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採用代行(RPO)と人材紹介の違いを比較!支援範囲・費用・採用スピードを解説

採用代行(RPO)と人材紹介の違いを比較!支援範囲・費用・採用スピードを解説

「採用が思うように進まないのは、母集団が足りないからなのか。それとも、応募者対応や選考の運用が回っていないからなのか……。」「外注を検討しているが、採用代行(RPO)と人材紹介の違いが曖昧なまま進めてよいのか……。」

――このような悩みを抱える採用担当者は少なくありません。

人材獲得競争が激しくなる一方で、社内リソースには限りがあり、スピードと品質の両立が難しくなっています。だからこそ重要なのが、自社のボトルネックに応じて「運用を支えるRPO」と「候補者と出会う人材紹介」を適切に使い分けることです。

本記事では、採用代行(RPO)と人材紹介の違いを、支援範囲・費用(料金形態)・メリット/デメリット・採用スピードの観点で整理し、どのような企業にどちらが向いているかまで分かりやすく解説。

採用のムダやミスマッチを減らし、限られた体制でも採用成果を最大化したい方は、ぜひ最後までご覧ください。

採用代行(RPO)と人材紹介の違いとは?

採用代行(RPO)人材紹介
業務範囲採用プロセスの一部〜全体の実務運用を代行
(応募対応、日程調整、進捗管理、媒体運用など)
候補者の探索・推薦と、選考〜入社までの候補者フォロー/条件交渉の仲介
料金体系月額固定/成功報酬/従量課金成功報酬が主流
費用感月額固定:20~100万円/月
成功報酬:30%~40%/年収
従量課金:数千~数万円/件
(スカウト送信・面接など業務量により変動)
理論年収の30%~40%
スピード感立ち上げ後、選考オペの処理速度が上がり、複数ポジションや大量採用ほど全体最適に効きやすい推薦が早ければ母集団形成を短縮しやすいが、社内の対応が遅いと失速しやすい
メリット・採用実務の工数削減
・運用品質の安定
・KPI可視化と改善が進めやすい
・候補者探索/初期スクリーニングの省力化
・出会いの幅が広がる
・条件交渉の仲介が期待できる
デメリット・固定費が発生しやすい
・立ち上げに要件整理/運用設計の工数が必要
・外部化しすぎるとノウハウが残りにくい
・採用単価が高くなりやすい
・候補者の質/量が紹介会社に依存しやすい
・複数社利用時に運用が煩雑になりやすい
おすすめの企業・採用業務量が多い
・運用が回っていない
・媒体/スカウト運用を強化したい
・複数職種/複数拠点の採用がある
・ピンポイントで即戦力が必要
・専門職/ハイクラスで母集団が作りにくい
・非公開で採用したい
・探索工数を抑えたい

採用代行(RPO)と人材紹介はいずれも企業の採用活動を支援するサービスですが、関与の仕方と支援範囲、料金が発生する考え方が大きく異なります。採用担当者や経営者が自社に合う支援を選ぶには、「何を外部化したいのか」という観点で両者を整理して理解することが重要でしょう。

採用代行(RPO)は、企業の採用活動における実務(オペレーション)を外部パートナーが担い、採用プロセスの運用を安定させるサービスです。採用戦略の策定や求人媒体運用、スカウト配信、応募者対応、日程調整、進捗管理、レポーティング、改善提案、ATS(採用管理システム)の運用支援など、委託範囲に応じて採用業務の一部から広範囲まで代行が可能。

ただし、採用要件の最終決定や合否判断などの意思決定は原則として企業側が担います

そのため、採用リソースが不足している企業や、運用の属人化を解消してプロセス全体を改善したい企業に適した手法といえるでしょう。料金は成功報酬、月額固定、従量課金が一般的で、代行企業によって、業務範囲だけでなく料金形態も違いがあるため、契約時には注意が必要です。

一方、人材紹介は、企業要件に合う候補者を探索・選定して推薦し、選考から内定・入社に至るまでの候補者フォローや条件交渉の仲介を行う「候補者供給と成約支援」が中心のサービス。

