条件や評価制度、配属先の情報を丁寧に伝えることで、候補者は入社後の姿を具体的に描きやすくなります。不安が生じやすい点を想定し、事前に説明する姿勢も欠かせません。

オファー資料の工夫や現場メンバーとの面談は、候補者が判断材料を得る有効な機会です。納得感のある意思決定を支える環境づくりが求められるでしょう。

定期的な連絡や懇親の場を通じて関係性を深めることで、入社意欲は段階的に高まります。計画的に設計された体験が、承諾率や入社率の向上につながるのです。

採用CX(候補者体験)改善の具体例

採用CXの重要性を理解していても、
「どこから手をつけるべきか」で立ち止まる企業は少なくありません。

多くの場合、課題は採用プロセスの特定の場面に潜んでいます。
候補者視点で接点を見直すことで、改善余地は意外なところに見えてくるものです。

ここからは、実務で取り組みやすく、成果につながりやすい代表的な改善例を紹介します。

応募・日程調整におけるスピード改善

応募から初回連絡、日程確定までのスピードは、候補者の離脱を防ぎ選考意欲を維持するうえで重要です。初期対応の速さが体験全体の評価を左右します。

レスポンスが遅れると不安や不信感が生じ、他社選考を優先されやすくなります。目安として初回返信は24時間以内とし、対応基準を共有しておくことが望ましいでしょう。

ATSやカレンダー連携ツールを活用すれば調整負荷を軽減できます。自動返信で次のステップや所要時間を示すことで、候補者の安心感を高める効果も期待できます。

迅速かつ丁寧な対応をチームで徹底することが、信頼形成につながります。ATS(Applicant Tracking System)は、応募者情報や選考状況を一元管理する採用管理システムです。

面接の日程調整については、こちらの記事もご参照ください。
面接日程調整ツールおすすめ10選!無料・有料ツールを徹底比較

選考中の情報提供・フィードバック設計

選考中の不安を軽減するには、進捗共有や情報提供を標準化し、候補者の納得感を高める設計が欠かせません。対応の一貫性が、体験の質を左右します。

結果連絡が遅れたり理由が不明確だったりすると、不信感を招きやすくなります。連絡のタイミングと内容の明確さは、企業イメージを守る基本要素です。

選考全体の流れや評価観点を事前に共有し、業務の難しさも含めて伝えることで、候補者の理解は深まります。誠実な情報開示が信頼形成を後押しします。

要所で改善点や期待を伝え、状況や志向に応じて柔軟に対応する姿勢も重要です。丁寧な関わりが、他社との差別化につながるでしょう。

面接官の対応品質・体験設計

面接官は企業の顔として、候補者が企業をどう評価するかを左右します。高圧的な態度や準備不足、質問の散漫さは、入社意欲を下げる要因となりかねません。

こうしたリスクを防ぐためには、評価基準を統一し、傾聴力や対話力を高める面接官トレーニングを行うことが有効です。対応の質を組織的に底上げできます。

また、事前に候補者情報を共有し、質疑応答の時間を十分に確保することで、自然な双方向の対話が生まれます。理解を深める場として設計する視点が重要でしょう。

候補者の志向や経験に応じた柔軟な対応は、体験価値を高めます。真摯な姿勢で臨む面接こそが信頼関係を築き、他社との差別化につながるのです。

内定通知・オファー時の体験価値向上

内定後は不安が生じやすく、入社への意思を固める重要な段階です。このタイミングでの対応が、内定承諾の判断に大きく影響します。

条件が不明確であったり、入社後のイメージが持てなかったりすると、辞退につながりやすくなります。オファー内容とフォロー体制の整備が欠かせません。

オファー資料で役割や条件を明文化し、現場メンバーとの面談を設けることで理解は深まります。オンボーディング概要の事前共有も、不安軽減に有効です。

入社前のコミュニケーションを継続し、歓迎の姿勢を伝えることが重要です。懇親の機会を通じて文化を体感してもらうことで、期待感はさらに高まるでしょう。

採用CX(候補者体験)に注力するメリット

採用CXへの取り組みは、候補者の印象を良くするだけの施策ではありません。
採用活動全体の進めやすさや、その後の関係性にも影響を及ぼします。

選考中の体験が整っている企業ほど、プロセスの停滞や想定外の離脱が起こりにくい傾向があります。
結果として、採用効率や意思決定の質に変化が現れるケースも少なくありません。

