公開日:2026.08.28
情シスが採用できない原因とは?難しい理由と採用を成功させる方法・ポイントを解説
情シスの求人を出しても、求める人材からの応募がなかなか来ない……。
採用が長引き、既存の情シス担当者に業務が集中している……。
――こうした課題を解決するには、過剰な要件を見直し、採用する人材の役割を明確にすることが重要です。
本記事では、高すぎる要件や選考の遅れなど、情シスを採用できない7つの原因を解説します。
さらに、業務の棚卸しから隣接職種への対象拡大まで、採用を成功に導く5つの具体策を紹介します。
人事・採用担当者はもちろん、責任者・経営層の方も、ぜひ最後までご覧ください。
この記事の要点まとめ
情シス採用とは、社内のIT運用やシステム管理を担う人材を確保する採用活動です。
業務範囲が広く、要件設計が難しい職種でもあります。
情シス採用の要点は、以下のとおりです。
- 採用難の背景には、デジタル人材の不足や業務範囲の広さがあります。
- 採用要件は、必須・歓迎・入社後習得に分けると整理しやすくなります。
- 仕事内容や担当範囲を明確にすると、応募判断につながりやすくなります。
- SIerやヘルプデスクなど、隣接職種も採用候補になり得ます。
- 給与だけでなく、働き方・裁量・キャリアも重要な訴求材料です。
- 採用指標を段階別に見ると、課題のある工程を特定しやすくなります。
- 採用難が続くと、属人化や既存担当者への負担増につながります。
- 難航する場合は、社内育成や外部人材、RPOなども選択肢です。
情シス採用では、自社に必要なIT機能を安定して確保できる体制づくりがポイントです。
情シスの採用が難しくなっている背景
情シスの採用が難しい背景には、人材不足だけでなく、業務範囲や求められるスキルの変化などの要因があります。
ここでは、情シスを取り巻く採用環境の変化に注目し、採用難につながる背景を整理します。
DXを推進する人材の不足が続いている
情シス採用が難しい背景には、DX・デジタル人材の不足に加え、経験者に求める業務範囲の広さがあります。
IPA(※1)の「DX動向2026」では、DXに取り組んでいると回答した企業の85.5%が、
DXを推進する人材の「量」について「やや不足している」「大幅に不足している」と回答しています。
ただし、この調査は情シスだけを対象にしたものではありません。
情シスでは運用やセキュリティ、ベンダー管理など複数領域を担う求人もあります。
そのため、情シス経験者だけに対象を絞ると候補者が限られやすい点に注意が必要です。
採用要件は実際に任せる業務から設定しましょう。
IPA(※1):独立行政法人 情報処理推進機構
情シスの業務範囲が広がり求められるスキルが増えている
情シスの採用が難しくなる要因のひとつが、担当領域の拡大によって1人に求めるスキルが増えやすいことです。
企業によって範囲は異なりますが、情シスが担う業務には次のようなものがあります。
- PC・アカウント管理、ヘルプデスク
- SaaSや社内システムの導入・運用
- ネットワークやセキュリティ対策
- IT企画、DX・業務改善の推進
少人数体制では複数領域を1人に任せるケースもあり、すべてを必須要件にすると条件を満たす候補者は限られます。
採用時には、「入社時に必要なスキル」と「入社後に習得できるスキル」を分けることがポイントです。
担当業務を整理すれば、過剰な採用要件を避けやすくなります。
IT企業との人材獲得競争が激しく中小企業は採用で不利になりやすい
情シス採用では、SIerやIT企業、コンサルなども採用競合になり得るため、
中小企業が人材獲得で苦戦するケースがあります。
候補者は情シス求人だけでなく、自身のIT経験を活かせる幅広い職種を比較できます。
特に次のような条件は、転職先を選ぶ際の判断材料になりやすいでしょう。
- 給与や福利厚生
- リモートワークやフレックスなどの働き方
- 担当できる業務や裁量
- 将来のキャリアや身につく経験
一方、中小企業でも、経営層に近い立場でIT施策を提案できることや、