料金は成果報酬型が主流で、一般的には理論年収に一定の料率を掛けて手数料を算定(例:1人採用あたり、理論年収の30%)し、請求タイミングは契約により内定承諾時または入社時などに設定されます。

人材紹介は採用業務全体の運用代行ではなく、候補者を紹介し採用成立を後押しする役割が中心です

自社だけでは出会いにくい層へアクセスしたい場合や、専門職・ハイクラスなどで候補者母集団を素早く確保したい場合に有効になりやすい一方、紹介の質・量は紹介会社の得意領域やデータベース、担当者の力量に左右される手法といえるでしょう。

採用代行(RPO)と人材紹介の支援範囲(サービス)の違い

採用代行(RPO)と人材紹介はいずれも採用を支援するサービスですが、「どの工程を、誰の立場で支えるのか」という支援範囲に明確な違いがあります。両者を正しく使い分けるには、自社のボトルネックが「オペレーション」なのか、「母集団形成」なのかを切り分けて考えることが重要といえるでしょう。

それでは、採用代行(RPO)と人材紹介の支援範囲の違いを説明していきます。

採用代行(RPO)人材紹介
業務範囲・母集団形成
・応募者対応
・日程調整
・選考進捗管理
・レポート作成
・改善提案など
(委託範囲により一部〜広範囲)
・候補者の探索/選定/推薦
・候補者フォロー
・面接調整の補助
・志望度醸成
・条件交渉の仲介
・内定後フォロー
(契約・会社により範囲は変動)
特徴採用業務の“運用を回す機能”を外部で補完し、選考プロセスの安定化・標準化・改善につなげやすい企業単独では出会いにくい候補者にアクセスしやすく、採用成立までの候補者側調整を含めて支援

採用代行(RPO)が担う業務範囲

採用代行(RPO)は、採用活動の各工程における実務(オペレーション)を幅広く代行し、採用運用を安定して回す役割を担うサービスです。委託範囲は会社・契約により異なりますが、代表的には「母集団形成」「選考オペレーション」「進捗管理」「改善・運用設計」「ツール運用」の5領域に整理できます。

まず母集団形成では、求人媒体の運用、スカウト配信、応募導線の整備、採用SNSの運用支援、紹介会社(エージェント)対応の窓口などを担うケースがあります。

次に選考オペレーションとして、応募者対応、面接日程調整、面接設定、合否連絡、面接官アサイン調整など、選考を滞りなく進めるための実務を代行するのが一般的です。

さらに、採用KPIの可視化や歩留まり管理、週次レポート作成、ボトルネック特定といった進捗管理を通じて、採用活動を“見える化”し改善につなげる支援も行われます。

加えて、選考フローの最適化、スカウト文面や求人票の改善提案など、運用設計・改善の領域まで踏み込むRPOもあり、ATS(採用管理システム)への入力、ステータス管理、データ整備などツール運用支援まで対応範囲に含まれることも少なくありません。

ただし、採用要件の最終決定や合否判断、条件提示などの意思決定は原則として企業側が担います

RPOは採用を「代わりに決める」サービスではなく、採用が回る体制を整え、実務を推進するパートナーである点を押さえておくと誤解が生まれにくいでしょう。

人材紹介が担う業務範囲

人材紹介は、企業要件に合致する候補者を探索・選定して推薦し、選考から内定・入社に至るまでの候補者側の調整を通じて、採用成立を後押しするサービスです。採用業務の運用代行というより、「候補者供給」と「成約支援(候補者フォロー・条件交渉)」に強みがあります。

まず「探索・推薦」の段階では、紹介会社のデータベースやネットワークを活用して候補者をスクリーニングし、企業へ推薦します。推薦文の作成有無や情報の粒度、推薦の厳密さは紹介会社や担当者によって差が出やすく、ここは品質を左右する重要なポイント。

次に「選考支援」では、面接日程調整の補助、候補者フォロー、志望度醸成、辞退防止のコミュニケーション、条件交渉の仲介などを行うのが一般的で、さらに、内定後のフォローや入社意思確認、入社前の不安解消といった「内定後支援」まで対応する場合もあります。