採用CXに注力することで、どのような成果につながり得るのか。
次に、特に注目したい代表的なメリットを整理していきます。

内定承諾率・歩留まりの改善

採用CXを改善することで、選考各フェーズの通過率が安定し、結果として内定承諾率の向上につながるケースが多く見られます。体験の質は数値に反映されやすい要素です。

歩留まりとは、応募から内定までの各工程における通過率が連鎖する指標を指します。期待値を丁寧に調整することで、候補者の不安や他社比較による離脱を抑えやすくなります。

面接実施率や承諾率といった指標は、小さな改善でも最終的な決定数に影響します。数%程度の向上であっても成果に差が出る点は、実務上見逃せません。

迅速なレスポンスと一貫した体験設計を積み重ねることが重要です。こうした基本対応の継続が、効率的で再現性の高い採用活動を支える原動力となるでしょう。

内定承諾率については、こちらの記事もご参照ください。
内定承諾率を上げる8つの方法を紹介!承諾率の平均値や主な辞退理由を解説

辞退・離脱の防止

適切な採用CXを整えることで、応募直後から内定後までの各段階で発生しやすい候補者の辞退や離脱を抑制し、選考全体の安定性を高めることが可能になります。

辞退の背景には、連絡の遅れや面接官への不信感による熱量低下が多く見られます。ただし候補者は理由を明確に伝えないことも多く、見えにくい機会損失につながりがちです。

特に一次面接前後での説明不足や条件の不透明さは、候補者の心理的な距離を広げる要因となります。初期段階での丁寧な情報提供が重要といえるでしょう。

誠実な情報開示と全工程を通じたフォロー体制は、信頼関係を支える基盤です。一貫した対応が辞退を防ぎ、採用成果の最大化につながります。

辞退・内定辞退については、こちらの記事もご参照ください。
内定辞退が多い理由は?辞退の多い時期や防ぐためのポイント・採用手法を解説

企業イメージ・採用ブランドの向上

優れた採用CXを継続的に積み重ねることで、広告施策に依存せずとも企業イメージが形成され、応募の質と量の双方を底上げする採用ブランドが育っていきます。

採用ブランドは情報発信だけで構築されるものではありません。実際の選考体験が、SNSや知人紹介といった第三者経由で共有されることで、企業評価として広がっていきます。