システム導入を上流から担えることなどは訴求材料になります。
企業規模だけで競うのではなく、採用競合と条件を比較しながら、
自社だから得られる経験や働く価値を具体化することが人材獲得につながります。
情シスを採用できない7つの理由
情シスを採用できない背景には、人材不足だけでなく、採用要件や待遇、選考方法などの要因が関係します。
ここでは、応募前から内定までの採用活動を軸に、採用につながりにくい代表的な7つの理由を整理します。
1.求めるスキルや経験が多すぎる
採用時に求めるスキルや経験を増やしすぎると、条件を満たす候補者が減り、採用難易度が高まりやすくなります。
たとえば、社内システム運用に加え、ネットワーク、クラウド、セキュリティ、
SaaS管理まで必須にすると、応募できる人材は限られるでしょう。
求人票を作成する際は、要件を次のように分けると整理しやすくなります。
- 入社時点で欠かせない「必須条件」
- あれば評価する「歓迎条件」
- 入社後に習得できるスキル
特に、入社後に身につけられるスキルまで必須条件に含めないことがポイントです。
任せる業務から逆算し、必要な要件だけに絞ることで採用対象を広げられます。
2.仕事内容や担当範囲が曖昧になっている
仕事内容や担当範囲が曖昧な求人は、
候補者が入社後の働き方をイメージしにくく、応募をためらう原因になります。
「社内IT全般」「幅広く担当」といった表現だけでは、業務量や責任範囲を判断できません。
特に経験者ほど、体制や障害対応の有無まで確認する傾向があります。
求人票では、次の情報を具体的に示すと伝わりやすくなります。
- 主に担当する業務
- 担当しない業務
- 情シスの人数や役割分担
- 夜間、休日対応の有無
- 外部ベンダーへ委託している範囲
「何を任され、どこまで責任を持つのか」を明確にすることで、
候補者の不安を減らし、応募判断もしやすくなるでしょう。
3.即戦力となる経験者だけを採用対象にしている
即戦力となる情シス経験者だけに対象を絞ると、候補者の母数が狭まり、採用難易度が高くなりやすいです。
情シス未経験でも、SIerやヘルプデスク、インフラエンジニアなどの経験者は、
業務に活かせる知識や調整力を持っている場合があります。
採用対象を広げる際は、職種名ではなく、次のような経験や能力で判断するとよいでしょう。
- システムやインフラに関する基礎知識
- 社内外との調整経験
- 問い合わせ対応やトラブル対応の経験
- 入社後に担当業務を習得できる素地
「情シス経験があるか」ではなく「任せる業務を遂行できるか」で判断することが、
採用可能な人材を広げるポイントになります。
4.給与・待遇が採用市場と合っていない
情シスを採用できない場合、給与や待遇が求めるスキル・責任に見合っていない可能性があります。
候補者が比較するのは年収だけではありません。
リモートワーク、フレックス、残業時間、夜間・休日対応の有無なども重要な判断材料です。
特に、幅広い業務や高い専門性を求める一方で待遇が競合より劣ると、応募や内定承諾につながりにくくなります。
確認する際は、次の項目を採用競合と比較すると整理しやすくなります。
- 年収や賞与
- 勤務時間や残業状況
- リモートワークやフレックスの有無
- 夜間、休日対応の頻度
- 担当範囲や責任の大きさ
給与だけでなく、仕事内容と働き方を含めた条件全体で市場とのズレを確認することが、
採用条件を見直す起点になります。
5.情シスとしてのキャリアパスが見えない
情シスとして入社した後のキャリアが見えにくいと、
候補者が将来性を判断できず、応募や入社をためらう要因になります。
候補者は現在の業務だけでなく、数年後に身につくスキルや担当できる領域、
その先の役割まで含めて転職先を比較します。
たとえば、次のようなキャリアの広がりを示せると具体的です。
- IT企画やDX推進へのステップアップ
- セキュリティ領域の専門性強化
- 情シス部門のマネジメント
- システム刷新や業務改善プロジェクトの主導