一方で、人材紹介は採用プロセス全体の運用を代行するサービスではなく、候補者の推薦と採用成立の支援が中心です

また、候補者の質や量は紹介会社の得意領域、保有データベース、担当者の力量に左右されるため、依頼時には職種・業界実績の一致や推薦基準のすり合わせを行うことが重要になります。

採用代行(RPO)と人材紹介の費用・料金形態の違い

サービスを検討する際、「結局いくらかかるのか分かりにくい」と感じる方は少なくありません。

採用代行(RPO)と人材紹介は、同じ“採用支援”でも、費用が発生するタイミングと料金の決まり方が根本的に異なります。そのため、金額そのものだけで比較するのではなく、現場での使い方や採用計画の前提を踏まえて把握することが重要です。

それでは、採用代行(RPO)と人材紹介の費用・料金形態の違いを見ていきましょう。

採用代行(RPO)人材紹介
料金形態月額固定/成功報酬/従量課金成功報酬型
費用目安・月額固定:20~100万円/月
・成功報酬:30%~40%
・従量課金:数千~数万円/件
理論年収の30%~40%
発生
タイミング
・契約した期間で発生
・採用成立時に発生
・契約した業務範囲/稼働量で発生
採用成立時に発生

採用代行(RPO)の代表的な料金モデル

採用代行(RPO)の料金は、委託する業務範囲と量に応じて設計されるのが基本で、代表的には「月額固定」「成功報酬」「従量課金」の3つのモデルに整理できます。契約前に「どの業務をRPOが担い、企業側が何を決めるのか」を明確にしておくことで、費用対効果のブレを抑えやすくなるでしょう。

月額固定型は、一定の業務範囲(例:応募者対応・日程調整・進捗管理など)を前提に、毎月定額で支払う方式です。採用業務が継続的に発生し、運用の安定化や品質標準化を優先したい企業に向いており、予算を立てやすい点がメリット。一方で、採用の波が小さい月でも費用が一定になりやすいため、委託範囲とKPIをセットで設計しておくと納得感が出やすくなります。

成功報酬型は、採用の成立など特定の成果に応じて費用が発生する方式です。ただしRPOでは、人材紹介のような「完全成功報酬のみ」よりも、月額固定に成果報酬を組み合わせた“ハイブリッド型”(例:月額+採用決定時の追加フィー)として採用されることが多く、固定費が抑えられる点が特徴。

従量課金型は、スカウト通数、応募者対応件数、面接設定数など、実際の業務量に応じて費用が変動する方式です。繁忙期と閑散期の差が大きい企業や、まずは一部業務から小さく試したい企業に適しており、業務量に合わせた支払いになりやすい利点があります。

人材紹介の代表的な料金モデル

人材紹介は、採用が成立した時点で手数料が発生する成功報酬型が主流です。

初期費用が原則かからない契約が多いため、「まずは1名だけ採用したい」「急な欠員で短期的に補充したい」といった局面では導入しやすいと感じる企業も多いでしょう。

手数料は、候補者の理論年収に一定の料率を掛けて算定される仕組みが一般的。

年収帯が高いポジションほど手数料も上がりやすく、採用人数が増えるほど総額が膨らみやすい点は、予算設計の際に押さえておくべきポイントです。また、費用が発生するタイミングは「内定承諾時」か「入社時」など、契約条件によって異なる場合があるため、見積もり時に請求条件と返金規定の有無も確認しておくとリスクを抑えられるでしょう。

「採用できなければ費用が発生しない」という特徴は、初期コストを抑えたい企業にとっては安心材料になり得ますが、成功報酬の単価は高くなりやすいため、採用単価の上限やポジション優先度を決めたうえで活用するとブレが少なくなります。

なお、「人材紹介は短距離走、RPOは中長距離走」という比喩はイメージとしては有効ですが、実際には併用で効果が出るケースも多いため、採用の課題が「候補者不足」か「運用の詰まり」かを起点に選ぶと、より正確な判断につながるでしょう。