ネガティブな体験は短期間で拡散し、結果として採用単価を押し上げる要因になります。一方、良質な体験は推奨や再応募を生み、好循環をもたらします。

候補者一人ひとりと誠実に向き合う姿勢の積み重ねが重要です。中長期的な採用力を支える基盤として、採用CXは大きな役割を果たします。

入社後の定着率・エンゲージメント向上

採用CXの最終的な目的は内定承諾にとどまらず、入社後の定着や活躍まで見据えた一貫したエンゲージメントの向上にあります。採用は入社後への入口にすぎません。

選考段階で仕事内容のリアルや求められる役割を伝え、期待値を適切に調整しておくことで、入社後のギャップを抑え、早期離職のリスクを低減できます。

丁寧に配慮された選考体験は、候補者に企業への信頼感を生みます。その信頼は入社後も引き継がれ、オンボーディングを円滑に進める原動力となるでしょう。

カルチャーフィットを意識した関わりや、個人を尊重する組織姿勢が定着を後押しします。誠実な受容力を備えた環境こそが、持続的な企業成長を支えます。

採用CX(候補者体験)に注力する際の注意点

採用CXを改善しようと取り組む企業は増えていますが、
施策を導入するだけでは、必ずしも成果につながるとは限りません。

目的や全体像が曖昧なまま進めると、現場の負担が増える一方で、
期待していた効果を実感できず、形だけの取り組みになるケースも見られます。

採用CXを本質的な改善につなげるためには、事前に押さえておくべき視点があります。
ここからは、取り組む際に特に注意したいポイントを整理していきます。

施策目的が曖昧なまま進めない

採用CXの施策に着手する際は、まず「何を改善したいのか」を明確に定義することが不可欠です。目的が曖昧なままでは、施策全体が形骸化しやすくなります。

目的が定まらない状態で進めると、現場の負担だけが増え、どの施策が成果に寄与したのか検証できません。結果として、改善活動そのものが停滞する恐れがあります。

例えば、内定承諾率を高めたいのか、一次面接の設定率を改善したいのかによって、見直すべき接点や打ち手は大きく異なります。狙いの明確化が重要です。

目的、対象フェーズ、改善する接点の順に整理することで、限られたリソースを有効活用できます。戦略的な優先順位付けが、採用CX改善の成否を左右します。

現場(面接官・現場社員)との連携不足

採用CXを一過性の取り組みで終わらせず定着させるには、人事部門と面接官・現場社員が連携し、同じ方向を向いて運営する体制を整えることが欠かせません。

候補者が選考過程で最も接するのは現場社員であり、その言動や対応が企業全体の印象を左右します。現場の関与度合いが、体験価値に直結するといえるでしょう。

連携が不足すると説明内容の食い違いや連絡遅延が発生し、面接品質のばらつきが不信感を生む要因になります。結果として、CX全体の評価が下がる恐れがあります。

役割分担や評価基準を整理し、面接官トレーニングや共有テンプレートを活用することが有効です。現場を巻き込んだ運営こそが、誠実な体験を生む鍵となります。

一部フェーズだけの改善に留めない

採用CXは、応募から入社に至るまでの体験全体で評価されるため、特定のフェーズだけを改善しても十分とはいえません。全体を俯瞰した視点が求められます。

候補者は選考プロセスを一連の流れとして捉えます。そのため、どこか一箇所に違和感があると、企業全体の印象が損なわれやすくなります。

例えば応募対応が迅速でも、面接官の対応が雑だったり内定後のフォローが弱かったりすると、これまでの好印象が覆る可能性もあります。

全工程を完璧に整える必要はありませんが、影響の大きい接点から優先的に改善することが重要です。体験全体のバランスを整えることが志望度向上につながります。

数値・KPIを設定せずに運用しない

採用CXの改善を継続的に進めるためには、感覚や印象に頼らず、数値に基づいて状況を把握する運用が欠かせません。定量的な視点を持つことが、改善施策の再現性と精度を高めます。

「以前より良くなった気がする」といった主観的な判断だけでは、成果を正しく測定できず、次の施策に活かすことも困難になります。変化を可視化できる状態を整えることが重要です。

面接設定率や内定承諾率など、フェーズごとのKPIを設定して推移を確認することで、どの工程に課題があるのかを客観的に把握しやすくなり、改善ポイントも明確になります。

