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スタートアップの採用はなぜ難しい?事業成長に導く採用戦略を紹介

スタートアップの採用はなぜ難しい?事業成長に導く採用戦略を紹介

スタートアップ企業における採用は、大手企業とは異なる難しさを抱えています。

  • 知名度が低く候補者から認知されにくい
  • 安定性や待遇面で不安を持たれやすい
  • 担当者が他業務と兼任のため成果が出にくい

など、頭の痛い問題が山積み。

これらを放置すると人材確保が遅れ、事業成長が停滞し、競合に遅れるリスクが高まります。

そこで本記事で、スタートアップ採用が難しい理由とよくある失敗、必要なスキルを解説。

さらに、限られた工数で成果を出す戦略を紹介し、成長を加速させるヒントも紹介します。

ぜひ、自社の成長の一助としてお役立てください。

タートアップの採用が難しい3つの理由

スタートアップの採用は、大手と比べて独自の課題が多く、人材が集まりにくい傾向。

とくに「知名度やブランド力」「待遇面や安定性」「採用リソースの不足」という3つの要素が複雑に絡み合い、採用活動を難しくしているのが現状です。

それぞれの課題を理解することで、効果的な採用戦略を立てやすくなります。

知名度とブランド力の壁

スタートアップは大手企業と比べて知名度が低く、求職者から「どんな会社なのか分からない」という印象を持たれやすい傾向があります。

優秀な人材は、知名度やブランド力を優先的に検討するため、応募が集まりにくいのが現実。

さらに、スタートアップはまだ市場での認知度が十分に確立されていないことが多く、事業内容やビジョンが伝わりにくいという課題も抱えています。

そのため、魅力的なメッセージを発信しても、候補者に届かず母集団形成が難航しがち。

こうした壁を乗り越えるには、積極的な採用広報とSNS活用による露出強化が大切です。

この取り組みにより、企業の知名度向上とブランディング強化が実現します。

不安定なイメージと待遇面での不安

スタートアップは成長段階にあるため、求職者からは「会社自体がまだ安定していない」というイメージを持たれることが少なくありません。

給与水準や福利厚生が整っていない場合、転職リスクが高いと判断されやすくなります。

とくに家族を持つ求職者にとっては、給与や福利厚生は転職先選びの大きな決め手となるため、安定性が不十分だと応募をためらうケースが増えます。

また、突然の資金繰り悪化や経営方針の転換といった変化が予想される点も、大きな不安材料。

これらを克服するためには、待遇改善だけでなく、将来性や成長戦略を具体的に示し、安心感を提供する採用メッセージを発信することが不可欠です。

人手不足によるノウハウ欠如

スタートアップでは、メンバーや経営層が他業務と兼任して採用を行うケースが目立ちます。

スカウト作成や候補者への対応が後回しになり、選考スピードが遅れる原因になります。

さらに、採用経験が浅いため、面接での評価基準が曖昧になり、判断が属人的になりがち。

そのため、採用した人材が活躍できず早期離職につながる「ミスマッチ」も多いです。

採用ノウハウが蓄積されないままで対応を繰り返すと、採用活動全体が非効率化する一方。

こうした問題を解消するには、採用代行(RPO)による業務のアウトソーシングや、専任担当者の早期配置による体制強化が有効な手段となります。

スタートアップの採用によくある「4つの落とし穴」

スタートアップは、選考へのスピード感と柔軟性が求められる一方で、採用活動において特有の失敗パターンに陥りやすい傾向があります。

そこで、多くの企業が見落としがちな4つの落とし穴、注意すべきポイントを整理します。

「優秀な人」という曖昧な採用基準

スタートアップでは「優秀な人材を採りたい」という言葉がよく使われますが、その「優秀さ」の定義が曖昧なまま進むケースが少なくありません。