採用代行(RPO)と人材紹介のメリットの違い

採用代行と人材紹介は、どちらも採用成果を高める手段ですが、得られるメリットは異なります。

採用代行は採用活動の実務を代行し、選考が滞りなく進む状態をつくることで、工数削減と運用品質の安定化に効果を発揮しやすいサービスです。一方、人材紹介は紹介会社のネットワークやデータベースを通じて候補者を推薦し、候補者フォローや条件交渉の仲介も含めて採用成立を後押しするため、候補者との出会いを増やしやすい点が強みになります。

そのため、どちらが優れているかで判断するのではなく、「採用が進まない原因が運用面の詰まりなのか、候補者不足なのか」を切り分け、自社の課題に合う手段を選ぶことが重要です。

それでは、採用代行と人材紹介のメリットについて、見ていきましょう。

採用代行(RPO)人材紹介
メリット・採用実務の工数削減
・運用品質の安定化
(対応漏れ・返信遅延の防止)
・進捗の可視化と改善
(KPI管理・ボトルネック特定)
・候補者獲得力の強化
(探索・推薦の省力化)
・専門職/ハイクラスなどでの母集団形成
・候補者フォローや条件交渉の仲介による採用成立の後押し

採用代行(RPO)のメリット

採用代行(RPO)の最大のメリットは、採用担当者の業務負荷を下げながら、採用活動を「継続的に回る状態」に整えられることです。応募者対応や面接日程調整、進捗管理に追われ、「本来取り組むべき改善に手が回らない」という状況は現場で起こりがちですが、RPOにオペレーションを委託することで対応漏れや返信遅延を防ぎやすくなり、候補者体験の質も安定しやすくなります。

加えて、歩留まりやチャネル別効果などの採用KPIを可視化できるため、「なぜ採用できないのか」を感覚ではなく数字で捉えられるようになります。その結果、媒体選定の見直しやスカウト文面の改善など、採用チャネル運用の精度を高める打ち手につなげやすくなるでしょう。

さらに、採用代行(RPO)によって生まれた時間を、採用要件の再設計や面接官育成、制度設計といった上流の取り組みに充てられる点も重要で、“工数削減”だけでなく“改善が回る仕組み”を作りやすいことが採用代行(RPO)の価値になります。

人材紹介のメリット

人材紹介の最大のメリットは、自社だけでは出会いにくい候補者にアクセスしやすくなることです。紹介会社のデータベースやネットワークを通じて要件に近い人材が推薦されるため、候補者探索や初期スクリーニングの工数を大きく削減しやすく、特にエンジニアや管理職などの専門職・ハイクラス採用で有効に機能するケースが多いでしょう。

また、成功報酬型が一般的なため、採用が成立しなければ費用が発生しにくく、初期費用を抑えて始めやすい点も魅力。さらに、候補者フォローや条件交渉を紹介会社が仲介することで、内定承諾までの意思決定が進みやすくなる場合もあります。

もっとも、候補者が推薦されれば自然に決まるわけではなく、要件定義が曖昧だったり面接対応が遅かったりすると推薦が活きないこともあるため、紹介の効果は「社内の受け皿(要件とスピード)」で大きく変わる点は押さえておくべきでしょう。

採用代行(RPO)と人材紹介のデメリットの違い

どの採用支援サービスにもメリットがある一方で、導入前に把握しておくべき注意点もあります。

デメリットを理解しないまま契約すると、期待値のズレから「思ったほど成果が出ない」「運用が回らない」といったトラブルにつながりやすくなるため、対策込みで導入することが重要。あらかじめリスクを織り込んでおけば、サービスの強みを活かしながら安心して活用しやすくなります。

それでは、採用代行と人材紹介のデメリットを見ていきましょう。

採用代行(RPO)人材紹介
デメリット・認識ズレが起こりやすい
(要件・役割分担が曖昧な場合)
・ノウハウが社内に残りにくい
(外部化しすぎた場合)
・採用単価が上がりやすい(成功報酬)
・候補者の質・量が紹介会社に依存しやすい
・複数社管理が煩雑になりやすい