役職だけでなく、「どのような経験を積めるか」まで伝えることで、
候補者は入社後の成長イメージを持ちやすくなります。
6.企業やポジションの魅力を十分に伝えられていない
企業やポジションの魅力が十分に伝わっていないと、条件が近い他社求人の中で候補者から選ばれにくくなります。
「裁量が大きい」「成長できる」といった抽象的な表現だけでは、
実際にどのような経験を積めるのか判断しにくいでしょう。
情シスでは、たとえば次のような要素が訴求材料になります。
- 経営層へIT施策を直接提案できる
- DXや業務改善の中心メンバーとして関われる
- システム導入を企画段階から担当できる
- 部門横断でIT環境の改善を主導できる
自社だから任せられる業務や得られる経験を具体化することで、
候補者にとっての違いが明確になり、他社との差別化につながります。
7.選考から内定までに時間がかかっている
選考から内定までに時間がかかると、候補者が他社の選考を先に進め、採用機会を逃す可能性が高まります。
特にIT人材は複数社を並行して受けることもあるため、
面接調整や社内承認に時間がかかるほど不利になりやすいでしょう。
選考フローでは、次のような点を確認しておく必要があります。
- 面接回数が必要以上に多くないか
- 面接官の日程調整に時間がかかっていないか
- 合否判断や社内承認が滞っていないか
- 評価項目や判断基準が事前に共有されているか
判断基準を明確にした上で、候補者を待たせる工程を減らすことがポイントです。
選考精度を保ちながら意思決定を早める体制づくりが求められます。
情シスを採用できない原因を採用段階別にチェック
情シス採用がうまくいかない原因は、応募前から入社後まで、それぞれ異なる段階に潜んでいる可能性があります。
ここでは、求人の閲覧・応募、選考、内定・入社後に分けて、どこで課題が生じているかを整理します。
求人を見られない・応募が来ない場合
求人を見られない・応募が来ない場合は、
表示・閲覧・応募のどこで候補者が減っているかを切り分けることが必要です。
利用している媒体で確認できる範囲で、次の指標を順に見ていきます。
- 表示数:候補者に求人が表示されているか
- 閲覧数:表示後に求人詳細まで見られているか
- 応募数:閲覧後に応募へ進んでいるか
表示・閲覧が少なければ、求人タイトルや媒体との相性などが原因として考えられます。
一方、閲覧後に応募されない場合は、仕事内容や給与、必須要件などの見直しが必要です。
応募数だけでなく、応募に至るまでの各段階を見ることで、改善すべき箇所を絞り込みやすくなります。
応募は来るが採用につながらない場合
応募はあるものの採用につながらない場合は、
書類選考・面接・内定のどこで候補者が減っているかを確認することが必要です。
確認する指標は、次のように分けると整理しやすくなります。
- 書類選考の通過率
- 面接への移行率
- 面接辞退率
- 内定率、内定承諾率
書類通過率が低ければ、必須要件を厳しくしすぎていないか確認します。
面接辞退が多い場合は、日程調整の遅さや仕事内容・キャリアの伝え方も見直し対象です。
応募後の各段階を切り分けて原因を特定することで、
母集団形成を強化すべきか、選考を改善すべきかを判断しやすくなります。
内定辞退・早期離職が多い場合
内定辞退や早期離職が多い場合は、選考中に伝えた内容と候補者の期待・
入社後の実態にズレがないかを確認する必要があります。
内定辞退では、給与や仕事内容、働き方、キャリアの見通しなど、
どの条件が意思決定の妨げになったかを整理します。
早期離職が続く場合は、次の項目を見直すと原因を切り分けやすくなります。
- 実際の業務範囲や責任
- 勤務条件や働き方
- 情シスの人員体制
- 入社後の教育、支援体制
入社前後の認識差を減らすことが、辞退や早期離職の抑制につながります。
採用後の定着状況まで確認し、次回の採用活動へ反映する視点が必要です。
情シス採用を成功させる5つの方法
情シス採用を成功させるには、人材像や条件だけでなく、求人内容や選考方法まで含めて見直す必要があります。