人によって「優秀」の意味は異なり、担当者や面接官の感覚に大きなズレが生じます。

結果的に選考基準に一貫性がなくなり、面接で評価が分かれるだけでなく、入社後に「思っていた人物像と違う」というミスマッチを引き起こします。

このような状況は早期離職につながり、貴重な採用コストも無駄になり、誰も得しません。

採用を成功させるには、スキル・経験だけでなく価値観や志向性まで具体的に言語化し、共通認識を持って選考に臨めるくらい定義することが重要。

「スピード」を軽視した選考プロセス

スタートアップでは、意思決定のスピードが採用成功を左右する重要なポイントです。

書類選考から面接、内定までの流れが遅いと、その間に候補者が他社から内定を受けてしまい、せっかく見つけた優秀な人材を逃す原因に。

とくに大手企業は採用体制が整っており、迅速にオファーを出すことが多く、スピードでも劣ってしまうと不利な状況に陥りがちです。

各選考ステップにかかる時間を見直し、最短で候補者に返答できる体制を整えることが不可欠。

迅速な対応は候補者の信頼感にもつながり、入社意欲を高める効果も期待できます。

「高すぎる採用コスト」と無駄な出費

採用においては、費用対効果を意識しないと財務面に深刻な負担を与えます。

知名度の低さから、応募を集めようとして高額な人材紹介会社や大手求人媒体に依存してしまうというのは、よくありがちなケース。

しかし、短期的な効果があっても、長期的にはコストが膨らみ、資金繰りを圧迫します。

そこで、採用計画を立てる際は、費用をかけるべき部分と抑えるべき部分を見極め、最小限のコストで最大限の成果を出すことが重要。

自社に合った採用手法を検討し、コストを最適化する取り組みが求められます。

ミスマッチを生む「一方的なアピール」

採用活動では、企業側が自社の魅力を一方的に発信しすぎることがあります。

華やかな面ばかりを強調すると、入社後に候補者が実際の状況とのギャップを感じて離職につながるミスマッチのリスクが高まります。

スタートアップは事業の変化や課題が多いため、仕事のやりがいや楽しさだけでなく、厳しい現実もきちんと伝えることが大切です。

面接や面談は企業が候補者を見極める場であると同時に、候補者にリアルな情報を提供する場。

本音でコミュニケーションを取り、期待値を擦り合わせることが、ミスマッチを防ぐ最良の策。

スタートアップの採用担当者に必要な6つのスキル

スタートアップでは、採用担当の役割は非常に幅広く、単なる採用活動にとどまりません。

限られたリソースで優秀な人材を確保するには、多岐にわたるスキルの習得が必須。

次のスキルを意識的に磨くことで、採用の質とスピードを同時に高めることが可能です。

ビジョン・ミッションの伝達力

スタートアップの採用担当者には、候補者に対し単なる事業説明ではなく、自社のビジョンやミッションを熱意を持って伝える力が求められます。

候補者は安定した大手企業ではなく、あえてスタートアップを選ぶ理由を探しています。

そのため「なぜ事業を立ち上げたか」「なにを実現したいか」を自身の言葉で語ることが重要。

抽象的な表現ではなく、具体的なエピソードを交えながら話すことで共感を得やすくなります。

ビジョンへの共感が候補者の意思決定を後押しし、入社後の定着率にもつながります。

コミュニケーション能力

採用担当者には候補者との信頼関係を構築し、価値観やキャリア観などの本音を引き出す高いコミュニケーション能力が求められます。

単に経歴やスキルを確認するだけではなく、候補者が「何を大切にして働きたいか」「どのような未来を描いているか」を理解することが重要。

丁寧に話を聞き出し、適切な質問を投げかけることで、安心して話せる場をつくれます。

こうした対話を通じ、カルチャーに合う人材を見極められるため、採用の質が大きく向上。

情報収集・分析力