採用代行(RPO)のデメリット

採用代行(RPO)の代表的なデメリットは、依頼範囲や採用要件、社内の意思決定プロセスが曖昧なまま進むと、ベンダーとの認識ズレが起きやすく成果につながりにくい点です。「思っていた支援と違う」「期待していた成果が出ない」と感じる背景には、要件定義や評価基準、優先順位の共有不足があるケースが少なくありません。

また、運用を外部に寄せすぎると、採用ノウハウが社内に蓄積されにくいという課題も生じます。これは、定例ミーティングでの振り返りやレポート共有、運用フローのドキュメント化、改善提案の意思決定プロセスを社内に残すといった工夫で補完可能ですが、意図せず“丸投げ状態”になると再現性が下がりやすい点には注意が必要。

さらに、導入初期は業務棚卸しやKPI設計、運用ルール整備といった立ち上げ工数が一定かかるため、短期的には負担を感じる場合があり、加えて、RPOは提供会社や担当体制によって品質差が出やすいので、過去実績、体制、改善提案の有無、レポーティング粒度などを事前に確認することが重要です。

なお、RPOに任せれば自動的に採用が増えるわけではなく、母集団形成や内定承諾には求人条件や意思決定スピードなど社内要因も大きく影響する点は、期待値調整として必ず押さえておくべきでしょう。

人材紹介のデメリット

人材紹介の分かりやすいデメリットは、成功報酬であるがゆえに採用決定時の手数料負担が大きくなりやすい点です。年収帯が高い職種や採用人数が増えるほど総額が膨らみやすく、予算上限や採用優先度を決めないまま進めると、想定外のコストになりやすいリスクがあります。

また、候補者の質や量が紹介会社の得意領域、保有データベース、担当者の力量に左右されやすい点も現場ではよくある悩みです。このため、依頼時には得意職種・業界実績の一致、推薦基準のすり合わせ、推薦の質に関するフィードバック運用を整えることが欠かせません。

さらに、複数の紹介会社を併用すると、推薦管理や連絡対応が煩雑になりやすく、社内工数が増える場合があります。窓口の一本化、推薦ルールの整備、返信期限の設定など、一定の運用設計を入れることでコントロールしやすくなるでしょう。

採用代行(RPO)と人材紹介の採用スピードの違い

採用代行と人材紹介では、採用が決まるまでのスピード感に違いが出やすい傾向があります。ただし、採用スピードは職種難易度や採用市場、選考回数、社内の意思決定速度によって大きく変動するため、ここで示す期間はあくまで目安として捉えることが重要です。

それでは、採用代行と人材紹介の採用スピードの違いについて、詳しく見ていきましょう。

採用代行(RPO)人材紹介
スピード感2〜4カ月程度(目安)/立ち上げ後、運用が安定すると加速しやすい1〜2カ月程度(目安)/推薦が早ければ立ち上がりは早いが、社内対応が遅いと失速しやすい

※職種・難易度・選考回数・社内対応により変動します

採用代行(RPO)経由での採用までにかかる時間

採用代行の時間軸は、「導入準備 → 運用安定 → 改善加速」ので捉えると理解しやすくなります。

まず導入準備では、採用要件の整理、業務棚卸し、運用ルール設計、KPIの定義、ツール(ATS等)の運用方針のすり合わせなどを行うため、一般的に数週間〜1か月前後を見込むケースが多いでしょう。この段階は「やること」と「判断軸」を固める工程なので、短期的には時間がかかる印象になりやすい一方で、ここが曖昧だと後工程で認識ズレが生じ、かえって遅延の原因になります。

運用が安定すると、応募者対応や日程調整、進捗管理の処理速度が上がり、選考の滞留が減ることでリードタイムが短縮されやすいです。特に複数職種や大量採用では、個別最適ではなく運用の全体最適が効きやすく、採用スピードが大きく改善するケースもあります。さらに改善加速のフェーズでは、歩留まりやチャネル別効果などのKPIをもとに、スカウト文面・求人票・選考フロー・面接設計を調整し、速度と質の両面で継続的に改善していくことが可能。