ここでは、採用要件の整理から候補者への訴求、選考改善まで、実践しやすい5つの方法に分けて解説します。
1.情シス業務を棚卸しして採用する役割を明確にする
情シス採用では、まず業務を棚卸しし、採用する人材に何を任せるのかを明確にすることが必要です。
情シスの業務は幅広く、採用目的によって必要なスキルや経験は異なります。
まずは次の観点で既存業務を整理すると分かりやすいでしょう。
- 現在発生している業務
- 各業務の量や優先度
- 必要な専門性
- 既存メンバーで対応できる範囲
- 新たに採用する人材に任せたい業務
たとえば、問い合わせ対応の負担軽減とセキュリティ体制の強化では、採用すべき人材像は大きく変わります。
「情シスを採用する」ではなく「どの課題を解決する人材を採用するか」まで具体化することで、
採用要件や求人内容にも一貫性を持たせやすくなります。
2.任せる業務と任せない業務を分けて採用要件を絞る
採用要件を絞るには、新たに採用する人材へ任せる業務と、任せない業務を明確に分けることが有効です。
情シス業務は、次の3つに分けると整理しやすくなります。
- 既存社員が担当する業務
- 新たに採用する人材へ任せる業務
- 外部ベンダーなどへ委託する業務
たとえば、セキュリティ監視は外部へ委託し、採用人材にはSaaS管理やヘルプデスクを任せる方法があります。
担当範囲を決めた後は、求めるスキルを「必須・歓迎・入社後に習得」に分けることがポイントです。
実際の業務に必要な条件だけへ絞れば、採用対象を広げやすくなります。
3.給与・働き方・キャリアを含めてポジションの魅力を伝える
情シス採用では、給与だけでなく、働き方・仕事内容・キャリアまで含めて魅力を伝えることが必要です。
候補者は複数の求人を比較するため、次のような情報を具体的に示すと判断しやすくなります。
- 給与や評価制度
- リモートワークやフレックスの有無
- 残業時間や夜間・休日対応の頻度
- 担当できる業務や裁量
- 入社後に目指せるキャリア
さらに、IT企画やDX推進への関与、経営層への提案機会など、自社だから得られる経験も有効な訴求材料です。
「この会社で働くと何を得られるのか」を具体化することで、
候補者が入社後をイメージしやすくなり、他社との差別化にもつながります。
4.未経験者・若手・隣接職種まで採用対象を広げる
育成できる業務であれば、情シス経験者だけに限定せず、若手や隣接職種まで採用対象を広げることが有効です。
候補になり得る経歴・職種には、たとえば次のようなものがあります。
- SIer・ITベンダーでのSE経験
- ヘルプデスク
- インフラエンジニア
- 社内ITサポート
採用要件は、「入社時に必要な能力」と「入社後に習得できる能力」に分けて整理します。
自社固有のシステム運用まで必須にする必要はありません。
一方で、採用対象を広げるなら教育・支援体制の整備も欠かせません。
マニュアルや研修、相談できる担当者を用意することで、未経験層も採用候補に含めやすくなります。
5.選考スピードと面接方法を見直す
情シス採用では、選考スピードを高めながら、実際の業務に合った面接で適性を見極めることが必要です。
選考が長引くと、候補者が他社の選考を先に進める可能性があります。
まずは、面接回数や日程調整、社内承認に不要な待ち時間がないか確認します。
面接では、技術知識だけでなく、次のような業務を想定した質問も有効です。
- 社内からの問い合わせへの対応
- トラブル発生時の優先順位の付け方
- ベンダーとの調整や折衝
- 非IT部門への説明やコミュニケーション
評価項目と判断基準を事前にそろえておくことで、面接官ごとの評価差を抑えやすくなります。
選考の速さと見極めの精度を両立できる体制が理想です。
情シスを採用できない状態を放置する3つのリスク
情シスの人員不足が続くと、日常のIT運用だけでなく、セキュリティや業務改善にも影響が及ぶ可能性があります。
ここでは、担当者への負担、IT業務の停滞など、採用難が長期化した場合に想定されるリスクを整理します。