採用市場や自社の採用活動に関する情報を幅広く収集し、分析する力が欠かせません。

競合の採用動向や求人ニーズを把握することで、自社の戦略をタイムリーに調整可能。

また、自社の採用データを分析し、応募経路や選考通過率、辞退率などの数値化が重要。

数値化した採用データに基づく改善を繰り返すことで、採用活動全体の精度が高まり、より効率的な母集団形成や選考プロセスの構築につながります。

こうした情報収集と自社の採用分析を継続して行うことで、変化の激しいスタートアップ環境でも柔軟に対応できる体制を整えられます。

採用戦略の策定力

スタートアップの採用担当者には、自社が抱える課題を正確に把握し、それを解決するための採用戦略を練る力が必要不可欠です。

まずは採用目標を明確にし、どのポジションをどの時期までに充足させるのかを具体的に設定。

そのうえ、チャネルの選定や母集団形成、選考プロセスなどを段階的に組み立てることが重要。

戦略を曖昧に進めると、候補者へのアプローチが散漫になり、採用活動が非効率になりがち。

限られたリソースを最大限活かすためには、短期と長期の視点を組み合わせた計画を策定し、定期的に見直していく柔軟性も求められます。

ファシリテーションスキル

スタートアップでは、採用活動に経営層や現場メンバーを巻き込み、担当者のみでなく組織全体で採用を推進することが成功のカギとなります。

そのため、採用担当者は採用目標や人物像に対して関係者間で認識のズレが生じないよう調整役として役割を担わなければなりません。

面接時にはスムーズな進行、候補者が自社の魅力を理解できるような場をつくる力も必要。

このスキルが不足していると、選考プロセスが混乱し、優秀な人材を逃してしまう原因に。

面接において円滑なコミュニケーションを実現するため、議事進行の方法や意思決定の流れをあらかじめ明確にしておくことが重要です。

調整力

スタートアップでは、選考スピードが採用成否を左右します。

採用活動での調整力は、候補者と面接官、経営層など複数の関係者のスケジュールを迅速かつ柔軟に調整するために不可欠なスキルです。

とくに候補者を待たせることは信頼低下や他社への流出につながりやすく、結果的に採用機会を失うリスクが高まります。

面接日程の調整や進捗確認を滞りなく進めるためには、適切なツールの活用と、連絡手段・優先順位を明確にした対応を行うことがポイント。

円滑な調整ができれば、選考プロセスがスムーズになり、候補者の満足度向上にも寄与。

スタートアップにおすすめの採用手法

限られたリソースの中で成果を出すには、適切な採用手法の選択が欠かせません。

採用手法ごとの特徴を理解し、自社のフェーズや課題に合った方法を見極めることで、効率的に優秀な人材を確保できます。

ここからは代表的な5つの手法について詳しく紹介。

採用広報・SNS採用

採用広報やSNS採用は、スタートアップが自社の魅力を広く伝えるために非常に効果的な手法。

まだまだ知名度が低い段階でも、ブログやnote、YouTubeなどをうまく活用することで、会社の雰囲気やカルチャーを自然に発信できます。

Twitter、Facebook、LinkedInではリアルタイムで情報が共有でき、関心を高められます。

スタートアップでとくに有効なのは、広告費をかけずに運用を開始できる点です。

運用次第では大きな成果を上げられ、費用を抑えた採用活動を展開したい企業に最適

さらに、投稿次第で会社のビジョンや働き方を直接伝えられるため、候補者とのカルチャーフィットを重視した採用にも適しています。

求職者は会社の雰囲気を事前に理解でき、入社後のギャップを減らす効果も期待可能。

代表的な媒体としては、以下の通りです。

採用広報 / SNS採用 の媒体例

  • 採用サイト
  • note
  • はてなブログ
  • X(旧 Twitter)
  • LinkedIn
  • Facebook
  • Instagram