一方で、要件が固まらない、面接官の稼働が確保できない、合否判断が遅いといった社内側のボトルネックが残ると、RPOを入れてもスピードは出ません。RPOは「運用を速く回す仕組み」を作れますが、意思決定まで代行できるわけではないため、企業側の協力が前提になります。

スピード向上のために企業側ができることは、採用要件・評価基準を明確にし、面接枠を先に確保し、合否判断の期限を決めて運用することが基本となるでしょう。

スピードを上げる運用時のポイント

  • 採用要件・評価基準を明確にする
  • 面接官のスケジュールを先に確保する
  • 合否判断の期限(例:面接後◯日以内)を決める

人材紹介経由での採用までにかかる時間

人材紹介の時間軸は、「推薦まで → 面接設定 → 内定 → 承諾」という流れで進みます。

紹介会社が保有するデータベースやネットワークから即時に推薦が出ると、母集団形成の工程を短縮しやすく、導入から1〜2か月程度で採用決定に至るケースもあります。急な欠員補充など、早期に数名を採用したい場面では強みを発揮しやすいでしょう。

ただし、要件が厳しすぎる、面接枠が取れない、日程調整や合否連絡が遅いといった状態だと、候補者が離脱しやすくなり、推薦が止まることも。特に複数社を併用している場合は、返信の遅さがそのまま機会損失につながりやすいため、運用設計が重要です。人材紹介は初動を早めやすい一方で、社内対応のスピードが採用スピードを決定づけやすい点を前提に進めると、期待値がブレにくくなります。

スピードを上げる運用ポイントとしては、Must/Wantを明確にして推薦の精度と量を確保し、面接枠を事前に押さえ、合否判断を迅速に行うことが基本です。

スピードを上げる運用時のポイント

  • Must/Wantを明確にする
  • 面接枠を事前に確保する
  • 合否判断を迅速に行う(例:面接後◯日以内)

採用代行(RPO)と人材紹介の導入が向いている企業像の違い

採用代行と人材紹介は、同じ採用支援でも“効きやすい企業状況”が異なるため、向いている企業像は比較的はっきり分かれます。判断を誤りにくくするコツは、自社の採用課題を「運用(オペレーション)の詰まり」なのか「候補者不足(母集団形成)の問題」なのかに分解して捉えることです。

運用が回っていないのに候補者だけ増やしても処理が追いつかず、候補者不足のまま運用だけ整えても採用数は伸びにくいため、まずはボトルネックの特定が重要になります。

それでは、それぞれおすすめの企業像について、詳しく見ていきましょう。

採用代行(RPO)人材紹介
おすすめの
企業
リソース不足で採用業務が回っていない企業(応募者対応・日程調整・進捗管理が逼迫している等)ピンポイント採用をしたい企業(専門職・ハイクラスなどで母集団形成が難しい等)
併用が向く
企業
運用の詰まりと候補者不足など、複数の課題を同時に抱えている企業(役割分担が前提)

採用代行(RPO)が向いている企業像

採用代行(RPO)は、採用業務量が増えているにもかかわらず社内リソースが足りず、採用オペレーションが回り切っていない企業に向いています。

例えば、複数職種・複数拠点で同時に採用を進めており、応募者対応や日程調整が逼迫して返信遅延や対応漏れが起き、候補者体験が悪化しているケースが典型です。こうした状態では、せっかく候補者が集まっても選考が滞留し、辞退増加や採用長期化につながりやすくなります。

また、スカウトや求人媒体の運用が担当者の経験頼りで属人化し、KPIが見えない、改善の打ち手が回らないといった企業にもRPOは適しています。採用担当が少人数で、事業成長に採用が追いつかない企業では、実行部分を外部で補完することでプロセスを標準化し、「誰がやっても一定品質で運用できる状態」を作りやすくなるでしょう。中長期で採用を継続する前提があるほど、運用の再現性と改善が積み上がり、RPOの効果を実感しやすくなります。