既存担当者への負担が増え業務が属人化する
情シスの人員不足が続くと、既存担当者へ業務が集中し、属人化が進みやすくなります。
問い合わせ対応や障害対応、アカウント管理などに追われると、
手順書の作成や情報共有まで手が回らず、特定の担当者しか対応できない業務が増えるためです。
特に、次のような状態が続いている場合は注意が必要です。
- 担当者しか把握していない設定や手順がある
- 障害対応や問い合わせが特定の人に集中している
- 引き継ぎ資料や手順書が整備されていない
- 休暇を取りにくい状態が続いている
人を増やすだけでなく、業務を標準化して複数人で対応できる状態をつくることが、
負担と属人化の両方を抑えるうえで有効です。
担当者の退職や障害時にIT業務が停止する可能性がある
特定の情シス担当者に情報や権限が集中していると、退職や休職、障害発生時にIT業務が止まるリスクがあります。
管理者アカウントや設定情報、契約内容、障害対応の手順を一人しか把握していない状態では、
ほかの社員が代わりに対応できません。
特に、次のような情報は共有できる状態にしておく必要があります。
- 管理者権限を持つアカウントの把握
- 緊急時に必要な権限へアクセスする手順
- システムの設定内容
- ベンダーとの契約、連絡先
- 障害対応や復旧の手順
- 更新や保守のスケジュール
担当者が不在でも最低限のIT運用を継続できる体制をつくることが、事業への影響を抑えるうえで重要になります。
セキュリティ対策やDX・業務改善が後回しになる
情シスの人手不足が続くと、日常対応が優先され、
セキュリティ対策やDX・業務改善が後回しになりやすくなります。
問い合わせ対応やアカウント発行、障害対応に追われると、中長期的な施策へ割ける時間が減るためです。
たとえば、次のような取り組みが先送りされる可能性があります。
- アカウントや権限の定期的な棚卸し
- 多要素認証(MFA)の導入
- 利用中のSaaSや契約の整理
- システム刷新や業務改善
改善が滞ると、非効率な運用が残るだけでなく、セキュリティ上の弱点を放置することにもつながります。
採用はIT機能を安定して維持・改善するための手段として捉えることが必要です。
情シスを採用できない場合に検討したい代替手段
情シスを採用できない場合でも、正社員採用だけにこだわらず、別の方法で必要なIT機能を補う選択肢があります。
ここでは、社内育成や外部人材、アウトソーシング、採用代行など、採用難を補完する手段を整理します。
社内人材を育成・リスキリングする
外部採用が難しい場合は、社内人材を情シス担当として育成・リスキリングする方法も選択肢になります。
社内人材は、各部署の業務や社内ルール、既存システムを理解している点が強みです。
特に総務や管理部門などから適性のある人材を検討できます。
育成する際は、現在のスキルに応じて次のような方法を組み合わせます。
- 既存担当者によるOJT
- ITやセキュリティに関する研修
- 資格取得の支援
- 外部研修や専門家によるサポート
ただし、短期間ですべての情シス業務を任せないことが大切です。
担当範囲を段階的に広げれば、社内人材を活かしながら持続的なIT体制を整えやすくなります。
派遣・副業・フリーランス人材を活用する
必要な業務や期間が限定されている場合は、派遣・副業・フリーランスなどの外部人材を活用する方法があります。
たとえば、問い合わせ対応やアカウント管理を派遣人材に任せたり、
専門性が必要なシステム導入を副業・フリーランス人材へ依頼したりする方法です。
活用する際は、次の項目をあらかじめ整理しておくと運用しやすくなります。
- 依頼する業務と契約期間
- システムへのアクセス権限
- 情報管理やセキュリティのルール
- 手順書の作成や社内への引き継ぎ
外部人材への依存を防ぎ、ノウハウを社内に残す仕組みまで設計することがポイントです。
契約形態によって指揮命令の扱いも異なるため、適切な契約・運用方法を確認して活用する必要があります。
情シス業務をアウトソーシングする