これらを組み合わせて活用することで、企業の個性を多面的に伝えられます。

導入や運用にかかる費用は基本的に無料ですが、動画制作や記事執筆を外部委託する場合は数万円から十数万円程度のコストが発生します。

この手法のメリットは、コストを抑えながらエンゲージメントの高い候補者に出会えること、そして企業ブランディングに直結する点。

一方で、成果が出るまでに時間がかかる、コンテンツ制作に手間がかかる、炎上リスクがあるといった注意点も存在します。

とくに、中長期での採用を目指す企業、自社のビジョンや文化を強く打ち出したい企業、専門性の高い人材を採用したい企業に適した採用手法といえます。

SNS採用については、こちらの記事で詳しく解説しています。
SNS採用とは?明日から実践できる採用戦略や成功のコツを徹底解説

リファラル採用

リファラル採用は、社員が自分の知人や友人を紹介することで採用を進める手法であり、スタートアップにとって非常に有効な採用方法です。

従来の採用と異なり、媒体掲載費や高額な手数料が不要なため、採用コストを大幅に削減

とくに、予算が限られている企業にとっては魅力的な選択肢となるでしょう。

この手法がスタートアップに適している理由の一つは、カルチャーフィットを重視できる点。

既存社員が会社の文化や働き方を理解したうえで候補者を紹介するため、入社後のギャップが少なく、早期離職のリスクが下がります。

紹介者の存在が安心感を生み、働きやすい環境が整いやすく、定着率の向上に寄与。

代表的なツールとしては、以下の通りです。

リファラル採用 のツール例

  • MyRefer
  • Refcome
  • Talentio

リファラル採用ツールについて、こちらの記事で詳しく解説。
リファラル採用ツールのおすすめ比較5選!種類・機能・導入ステップを徹底解説

これらの活用で、紹介フローをシステム化でき、紹介状況や進捗管理もスムーズに。

ただ、システム費や運用費が発生する場合もあり、事前の確認が重要。

ツール以外で発生する費用は、社員へのインセンティブが主なコストとなります。

リファラル採用で発生する報酬目安

  • 候補者を紹介した時点:
    0円 ~ 数千円
  • 面接が確定した時点:
    3,000円 ~ 1万円
  • 面接を通過した時点:
    5,000円 ~ 3万円
  • 採用が決まった場合:
    5万円 ~ 30万円

上記を参考に、従業員が「進んで紹介したい」と思える最適な報酬体系を設定しましょう。

費用目安からもわかる通り、媒体掲載費や人材紹介料と比べると格段に安価

この費用対効果の高さがリファラル採用最大のメリットと言えるでしょう。

一方で、採用人数が社員のネットワークに依存するため、求人数が多い場合や短期間で大量採用を行う場合には不向きな点もあります。

また、特定の社員ばかりが紹介を続けることで不公平感が生まれ、社内の雰囲気に悪影響を及ぼす可能性があることも否定できません。

この手法が向いている企業は、社員のエンゲージメントが高く、会社への満足度が高い組織。

カルチャーフィットを最重視し、長期的に活躍できる人材を求める企業にとって、リファラル採用は非常に有効な手段となるでしょう。

ダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティングは、候補者に直接アプローチして進める「攻めの採用」手法。