人材紹介が向いている企業像

人材紹介は、人物像が明確で、特定ポジションをピンポイントに採用したい企業に向いています。

急な欠員で「早く1名採りたい」といった状況や、エンジニア、経理マネージャーなど専門職で自社チャネルだけでは母集団が集まりにくい場合は、紹介会社のネットワークやデータベースを活用することで出会いの確度を上げやすくなります。加えて、経営幹部や後任ポジションなど、非公開で採用を進めたいケースでも活用されやすいでしょう。

候補者探索や初期スクリーニングを外部に寄せられるため、社内工数を抑えつつ採用成立を狙える点は魅力です。一方で、要件が曖昧なままだと推薦精度が下がり、ミスマッチや推薦停止につながることがあります。人材紹介の成果は「要件の言語化」と「社内のスピード対応」に大きく左右されるため、「何を求めているか」をMust/Wantで整理し、準備しておくことが前提になります。

採用代行(RPO)・人材紹介の併用が向くパターン

採用課題が一つではない企業では、RPOと人材紹介の併用が有効に機能することがあります。

代表例は、大量採用や複数職種の運用はRPOで回しつつ、難易度の高いポジションだけ人材紹介で補完するパターンです。RPOで媒体・スカウト運用や選考オペレーションを整えながら、紹介で候補者プールを拡張する形にすると、採用チャネルの役割分担が明確になりやすいでしょう。

また、RPOがエージェント対応の窓口を担い、複数の紹介会社を統制することで、推薦管理や連絡対応の煩雑さを抑えつつ紹介効果を引き出す運用も可能です。ただし併用はコストが増えやすいため、「どの業務をRPOに寄せるか」と「紹介を使う職種・ポジションをどこに限定するか」を先に決めることが成果を出すポイントになります。

採用代行(RPO)と人材紹介を利用する際の事前準備

採用代行(RPO)や人材紹介は、導入しただけで自動的に成果が出るサービスではなく、社内の準備状況によって効果が大きく変わります。事前準備が不十分なまま依頼すると、要件や優先順位が曖昧になり、「思ったほど応募が来ない」といったミスマッチが起こりやすくなるでしょう。

そのため、導入前に自社の採用課題を採用プロセスに沿って分解し、どこがボトルネックなのかを言語化しておくことが重要です。加えて、委託したい業務範囲と社内が担う領域を整理し、成果指標や運用ルールまで含めて共有できる状態にしておくと、外注先との認識ズレを防ぎやすくなります。

「課題の特定」と「役割分担の明確化」を先に行うほど、外部支援は単なる外注ではなく成果につながるパートナーとして機能しやすくなるといえるでしょう。それでは、詳しく解説していきます。

採用課題の整理

まず取り組むべきは、採用が進まない原因を感覚ではなく言葉と事実で捉え直すことです。

「応募が少ない」「良い人が来ない」といった表現のままでは打ち手がぶれやすいため、採用プロセスに沿ってボトルネックを分解して整理しましょう。例えば、母集団が不足しているのか、書類選考で落としすぎているのか、面接後辞退が多いのかによって、取るべき施策は大きく変化。

原因を工程別に分解し、どこが詰まっているかを言語化するほど、外注サービスの選定と依頼内容が精密になります。母集団不足が主因なら人材紹介やスカウト強化が有効になりやすく、選考対応の遅れや進捗管理の停滞が主因なら採用代行(RPO)が効きやすい、といった対応づけが可能です。

一方で、要件が市場相場より高すぎる、年収や条件が競合に比べて弱い、勤務地や勤務形態が制約になっているなどの構造要因は、外注だけで解決しにくいことがあります。外部支援を入れるほど「採用できない理由」が可視化されやすくなるため、条件や要件の見直しも同時に検討できる状態にしておくと、改善が進みやすくなるでしょう。

採用KPI設計

外注活用を成功させるには、「どこまでを成果とするか」を数値で定義し、関係者の認識を揃えることが欠かせません。採用人数だけをKPIにすると、プロセス上の課題が見えにくく、改善が属人的になりがちです。応募数・推薦数・スカウト返信率・面接設定率・面接実施率・選考リードタイム・内定数・承諾率などのプロセスKPIを置くことで、改善ポイントを具体的に特定しやすくなります。