情シスを採用できない場合は、業務の一部をアウトソーシングして必要なIT機能を補う方法があります。
ヘルプデスクやPCのキッティング、アカウント管理など、
手順を標準化しやすい業務は外部委託と相性がよい領域です。
委託する際は、次の項目をあらかじめ整理しておくと運用しやすくなります。
- 委託する業務の範囲
- システムや情報へのアクセス権限
- トラブル発生時の対応方法
- 自社と委託先の責任分界
- 情報管理やセキュリティのルール
定型業務を外部化すれば、社内担当者はIT企画やシステム刷新などに時間を使いやすくなります。
自社に残す業務と委託する業務を分けた上で活用することがポイントです。
採用代行(RPO)を活用する
採用担当者の工数やIT人材採用のノウハウが不足している場合は、採用代行(RPO)を活用する方法があります。
RPOでは、求人作成やスカウト、候補者対応、面接調整などを外部へ委託できます。
採用担当者の負担を減らしながら、採用活動を継続しやすくなる点が特徴です。
活用する際は、次のような支援範囲を確認しておくとよいでしょう。
- 求人票の作成や改善
- スカウトの送信、運用
- 候補者との連絡や日程調整
- 採用チャネルや訴求方法の改善支援
ただし、RPOが担うのは採用業務であり、情シス業務そのものではありません。
採用要件が過剰な場合は、要件整理とあわせて活用することで効果を得やすくなります。
情シス採用に関するよくある質問
情シス採用では、経験者の採用難や人材要件の設定など、判断に迷いやすいポイントがあります。
ここでは、採用対象や待遇など、情シス採用で生じやすい疑問をQ&A形式で整理します。
情シスの採用が難しいのはなぜですか?
情シスの採用が難しいのは、IT・デジタル人材の不足に加え、求める役割が広くなりやすいためです。
情シスは、ヘルプデスクやインフラ運用、セキュリティ、IT企画など複数領域を担う場合があります。
そのため、幅広い経験を持つ即戦力だけを対象にすると候補者が限られます。
給与や働き方が競合より見劣りする場合も、応募や承諾につながりにくいでしょう。
人材不足だけを原因とせず、業務範囲・採用要件・待遇を分けて確認することで、
自社の採用課題を見つけやすくなります。
情シス未経験者やSIer出身者も採用候補になりますか?
担当業務と育成体制が合っていれば、情シス未経験者やSIer出身者も十分に採用候補になります。
SIerやITベンダー出身者は、システム・インフラの知識に加え、
要件整理や顧客・ベンダーとの調整経験を活かせる可能性があります。
一方、全社IT戦略の立案や高度なセキュリティ対応などを任せる場合は、
一定の実務経験が求められることもあります。
入社時に必要な能力と、入社後に習得できる能力を分けることで、
担当業務に合った人材まで採用対象を広げやすくなります。
年収を上げれば情シスを採用しやすくなりますか?
年収を上げれば応募が増える可能性はありますが、給与の改善だけで情シス採用が成功するとは限りません。
候補者は年収だけでなく、仕事内容や働き方、キャリア、情シスの人員体制なども含めて転職先を比較します。
また、必須要件が多すぎる場合は、年収を上げても条件を満たす候補者そのものが少なく、
採用につながらないことがあります。
市場に合った年収を設定したうえで、採用要件・求人内容・働く環境を一緒に見直すことが、
採用可能性を高めるうえで有効です。
情シス採用だけでなく必要なIT機能を確保できる体制づくりが重要
情シス採用が難しい背景には、人材不足だけでなく、業務範囲の広さや採用要件、待遇など複数の要因があります。
採用を成功させるには、任せる業務を明確にし、必要なスキルや経験だけに要件を絞ることが基本です。
情シス経験者だけでなく、SIerなどの隣接職種も候補に含め、
給与・働き方・キャリアまで含めて魅力を伝える必要があります。
それでも採用が難しい場合は、育成や外部人材、アウトソーシングも含めてIT機能を確保する視点が求められます。
自社に合う方法を組み合わせることが有効でしょう。