数値の取得が難しい場合は、候補者アンケートや対応時間の記録などで代替することも可能です。取れる指標からPDCAを回す姿勢が、CX改善を持続させる鍵となります。

明日からできる採用CX(候補者体験)の改善ステップ

採用CXを改善したいと考えていても、
何から着手すべきか分からず手が止まってしまうことは少なくありません。

重要なのは、大きな施策を一気に進めることではなく、
現状を整理し、影響の大きいポイントから優先的に見直す視点です。

ここからは、候補者視点を軸にしながら、
明日から実践できる具体的な改善ステップを整理していきます。

採用ペルソナと期待値の整理

採用CXを改善するうえで最初に取り組むべきなのが、採用ペルソナと期待値の整理です。誰に選ばれたいのかが曖昧なままでは、訴求内容や選考体験に一貫性が生まれません。

採用ペルソナとは、求める人物像を具体化した指針です。スキルや経験だけでなく、価値観や転職理由まで含めて定義することで、採用判断や情報発信の軸が明確になります。

あわせて重要なのが、入社前後の期待値調整です。業務内容や働き方の実態を正しく伝えない場合、入社後のギャップが不満や早期離職につながる可能性があります。

現場と人事で認識をすり合わせ、求人票や面接で伝える内容を統一することが欠かせません。現実に即した情報共有が、ミスマッチ防止の土台となります。

採用ペルソナと期待値を整理することは、選考効率だけでなく定着にも影響します。まずは自社が届けるべきメッセージを見直すことから始めるとよいでしょう。

候補者との接点の洗い出し

採用CXを改善する第一歩は、現在の採用フローにおいて、候補者が自社と接触するすべてのタッチポイントを可視化し、体験全体を俯瞰することです。

求人票や応募フォームといったデジタル接点に加え、面接時のやり取りやカジュアルな連絡、受付対応、面接官の態度、メール文面まで含めて洗い出しましょう。

候補者の記憶に残る接点を漏れなく把握することで、改善すべき箇所が明確になります。結果として、優先順位を付けた効率的な改善計画を立てやすくなるでしょう。

離脱・不満が起きやすい箇所の特定

洗い出した接点の中から、辞退や不満の原因となっているボトルネックを特定することが重要です。体験を阻害している要因を見極める視点が、改善の起点となります。

すべての接点を同時に改善することは現実的ではありません。特に離脱に直結しやすい工程や、候補者の心理的負担が大きい箇所から優先的に着手すべきでしょう。

対応の遅れや情報不足、手続きの煩雑さなど、具体的な観点で課題を整理します。KPIや候補者アンケート、面接官の所感などを組み合わせて分析することが有効です。

インパクトの大きいポイントに焦点を絞ることで、限られたリソースでも改善効果を高められます。優先順位を意識した対応が、体験向上を効率的に進める鍵となります。

優先順位をつけて改善施策を実行

特定した課題に対しては、リソースや実行難易度を踏まえて優先順位を付け、成果が出やすく現場負荷の少ない施策から着手する姿勢が重要になります。

例えば返信速度の向上や案内テンプレートの整備など、具体性と実行可能性を備えた施策を組み合わせ、担当者や期限を明確にした計画を立てることが効果的です。

一度に大きな改善を狙う必要はありません。段階的な改善を積み重ねることで信頼は蓄積され、採用CX全体の改善効果を着実に高めていくことが可能になります。

歩留まり・承諾率で効果検証を行う

実施した施策は、歩留まりや内定承諾率などのKPIを用いて効果検証を行うことが重要です。数値で変化を捉えることで、改善の成否を客観的に判断できます。

どの施策がどの数値に影響したのかを分析すれば、次に注力すべき改善点が明確になります。感覚的な評価ではなく、因果関係を意識した振り返りが求められます。

短期的には面接設定率や通過率を確認し、中長期的には入社後の定着率を指標として使い分けることで、施策の効果を多角的に評価しやすくなるでしょう。

数値取得が難しい場合は、候補者アンケートや面接後フィードバック、対応時間の記録で代替可能です。データに基づく改善サイクルが、採用CXを高水準で維持する鍵となります。

採用CXの改善は選ばれる企業になるための第一歩

採用CX(候補者体験)は、選ばれる企業になるための基盤です。

少子高齢化や転職の一般化により、採用市場は候補者主導へと変化しています。応募から選考、内定に至る体験全体が企業評価に直結し、採用CXの質が成果を左右する時代です。

採用CXは歩留まりや承諾率だけでなく、採用ブランドや入社後の定着にも影響します。目的を定め、接点を整理し、数値で改善を続ける視点が欠かせません。

候補者視点で採用CXを見直し、改善に取り組みましょう。

採用CXに関するご相談は「AchieveHR」へ

AchieveHRは、採用の「戦略策定〜運用改善」までを一気通貫で支援し、
採用成果の創出に伴走する「RPO(採用代行)/ 採用コンサルティング」サービスです。

AchieveHRの強み

  • 契約前に要件・戦略を検証し、再現性ある計画で実行
  • 独自の人材プールで難職種でも母集団を拡大
  • 固定費 + 一部成功報酬のハイブリッドで成果にコミット

\30秒で登録&無料で相談可能/

プロフィール画像

執筆者

金田大和

株式会社b&q 執行役員

横浜国立大学卒。プロップテック企業にて、リテンションマーケティング事業や人事コンサルティング事業の立ち上げ、事業責任者として推進。その後、代表高稲とb&qを共同創業し、現在は執行役員として、多くの企業にHRを通じて本質的な価値を届けるべく、コンサルティング事業を含む複数のHR事業を管掌。これまでのキャリアを通じて合計500社以上の人事と対話し採用/組織改善を図る。

採用に課題を感じたら、
ご相談ください

現状の採用戦略や運用体制の見直し、今後の採用計画に関するご相談など、
Achieve HRが貴社に最適な方向性をご提案します。

お問い合わせはこちら