例えば、応募は多いのに面接実施率が低い場合、日程調整の速度や連絡設計、面接枠の不足といった運用課題が疑われ、RPOの支援領域としても整理しやすくなるでしょう。

KPIは管理のためではなく改善のための指標であり、定例で振り返って仮説検証を回す運用が前提になります。RPOや紹介会社と同じ指標を見ながら会話できる状態を作ることで、改善の優先順位が揃い、施策の再現性も高まりやすくなります。

依頼範囲と責任分界の明確化

採用代行(RPO)や人材紹介を導入する際は、「何を任せるのか」と同時に「誰が意思決定するのか」を明確にしておく必要があります。よくある失敗は、実務は外注しているのに合否判断や条件提示の責任者が曖昧で、判断が滞って候補者が離脱してしまうケースです。採用は競合とのスピード勝負になりやすいため、意思決定の詰まりはそのまま機会損失につながります。

こうした事態を防ぐには、工程別に業務を洗い出し、外注範囲と社内対応範囲を整理した業務分担表を作ることが有効です。意思決定者(誰が決めるか)と実務担当(誰が動かすか)の役割を明確にし、合否判断の期限や連絡ルールまで含めて運用設計しておくと、認識ズレが起きにくくなります。

採用基準・ペルソナ・求人票の整備

採用要件や評価基準が整っているほど、採用代行(RPO)の運用効率も人材紹介の推薦精度も上がり、結果として採用スピードと採用品質の両方が改善しやすくなります。

特にMust要件とWant要件を分けて定義することで、候補者の幅を確保しながら、判断のブレやミスマッチを減らしやすくなるでしょう。評価基準も面接官ごとにばらつくと選考が不安定になるため、見極め項目と合否判断の観点を揃えておくことが重要です。

また求人票は仕事内容の羅列だけでは不十分で、候補者が判断に必要とする情報が欠けると応募率や承諾率に影響します。期待される役割、評価されるポイント、キャリアの広がり、チーム体制や働き方、魅力を具体的に盛り込むことで、納得度の高い応募につながりやすくなります。訴求と要件の解像度が上がるほど、RPOの運用改善も紹介の推薦精度も上がり、採用活動全体が前に進みやすくなります

自社に適したサービスを活用し採用成果の最大化を目指そう

採用代行と人材紹介は、どちらが優れているかで選ぶものではなく、自社のボトルネックが「運用の詰まり」か「候補者不足」か、そして採用フェーズに合っているかで判断することが重要です。採用業務が回らず応募者対応や日程調整が逼迫している場合は、RPOで運用体制を補完し、選考の停滞や対応漏れを防ぐことで、採用スピードと候補者体験の改善につながりやすくなります。

一方で、専門職やハイクラスなど母集団形成が難しい領域、あるいは急な欠員で短期的に人材を確保したい局面では、人材紹介のネットワークを活用して推薦を得ることが有効になりやすいでしょう。課題が複合的な場合は、RPOで運用を整えつつ難易度の高いポジションのみ紹介で補完するなど、役割分担を明確にした併用も選択肢になります。

外部サービスの効果を最大化するには、導入前に課題を採用プロセスに沿って整理し、KPIと依頼範囲、社内の意思決定ルールを明確にしたうえで運用することが欠かせません。そうすることで外部支援は単なる外注ではなく、改善を伴走し採用成果を押し上げるパートナーとして機能しやすくなります。自社に合った使い方を見極め、無理のない体制で採用力を底上げしていきましょう。

プロフィール画像

執筆者

金田大和

株式会社b&q 執行役員

横浜国立大学卒。プロップテック企業にて、リテンションマーケティング事業や人事コンサルティング事業の立ち上げ、事業責任者として推進。その後、代表高稲とb&qを共同創業し、現在は執行役員として、多くの企業にHRを通じて本質的な価値を届けるべく、コンサルティング事業を含む複数のHR事業を管掌。これまでのキャリアを通じて合計500社以上の人事と対話し採用/組織改善を図る。

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