求人媒体や人材紹介サービスとは異なり、応募を待つのではなく、企業側から積極的にスカウトを送ることで、自社に合った人材を獲得できます。

とくに、知名度が低いスタートアップにとっては有効な手段です。

スタートアップが抱える最大の課題である「知名度不足」を克服できる点は、大きなメリット。

一般的な求人広告では候補者に認知されにくく応募が集まらない企業でも、直接声をかけることで興味を持ってもらえる可能性が高まります。

さらに、自社が求めるスキルや経験を持つ特定の候補者をターゲットにした「ピンポイント採用」が可能で、効率的に採用活動を進められます。

また、転職活動を積極的に行っていない潜在層にもアプローチできる点が魅力。

まだ転職を考えていない段階で接点を持ち、将来的な採用につなげる関係構築ができます。

代表的なサービスとしては、以下の通りです。

ダイレクトリクルーティング の代表例

  • ビズリーチ
  • Wantedly
  • LinkedIn

ダイレクトリクルーティングのサービスについて、こちらの記事で紹介。
ダイレクトリクルーティングのおすすめサービス一覧26選!費用やメリットを解説

費用面では、月額利用料やスカウト送信費用、成功報酬など、サービスによってさまざま。

人材紹介サービスと比べると総額を抑えられる可能性が高く、とくに定額型であれば複数名を採用する場合にはコスト削減効果が期待できます。

ただし、スカウト文の作成や候補者対応には工数がかかり、社内のリソースが必要。

この手法は、即戦力となるスキルを持った人材を採用したいスタートアップや、採用専任担当者がいて十分な時間を割ける企業に向いています。

とくに成長期においては、スピード感を持って優秀な人材を確保するための有力な手段

人材紹介サービス

人材紹介サービスとは、人材紹介会社が企業に代わって候補者を探しから、選考までのサポートを受けながら採用活動を行う手法のことです。

スタートアップが抱える「採用リソース不足」を解消できるため、非常に頼りになる存在。

採用に関わる候補者とのやり取りや面接日程調整などの業務を代行してもらえるため、採用担当者はコア業務に集中しやすくなります。

スタートアップにとって最大の魅力は、即戦力となる優秀な人材と出会える確率が高い点。

とくに、専門性が高いポジションやマネジメント層、ニッチなスキルを持つ人材は、自社だけの採用活動ではなかなか見つけられません。

人材紹介会社は幅広い候補者データベースを持ち、転職市場に精通しているため、企業が求める人材を効率的に見つけることができます。

また、エージェントから市場動向や競合情報を得られる点も強み。

スタートアップは採用ノウハウが不足しがちですが、エージェントが最新の採用トレンドや候補者の動きを共有してくれることで、採用戦略をブラッシュアップ可能。

代表的なサービスは、以下の通りです。

人材紹介サービス の代表例

  • ひとキャリ
  • リクルートエージェント
  • doda

それぞれに強みがあり、ポジションや業種によって最適なエージェントを選ぶことが重要です。

費用は、採用成功時に候補者の想定年収の30〜35%前後が成果報酬で発生するのが一般的。

例えば、年収500万円の人材を採用した場合、150万円〜175万円程度の費用がかかります。

この金額はスタートアップにとって大きな負担となり得ますが、短期間で優秀な人材を採用できるなら、投資として十分に価値があります。

この手法は、短期間で即戦力を採用したい企業や、社内リソースが不足しているスタートアップ、専門性が高い人材を探している場合に特に有効。

事業成長を加速させるための最後の切り札として活用できます。

採用代行(RPO)

採用代行(RPO)は、企業の採用活動の一部、またはすべてを外部に委託できるサービス。

スタートアップ企業には、知見を有した採用専任の担当者がいないことも多く、他業務との兼任で対応しているケースも珍しくありません。

そのため、採用活動が後手に回り、優秀な人材を逃してしまうリスクが高まります。

RPOを活用することで、リソース不足を補い、採用活動を効率的かつ効果的に進行可能。

とくにスタートアップにとってRPOが有効なのは、プロのノウハウを活用できる点です。

採用戦略の立案からスカウト代行、面接日程調整、応募者対応、内定者フォローまで、一連のフローを専門家が担当してくれるため、採用精度が飛躍的に向上。

さらに、採用プロセスをゼロから構築する必要がなく、短期で採用を開始できる点も魅力。

代表的なRPOサービスとしては、以下の通りです。

RPO(採用代行)の代表例

  • AchieveHR
  • パーソルキャリアのRPOサービス
  • マイナビ転職の採用アウトソーシングサービス

RPOのサービス比較について、こちらの記事で詳しく解説。
RPO(採用代行)比較20選!おすすめサービスの費用や特徴を解説します

採用の全工程をフルサポートするプランから、一部業務のみを委託するプランまで幅広く対応しており、自社の課題や予算に応じて柔軟に選択可能。

費用は、委託する業務範囲や期間によって変動します。

一般的には月額制、成果報酬型、または両者を組み合わせたハイブリッド型があるので、自社の用途に合うものを選びましょう。

採用のプロフェッショナルの力を借りて採用活動を加速させ、事業成長に直結する人材を獲得するための有効な手段となるでしょう。

明日から実践できる採用戦略の成功ポイント

スタートアップが採用で成功するためには、戦略的な取り組みが不可欠。

場当たり的な採用活動では、優秀な人材を確保できず、結果として事業成長の停滞に。

ここでは、明日からすぐに実践できる具体的な成功ポイントを整理しました。

以下を確認し、現状の採用活動に不足している要素を見極めながら計画を立てていくことで、効率的かつ効果的な採用を実現できます。

採用ペルソナの明確化

採用活動を成功させるためには、まず「誰を採用したいのか」を具体的に定義することが重要。

スキルや経験だけでなく、価値観や志向性、キャリアビジョンまで含めた採用ペルソナを設定することで、求める人物像が明確になります。

例えば「マーケティング経験3年以上」だけでなく「データ分析を重視し、チームワークを大切にする」「スタートアップで裁量を持って働きたい」など、人物像を細かく描写することがポイント。

これにより、候補者へのメッセージや選考基準が一貫し、ミスマッチを防げます。

結果として、採用後の定着率や活躍度合いの向上にもつながります。

採用基準の明確化

採用基準を明確にしないと、面接官ごとに評価がばらつき、公平性を欠いた選考になりがち。

その結果、候補者の納得感を得られず、優秀な人材を取り逃す恐れもあります。

「スキル」「経験」「志向性」「カルチャーフィット」など、あらかじめ整理することが大切。

基準を共有しておけば、面接官の判断が統一され、候補者にとっても透明性の高い選考を実現。

さらに、評価の一貫性が保たれることで入社後のギャップが減り、早期離職を防ぐ効果も期待。

自社魅力の言語化

自社の魅力を明確に言語化することは、スタートアップ採用において極めて重要。

求職者は求人票だけでは実際の働き方や社内の雰囲気をイメージしづらく、応募をためらい機会損失するケースも少なくありません。

仕事のやりがいや成長機会、チームの雰囲気、将来のキャリアパスなどを具体的な言葉で伝えることで、候補者が自分の未来像を描きやすくなります。

「なぜここで働くべきか」を明示することで共感を呼び、カルチャーフィットする人材を惹きつけやすくなり、入社後のミスマッチ防止にも直結。

働く魅力の社内外への発信

会社の魅力を伝えるには、社内外への積極的な発信が不可欠です。

採用ブログやSNS、社員インタビュー記事、動画コンテンツなど、多様な採用チャネルを活用して候補者にリアルな情報を届けましょう。

とくにスタートアップは知名度が低く、候補者が実際の雰囲気を掴みにくいため、日常の様子やメンバーの声を具体的に伝えることが重要。

魅力を正確に共有することで応募者の不安を和らげ、ミスマッチの防止が期待。

また、社内向けにも情報発信を行うことで社員のエンゲージメントを高め、採用活動への協力体制を強化する効果も期待できます。

全社員を巻き込む「採用推進」の体制構築

採用活動は採用担当者だけの仕事ではなく、全社員が関わるべき重要な取り組み。

とくにスタートアップでは、経営層や現場メンバーが積極的に採用に参加することで、候補者に企業のリアルな姿を伝えられます。

例えば、面接やカジュアル面談に現場メンバーが登場することで、仕事内容やチームの雰囲気を候補者が具体的にイメージしやすくなるでしょう。

また、社員全員が採用を自分事として考えることで、リファラル採用が活発化し、費用を抑えながら、より高い採用効果も期待できます。

「面接・面談スキル」の向上

採用面接は候補者を評価するだけでなく、自社の魅力を伝える貴重な機会。

質問力や傾聴力を磨けば候補者の志向性を深く理解でき、適切な判断につながります。

一方で、面接官がビジョンや事業への想いを自分自身の言葉で語れば、候補者の心を動かすことができ、入社意欲が高めます。

質問とアピールのバランスを意識し、双方が納得できる時間を提供することが大切。

最終的に候補者が「ここで働きたい」と自然に感じられる体験が、スタートアップ企業の採用成功を後押しするでしょう。

「カジュアル面談」で応募のハードルを下げる

肩の力を抜いて話せる場を提供し、応募への心理的な負担を和らげる効果があります。

選考の場とは異なり、双方向でのやり取りを重視するため、候補者は会社の雰囲気や働き方をより具体的に感じ取れるのが特徴です。

一方、企業側も候補者の志向性を深く理解でき、入社後に生じるギャップを事前に把握可能。

率直な対話を積み重ねることでミスマッチを防ぎ、早期離職のリスクを軽減できるのです。

結果として採用の精度を高め、成功率を引き上げる重要な手段となります。

「採用ロードマップ」でプロセスを体系化

採用ロードマップは、採用活動を計画的かつ体系的に進めるための重要なツール。

目標人数や求めるスキルセット、各選考ステップのスケジュールを可視化することで、全体像を関係者間で共有できます。

このロードマップを活用すれば、採用プロセスの進捗を明確に管理でき、遅延や認識のズレを防ぐのに役立つでしょう。

採用担当者だけでなく、経営層や現場メンバーも共通の認識を持てるため、採用活動の効率化と成功率向上につながります。

採用の成功が、スタートアップの未来を決める

スタートアップ企業にとっての採用は、単に人を増やすための活動ではなく、会社の未来を形づくる経営戦略そのものです。

適切な人材が集まれば事業スピードは一気に加速し、競合との差別化を実現可能。

逆に、採用が遅れたりミスマッチが続いたりすると、成長の機会を逃すだけでなく、限られた資金や時間が失われるリスクも高まります。

まずは自社に合った採用戦略を見直してみませんか。

小さな一歩を積み重ねていくことで、理想のチームが形成され、スタートアップが持つポテンシャルを最大限に引き出せます。

今こそ行動に移し、未来を切り開く採用活動を始めましょう。

WRITERライター情報

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執筆者

金田大和

株式会社b&q 執行役員

横浜国立大学卒。プロップテック企業にて、リテンションマーケティング事業や人事コンサルティング事業の立ち上げ、事業責任者として推進。その後、代表高稲とb&qを共同創業し、現在は執行役員として、多くの企業にHRを通じて本質的な価値を届けるべく、コンサルティング事業を含む複数のHR事業を管掌。これまでのキャリアを通じて合計500社以上の人事と対話し採用/組織改善を図る。